ここ最近、さまざまな種類の調理油をスーパーでも見かけるように。油は種類によりその特性も風味も異なるため、炒め物に使うと良い油もあれば、そのまま数滴たらすだけで、料理や素材の風味がアップするものまでさまざま。

一瓶買えばしばらくの間は持つというだけあって、保管方法には注意が必要なもの。油の種類によっては熱や光、空気にさらされるとダメになってしまうものもあるので、直射日光や熱がこもりやすい場所は避けて、冷暗所に保管し、1年以内に使い切るのがベストだとか。

また、もうひとつ注意するべきポイントが「煙点(=スモークポイント、油によって加熱したときに煙がではじめる温度)」が異なるということ。油から煙が出はじめると、料理に苦みを与える化学物質を放出したり、フリーラジカルが発生することも。

そこで、<グッド・ハウスキーピング>から「ヘルシーといわれる8つの調理油の特徴」をご紹介。油は料理の基本。かしこく使って、おいしくヘルシーな食生活をめざして!

【INDEX】


※温度はすべて摂氏での数値です

オリーブオイル

健康的な一価不飽和脂肪酸と、抗酸化物質が豊富な「オリーブオイル」。2014年に行われた大規模なメタ分析では、オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸が心血管疾患や脳卒中のリスクを減らすことが判明しています。

オリーブオイルには、コールドプレス(低温圧搾)と呼ばれる方法で抽出された「エキストラバージン」と表記されたものがあり、これはプロセス時にオリーブが一定の温度を超えないため高品質が保てるのが特徴。また、収穫の時期も重要になると言います。

オリーブオイルブランド「コステリナ・グリーク・オリーブオイル」の専門家は、未熟なオリーブを収穫することで「健康的なポリフェノールを豊富に含み、抗酸化物質を非常に多く含むオリーブオイルになります」とコメント。

エキストラバージン・オリーブオイルは、煙が比較的出にくいため、中火でソテーする料理や、低めの温度でじっくりでローストする料理に最適。油そのものにコショウのような深い風味があるのでドレッシングにもぴったり。

  • おすすめの調理法:サラダ(ドレッシング)、ソテー
  • 煙点:エキストラバージンは約162.8~190度、通常の精製油は約240度

nakato ヴィラブランカ オーガニック エクストラバージンオリーブオイル

ヴィラブランカ オーガニック エクストラバージンオリーブオイル

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アボカドオイル

アボカドの果肉を搾って作られるこの油は、マイルドな風味に加え煙点が高く、ほとんどの料理でおいしく使えるのだそう。健康的な一価不飽和脂肪の含有量がもっとも高い油のひとつであり、多価不飽和脂肪酸も少ないのが特徴。

まろやかな風味は万能調味料でもあり、バターの代わりに使ってお菓子を焼くのもおすすめ。値段は他の油と比較してやや高額ではあるものの、高圧ガスを使わないスプレータイプのものであれば分量をコントロールしやすいはず。

  • おすすめの調理法:炒めもの、ロースト、焼き菓子
  • 煙点:バージンは約190度、通常の精製油は約271度

Olivado オリバード エキストラバージン アボカドオイル

オリバード エキストラバージン アボカドオイル

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フラックスシードオイル(亜麻仁油)

フラックスシードオイルは、健康的かつ植物性のオメガ3脂肪酸の宝庫。このオイルにも含有されているオメガ3系のALA(α-リノレン酸)を豊富に含む食事は、コレステロールが高い人の脂質レベルを下げ、血圧を下げる効果があると言われているそう。

一価不飽和脂肪酸が多く含有されているため、熱に弱く、すぐに腐敗や酸化してしまうので冷蔵保存が必須。ほんのりとしたナッツのような風味があり、サラダのドレッシングに使ったり、料理に少しだけ使うだけでもおいしさがアップします。ただし、煙点が低いため、加熱するタイプの調理にはあまり向いていません。

  • おすすめの調理法:ドレッシング、そのまま数滴振りかける
  • 煙点:約107度

フラット・クラフト 亜麻仁油

亜麻仁油

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ウォールナッツオイル(くるみ油)

