バランスのとれた朝食を毎朝食べるのは、時間が限られていることもあり難しいもの。在宅勤務で生活リズムが乱れたり、オフィス通勤で働くリズムを取り戻そうとしたりしている場合はなおさら、朝ごはんを食べる時間がない人も多いはず。

以前から毎朝朝食ををしっかり食べている人も、ほとんど食べない人も、栄養たっぷりの朝食をとるようにすれば、ランチ前に低血糖や代謝の低下により頭がぼんやりしてしまうことを防げるはず。

本記事では、朝に食べるのにぴったりな16の食品と、栄養バランスのとれた手軽な朝食メニューを<グッド・ハウスキーピング>から紹介。登録栄養士のステファニー・サッソスさんとジャクリーン・ロンドンさんお墨付きのガイドラインをチェックしながら、よりヘルシーな1日のスタートを目指してみて!

【INDEX】


健康的に朝食をとるための方法

朝食で食べるべきものについて学ぶ前に、まずは一日のスタートである朝食をとる大切さや、より健康的に朝食をとるためのアドバイスを紹介します。

毎朝きちんと食べるようにする

朝食をしっかりとることが健康に繋がるか否かは、昔から交わされてきた議論のひとつでとても難しい問題。中でも注目すべきは、バランスのとれた朝食と最適な栄養摂取方法の関連性を示唆する研究

たとえば、医学雑誌<Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism>に掲載された研究よると、消化に必要なエネルギー量は特に午前中に多く必要とされるため、1日を通して見たときに、朝食をしっかり食べる人の方が全体的により多くのカロリーを消費していることになるのだとか。

糖分に気をつける

グラノーラやパンケーキ、コーヒーやジュースといった定番の朝食メニューには、砂糖が含まれていることが多いのも事実。可能なら糖類無添加の食品を選び、一品あたりの糖質の摂取量を10グラムよりさらに可能な限り低い値に抑えることをおすすめします。

野菜をたくさん食べる

冷蔵庫にある野菜を卵に添えれば、食物繊維の摂取量が増え、満腹感が持続します。

低脂肪のタンパク源を選ぶ

ベーコンはおいしいけれど、食べる量はほどほどに。加工肉よりも、脂肪が少ない魚や鶏肉、豆類、ヨーグルトなどの糖類無添加の乳製品、卵を朝ごはんとして選ぶようにしましょう。

嚙んで食べる

スムージーや置き換えダイエット飲料を飲むより、なにかを噛んで食べた方が満腹感と満足感を得られるもの。忙しい朝には栄養満点のスムージーが重宝するかもしれないけれど、ランチの時間よりかなり前にお腹が空いてしまうようであれば、固形食がおすすめです。

栄養バランスを考える

バランスの良い食事をとるためには、主にタンパク質、食物繊維たっぷりの炭水化物、ヘルシーな脂質の3大栄養素を摂取することを目指して、メニューを考えましょう。そのうえで、野菜や果物は好きなだけ食べてもOK。

1日の良いスタートを切るためにも、この3大栄養素の摂取は必須。タンパク質や食物繊維が豊富な炭水化物の代わりに脂質を多めにとったり、逆に脂質の代わりに他2つの栄養素だけをとることは避けましょう。

healhy breakfast toast with avocado, egg
Arx0nt//Getty Images

朝食におすすめの食べもの

野菜、果物、穀物や動物性食品など、おいしくて栄養バランスにすぐれた、朝の食事に取り入れるべきおすすめ16の食品は以下の通り。

プロテインシェイク

プロテインシェイクはすばやくタンパク質を補えるだけではなく、「朝食時に野菜を摂取するのにも役立ちます」と話すのは、グッド・ハウスキーピング研究所で栄養士を務めるエイミー・フィッシャーさん。

おすすめメニューは、プロテインパウダーに2掴みほどのほうれん草、糖類無添加のナッツミルク、そしてベリー類などの食物繊維が豊富なフルーツを加え、仕上げにシナモンを振りかけたシェイク。

young woman drinking green juice for cleanse diet
Oscar Wong//Getty Images

また、プロテインの粉は9種の必須アミノ酸をすべて含む、第三者機関が認証した製品(外部機関が品質管理試験を実施したことを意味する)を選ぶことがおすすめ。製品ラベルに記載されている「オーガニック」「グラスフェッド(牧草飼育)」「遺伝子組み換え食品ではない」等の言葉も、選ぶ際のポイントとなるでしょう。

