日本でもよく知られている、メキシコ原産の蒸留酒「テキーラ」。実はこの数年で注目を集めているのが、このテキーラの親戚のような存在とも表現される「メスカル」というお酒。テキーラと同じくメキシコが主な産地の蒸留酒ですが、メスカルならではのスモーキーでミステリアスな風味がじわじわと人気を集めています。
そこで本記事では、テキーラと混同されがちな「メスカル」について、食や食文化について紹介する<デリッシュ>から詳しい解説をお届けします。
【INDEX】
メスカルにはどんな種類がある?
そもそも「メスカル」とは、アガベ(多肉植物の一種)を使った蒸留酒の総称。つまり、テキーラも元々はメスカルの一種として捉えられていたのだとか。 現在では、テキーラはブルー・アガベという特定の地方でしか手に入らないアガベのみ造られたものを指す一方で、メスカルはブ40種類以上のアガベから作られるという違いがあります。
メスカルの原料となるのは、アガベの中心部の球茎である「ピニャ」。これを焙煎することによって、特有のスモーキーな風味が生まれるそう。メスカルは重荷9つの州で造られており、産地のちがいが味やスタイルにもちがいを与えているのだとか。
メスカルの製造業者は数百にわたる数を誇り、メスカル規制委員会(CRM)は、オアハカ、ドゥランゴ、プエブラ、ゲレロ、ミチョアカン、サカテカス、サン・ルイス・ポトシ、タマウリパス、グアナファトの9つの州でのみ製造を許可しています。メスカルの多くは、オアハカ州からアメリカ合衆国に輸出されているとのこと。
メスカル規制委員会は、製法に応じてメスカルを分類しており、それらは、インダストリアル、アルテサナル、アンセストラルの3つ。最初の製法は、最も広く用いられていて、より近代的な製造方法である一方、アンセストラルは最も伝統的な製法です。
また、テキーラのアルコール含有量は一般的に38〜55%であるのに対し、メスカルは40〜50%と、高めになっています。
メスカルの飲み方
メスカルを飲むときの大事なルールの一つが、一気に飲まないこと。
メキシコではカクテルのように他の味と混ぜるより、ストレートで飲まれるのが一般的なのだとか。かなり強いお酒である上、スモーキーな風味が強烈だと感じる人もいるので、ちびちび飲みながら楽しむのがベスト。
オアハカのバーテンダーであるアレックス・メディナさんが、お酒に関する情報サイト、<Vinepair>に語ったところによると、「メスカルの最高の飲み方はいつだって、少しずつ、お口直しと水分補給のための水と一緒に飲むことです。そうすれば、メスカルのさまざまな風味と香りを味わうことができます」とのこと。
オレンジ、レモン、またはライムのスライスを合わせて楽しむ人もいるし、定番のピニャ・コラーダにメスカルを入れるなど、カクテルに混ぜて出すバーもあるのだとか。
メスカルが人気な理由
欧米では、コロナ禍で人気が高まったという「メスカル」。人気の理由の一つに、旅行をせずともお酒を嗜むことで異国情緒を楽しめるという背景も。実際に旅行する前に、自分好みのメスカルの産地を知っておくのもおすすめ!
現在、世界のメスカル市場規模は3億3800万ドル(約453億円)とも予測されており、今後10年間の間に22.6%伸びると見られているそう。その人気はあまねく広がっており、様々な国でメスカルバーが少しずつ増えているとのこと。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:mayuko akimoto
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