米国登録栄養士であり『Eat Clean, Stay Lean(きれいに食べて、体型を保つ/原題訳)』の著者であるウェンディ・バジリアン博士は「植物性オメガ3系(ALA)を豊富に含むくるみは、栄養価が高いことで知られています。そのくるみから抽出されたウォールナッツオイルは、料理に数滴たらしたり、さっとまわしがけするなど仕上げに使うと良いでしょう」と解説。

ほとんどのウォールナッツオイルは未精製または半精製の状態で販売されているため、栄養素やファイトケミカルをたっぷり含有しているものの、加熱すると損なわれてしまうので要注意。

バジリアン博士はパスタに和えたり、サラダのドレッシングとして使ったり、カボチャのスープに数滴かける調理法を提案。ウォールナッツオイルは高額かつデリケートな油。風味とファイトケミカルを保つには「冷蔵庫または冷凍庫で保存するのがベストです」と、バジリアン博士はアドバイスします。

  • おすすめの調理法:ドレッシング、そのまま数滴振りかける
  • 煙点:約160度

オーフスカールスハムン ピュア ウォールナッツオイル

ピュア ウォールナッツオイル

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ピーナッツオイル(落花生油)

米国登録栄養士であり、米国ピーナッツ組合のメンバーであるジェーダ・リントンさんによると、ピーナッツオイルには数種類あり、それぞれ異なる技術を用いて作られているそう。マイルドで甘みのあるものから、味が濃く、ナッツのような風味のものまでさまざまな味があるのだとか。

またピーナッツオイルのほぼ半分が一価不飽和脂肪酸で構成され、煙点が高いことも特徴。伝統的にアジア料理に多く使用され、グリル、野菜のロースト、炒め物に最適だと言われています。

リントンさんは「油そのもののおいしさだけでなく、ビタミンEの優れた供給源です。また食用油の中でも最も一価不飽和脂肪酸含有量が高い油のひとつでもあります」とコメント。

  • おすすめの調理法:炒めもの、ソテー
  • 煙点:約232度

Flora Labo プレミアム ピーナッツ・オイル

プレミアム ピーナッツ・オイル

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ごま油

ごま油は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の両方を豊富に含むものの、飽和脂肪酸が少ないのが特徴。また強力な抗酸化物質であるセサモールとセサミンを含有。

研究によると、ごま油には血圧を下げる効果があることも判明。ごまを焙煎し、その後コールドプレス(低温圧搾)を行うのが定番の製法で、香ばしい風味は炒めものに最適で、幅広い料理に合います。

  • おすすめの調理法:炒めもの、ソテー、揚げもの
  • 煙点:約232度

九鬼 ヤマシチ純正胡麻油

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ココナッツオイル

ココナッツオイルは、生または乾燥したココナッツの果肉を圧搾して作られ、ココナッツオイルの90%が飽和脂肪酸で構成されているため、常温でも凝固するのが特徴。また、中鎖脂肪酸の豊富な供給源としても注目されているんだとか。

ココナッツオイルについての研究は少なく、「善玉のHDLコレステロールを上げる」と結論づけた研究もあれば、「悪玉のLDLコレステロールや中性脂肪を上げる」とした研究結果もあり、一貫性はいまだ確認できていないとのこと。

さっとソテーしたり、焼き菓子に使うには最適だけれど、高温調理には向いていません。固形脂肪分の割合が高い油なので、バターの代わりにココナッツオイルを使って焼き菓子を作る場合、レシピのバターの分量よりも25%ほど少ない量で作ってみて。ヘルシーオイルとして人気ではあるものの、“奇跡の食品”というわけではないので摂りすぎは禁物。

ブラウンシュガーファースト オーガニック エキストラバージン ココナッツオイル

オーガニック エキストラバージン ココナッツオイル

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キャノーラ油(菜種油)

キャノーラ油は、菜種から作られている油。煙点が高いためさまざまな料理に使えるだけでなく、飽和脂肪酸が少なく、一価不飽和脂肪が比較的多いのが特徴。値段もお手頃なので、使いやすい「家庭油」として人気なんだとか。

唯一の問題点は、加工されている場合が多いこと。健康的な選択肢にするには、コールドプレスされた良質なものを探すことが重要です。

  • おすすめの調理法:ソテー、揚げもの、焼き菓子
  • 煙点:約204度

カホクの菜たねサラダ油

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※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: 宮田華子
GOOD HOUSEKEEPING