「全体的に、原材料の種類が少ない食品の方がおすすめです。甘味料、充填剤、安定剤などの添加物も避けるようにしましょう」と、フィッシャーさんは補足します。

全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)

細胞を炎症から守る抗酸化物質を含んでいる、全粒穀物。カルシウムやカリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも豊富なほか、栄養素をエネルギーに変換する際に役立つビタミンBも含んでいます。

キヌア、スペルト小麦、そば粉、キビやアワなどその種類は豊富。毎日食べるパンも、100%全粒粉や全粒穀物で作られたものであれば、バランスのとれた朝食のメニューとして取り入れることができるはず!

wholegrain and seeds sliced bread
fcafotodigital//Getty Images

バナナ

満腹感が得やすく、持ち運びにも便利なバナナ。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を作り出すことに貢献する葉酸やビタミンB6が含まれています。

また、バナナに含まれる水溶性食物繊維には、消化管でコレステロールを吸収し、血液中に移行する(すなわち動脈を詰まらせる)動きを防ぐため、コレステロール値を下げる働きがあります。

全粒穀物と合わせて、その上に薄く切ったバナナをのせて、チアシードやクルミを大さじ1杯トッピングするレシピがおすすめ。

bowl of muesli and fruit
margouillatphotos//Getty Images

“完全食”とも呼び声が高い「卵」が、朝食の定番なのにはさまざまな理由があります。

たとえば、ビタミンA、D、B12、タンパク質が豊富に含まれ、安価な上に栄養満点。タンパク質は炭水化物より消化に時間がかかるので、より長い時間満腹感が持続するのです。

全粒穀物パンのトーストの上にスクランブルエッグとスライスしたトマトをのせたり、ほうれん草とブロッコリーとマッシュルームのオムレツを作れば、食物繊維と低脂肪のタンパク質がたっぷりとれる朝食が簡単に完成します。

ベリー類

1カップのいちごには、食物繊維3グラムと1日に必要なビタミンC摂取量が含まれています。また、ベリー類(ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなども含む)に含有する抗酸化物質にも細胞を守る働きがあり、十分な量を食べれば血行促進の効果が期待できることもあり、おすすめ。低カロリーなこともうれしいポイント。

ベリー類があまり好きではない場合は、血圧を安定させ、お腹の張りをやらげる効果のあるカリウムが豊富な柑橘類、りんご、核果類(モモやスモモなど)、メロンなどを代わりに食べるといいでしょう。

bowl of fresh fruit on white, marble background
Claudia Totir//Getty Images

コーヒー

米国農務省(USDA)および米国保健福祉省(HHS)が公表した<2020-2025 米国民向け食事ガイドライン>は、コーヒーには健康を保つためのメリットがあると報告しています。

ハーバード大学医学大学院の研究者によれば、毎日1杯のブラックコーヒー(必要ならミルクやクリームを加えてもOK)を飲むと、慢性的な疾患のリスクが軽減される効果が期待できるとのこと。高脂肪乳製品や大量の砂糖の使用を避けることで、健康的なエネルギー源になることが期待できます。

シード類

ゴマ、チアシード、ひまわりの種、かぼちゃの種、亜麻仁(アマニ)など、体にいいシード類は豊富。1オンス(約28グラム)で10グラムほどのタンパク質を摂取できるので、シリアルやスムージー(またはただの水)、プリンや焼き菓子などにぜひ加えましょう。

健康の維持や免疫力アップに役立つ亜鉛、マグネシウム、鉄、カルシウムや、LDL(悪玉)コレステロール値を減少させ、HDL(善玉)コレステロール値を増加させる水溶性食物繊維も含まれています。タンパク質と食物繊維の組み合わせは、昼食時に血糖値が急上昇・急降下するのを防ぐ効果もあるとのこと。

オーツ麦

全粒穀物の一つであり、食物繊維、植物性タンパク質、ビタミンB、そして鉄・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているオーツ麦。

コレステロール値を改善させると報告されている「β-グルカン」と呼ばれる食物繊維の一種も含まれており、心臓病のリスクを低減させる効果も期待されています。この食物繊維にはプロバイオティクス(体に良い働きをする微生物)を活性化させる働きもあり、消化器官の善玉菌の生存と成長を助けてくれます。

