予定日になっても生理がこないとき、妊娠の可能性を疑う人もいれば、理由がわからないまま放置してしまう人も少なくないはず。しかし、それは深刻な病気や症状が隠れているサインである可能性も。

そこで、この記事は生理がこないときに考えられる原因妊娠している場合に起こりうる症状を<コスモポリタン アメリカ版>から医師のコメントや医学誌の情報をもとにご紹介。心当たりがある人は、自分一人で判断せずに、まずは医師に受診しましょう。

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生理がこない10の理由

妊娠している

「“妊娠しているわけがない”と思う状況であっても、生理がこないときに思い浮かぶ最たる原因が妊娠でしょう」と語るのは、産婦人科医のアリッサ・ドウェック医師。

性生活がアクティブな人で生理がこない場合、まず自宅でできる妊娠検査薬で確認してみることが大切。避妊をしっかり心がけていたとしても、可能性はゼロではありません。

運動のしすぎ

エクササイズを心がけるのは良いことだけど、健康を気づかうあまりに運動をしすぎたり、ジムに通いつめたりするのは逆効果に…。

ドウェック医師によると、運動のしすぎで、なおかつ運動量に見合った食事量を摂取していない場合、極端な体重減少や摂食障害を引き起こし、それが無月経の原因になるケースもあるとのこと。

「特にBMIが18または19以下の人は注意が必要です。運動量を減らしたり、体重を少し増やしてBMIの数値を上げたりすることで、また生理がくるでしょう」とドウェック医師。

生理がこない状態が1年以上続くと骨密度低下や骨粗しょう症を引き起こすリスクが出てくると言います。早い段階での対処が大切です。

太りすぎ

痩せすぎだけでなく、太りすぎも生理不順の原因に。オーストラリアで行われた研究によると、肥満女性は標準体重の女性に比べ、生理不順を抱えている人の数が2倍にものぼるのだとか。体重過多がホルモンに異常をきたすことで、生理周期が乱れるのだそう。

2015年に発表された別の研究によると、体重が減少すると生理が戻る場合もあるとのこと。まずは、健康的な食生活と運動を心がけることからスタートしてみて。

経口避妊薬の服用を止めたばかり

ホルモン剤は生理周期を調節するための薬であるため、服用を止めると一時的に体にショックを与える可能性が。

「原因は判明していないものの、服用をやめた後に体内システムが正常に戻るまでには時間がかかる場合があるのです」とドウェック医師。正常な生理周期に戻るまでに、数カ月を要する場合もあるんだとか。

ここで覚えておきたいのは「生理がこなくても排卵が可能であれば、妊娠する可能性がある」ということ。妊娠するための環境や準備が整っていない人は、性交時には必ずコンドームを使用しましょう。

脳下垂体の病気

生理がこないうえに乳首からミルクのような白い液体が出る場合は、すぐに医療機関の受診を。

「稀な病気ではあるものの、乳首から白い液体が出たり頭痛に悩まされたりする場合は、脳下垂体腫瘍の可能性があります」とドウェック医師。

この病気は、血液検査で血中のプロラクチンを測定することで診断が可能で、医師によれば「内分泌科専門医による投薬治療により完治が望める」とのこと。

腫瘍がある

「腫瘍」と聞いただけで震えあがってしまいそうだけど、「腫瘍にも様々なものがあるので、まずは医師としっかり相談しましょう」とドウェック医師。良性腫瘍が原因で生理が遅れることも。

長期にわたりピルを服用している

オハイオ州立大学・ウェックスナー医療センターのメリッサ・ゴイスト産婦人科医によると、経口避妊薬(低用量エストロゲン)やミレーナ(IUS:黄体ホルモンを子宮内に放出する子宮内システム)を使用している場合、子宮内膜の厚みが蓄積しなくなるため「生理が月1回以下になる、またはまったくこなくなるかのどちらか」とのこと。

ストレス

「仕事や勉強が大変すぎて、心身ともに疲れ果てている」「徹夜が続いている」という人は、ストレスによって生理が止まってしまうことも。

ゴイスト医師は「ストレスによって生理が遅れたり止まったりした人たちに、私はこのように説明をします。生理が止まったのは、あなたの体が『今は妊娠に適した時期ではない』と判断したということ。体があなたを守るために行ったことなのです」とコメント。

まずはストレスをコントロールできるようになるのが先決。生理周期が多少遅れることを気にするよりも、ストレスを生む環境について対処を。

甲状腺の病気

甲状腺とは代謝の調節、ホルモンの生成、体温のコントロールなど様々な役割をする臓器。医学誌『The Obstetrician & Gynaecologist』に掲載された研究よると、甲状腺機能はその働きが過剰になっても低下しすぎても、生理や生殖能力に影響を与えてしまうとのこと。

ゴイスト医師いわく、疲労感や抜け毛、体重の増減などの症状があり、主治医が甲状腺異常を疑う場合は速やかに治療を受けるべきなんだとか。正しい治療を受ければ、数カ月以内には生理が正常に戻るとのこと。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

「生理が来ない」「ニキビができる」「健康的な生活を送っているのに体重が増える」「顔や胸が毛深くなる」などの症状がある場合、婦人科医は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を疑うのだそう。

ドラマ『glee』リア・ミシェルが診断されたことでも知られるPCOSは、卵子が成熟せず排卵が起こりづらくなるなど、ホルモンバランスが崩れる疾患。

生理が止まってしまうこともある一方で、生活習慣の見直しや避妊薬の服用によって改善されるんだそう。まずは婦人科を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。

妊娠している場合の症状とは

ここからは、ニュージャージー州プリンストンの民間診療所「ウィメンズヘルスケア」で理事会認定産婦人科医を務めるマリア・ソフォクリーズ先生の解説のもと、妊娠している場合の症状とその特徴を<コスモポリタン アメリカ版>からご紹介します。

マリア先生いわく、妊娠している場合の症状には下記の5つが挙げられるんだとか。

  • 吐き気がする
  • 胸が大きくなる
  • 乳輪の色が変わる
  • 嗅覚が敏感にある
  • 常に空腹

1. 吐き気がする

妊娠すると、ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンの分泌量が急速に増加することで、消化器官の不調を引き起こされると言われています。

「つわり」と呼ばれる妊娠期特有の吐き気は、早い人で最終月経開始日から4週間以内に始まるとのこと。つわりのことを英語ではmorning sickness(朝の不調)と言うけれど、人によっては終日続くことも。

一方、流産をするとヒト絨毛性ゴナドトロピンの分泌量の増加が止まり、消化器官が安定するそう。妊娠後、突然吐き気がおさまったり胃の調子が落ち着いたりしたときは、すぐに医師に相談しましょう。

2. 胸が大きくなる

乳房が突然大きくなることも、妊娠症状の一つ。月経が始まる前よりも胸が膨らんで敏感になった状態が長く続く場合、妊娠しているサインだと考えられるんだとか。

3. 乳輪の色が変わる

妊娠すると、早ければ1カ月以内で乳輪に変化が表れることが。ホルモンの影響で、乳首の周りの皮膚の色が濃くなったり、乳輪が大きくなったりする可能性があると言われています。

4. 嗅覚が敏感になる

妊娠4~5週目頃から嗅覚が敏感になり、一部の食品が突然苦手になったり、ひどいときには吐き気を催したりするケースもあるとのこと。

5. 常に空腹

つわりで食欲不振になる人がいる一方で、空腹に悩まされる妊婦も。症状は人それぞれですが、お腹にいる赤ちゃんの栄養補給のために母体のエネルギーや栄養素の必要量が増え、空腹状態に陥りやすいんだとか。

この翻訳は抄訳です。

Translation: 宮田華子、YUUMI IKEUCHI
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