アボカド

果物に分類され、心臓に良い脂質、水分、そして食物繊維という独特な成分からなるアボカド。

満腹感を高めるため、朝食に食べるとその後の時間に食べ過ぎる可能性を低くする作用も期待でき、朝食にピッタリ。また、心臓病、生活習慣によるガン、そして糖尿病のリスク低減と繋がりがあるとされている不飽和脂肪も含有。

全粒パンでアボカドトーストを作れば、それぞれに含まれるビタミンBとミネラルをたっぷり摂取できます(タンパク質補給のために卵ものせればさらにベター!)。

directly above shot of breakfast served in plate on table
Riki Chettri / 500px//Getty Images

糖類無添加のギリシャヨーグルト

糖類無添加のギリシャヨーグルトやスキル(アイスランド発のヨーグルト)には、タンパク質とプロバイオティクスが含まれています。朝食に甘い物が食べたいけれど糖質の摂取はなるべく控えたい場合は、フルーツを加えるのがおすすめ。

さらに、カルシウムも豊富で、ビタミンDが強化されている製品も。低糖質グラノーラと合わせて食べる場合は、必要以上に大量の砂糖が添加されていないものを選びましょう。

ナッツ類やナッツバター

大さじ2杯でタンパク質8グラムと、心臓に良い不飽和脂肪が摂取できると言われるピッナッツバター。

もともとピーナッツやナッツ類全般は、慢性疾患のリスク低減や体重の減少や維持と関連付けられてきました。市販のものを選ぶなら、ナッツ類のみでできた1食当たりの食塩使用量を抑えたものがおすすめです(安定剤として油を使用しているものでも可)。

紅茶や緑茶

糖分などを加えられていない紅茶や緑茶ならカロリーが低いうえに、きちんと裏付けされたメリットがたくさんあります。

特に「緑茶」は、慌ただしい朝に心を落ち着かせてくれるだけではなく、心血管疾患のリスクを下げ、体重を減らす助けにもなると言われています。

砂糖を入れていない紅茶か緑茶16オンス(約454グラム)を朝食時に飲むようにすれば、寝ている間に失われた水分を簡単に補給でき、1日の水分摂取量目標に向けて幸先のいいスタートを切れるはず。

cropped hand holding green tea cup by teapot on table
Viktoriia Leontieva / EyeEm//Getty Images

部分脱脂乳のチーズ

朝食にパートスキムミルク(部分脱脂乳)から作られたモッツァレラチーズを1切れ加えるだけで、8グラムのタンパク質(卵1個と同じ量!)を簡単に補給することができます。

塩分控えめのカッテージチーズ1/2カップなら、20グラムほど摂取が可能。また、乳製品には、カルシウム、マグネシウム、カリウムも含まれています。

朝食の主なタンパク質源とする場合は1/3カップ程度、味を調整するためにオムレツなどにプラスする場合は1/4カップ程度のチーズを目安に調理してみて。

ほうれん草

ほうれん草には、動脈を広げてコレステロール値を下げることで心臓の健康を向上させる成分が含まれています。そのため、オムレツやサラダやスムージーなどに入れて、積極的に朝食に取り入れると良いでしょう。

また、ほうれん草に含まれている硝酸塩は血糖値を低く保つ働きも。主要なビタミンも揃って含まれていて、冷凍ほうれん草1/2カップで1日あたりのビタミンA推奨量の64%を摂取できるとされています。

さつまいも

中サイズのさつまいも1本で、1日に必要なビタミンAの約400%の量が摂取が可能。食物繊維も推奨量の15%が含まれており、LDLコレステロール値を下げ、消化器官の健康を促進してくれるそう。また、皮には、免疫力アップにおいて重要な役割を果たすβカロテンが豊富に含まれています。

朝食に食べていたパンやベーグル、マフィンなどの代わりにさつまいもを使い、卵やアボカドでトッピングしてみて。

全粒穀物のワッフル

調理が簡単でおいしい冷凍ワッフルは、トーストの代わりにもなる食品。原材料に100%全粒穀物と表記されている、添加されている糖類の量が可能な限り少ない製品を選びましょう。卵をサンドしたり、たまには豪華にナッツバター大さじ2杯、シナモン、チョコレートチップをトッピングして甘い朝食を楽しむのもあり。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: 平田三桜(Office Miyazaki Inc.)
GOOD HOUSEKEEPING