生理中でも「お風呂やプールなどの水の中では、水圧で経血が外に出にくい」という説を耳にしたことがある人も少なくないはず。

気になるのは、これが科学的にも証明されるのか、あるいは迷信なのか…ということ。そこで本記事では、医師がそのメカニズムについて解説。

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水の中で経血が出ていないように感じる理由

まず最初に安心していただきたいのは、生理中でもプールに入り安全に泳ぐことはできるし、生理であることを恥ずかしく思う必要はない、ということ。「実際に、生理中に適度に運動することで生理痛が和らぐこともあります」と語るのは、女性や生理のある人が月経とどのように向き合うかなどを専門とする内科医のナターシャ・ラムゼイ医師

またラムゼイ医師は、以下のような俗説についてもその真偽について説明。

  • 生理中に海に行くと、経血でサメが寄ってくる
    まったくのデタラメ。
  • 水中では生理が完全に止まる
    “生理が止まっている”というのは正しくない情報です。水圧で経血が出にくくなってはいるものの、水中でも経血は出ています。

生理中にプールや海に入るときのおすすめの生理用品

生理中にプールや海に入りたいという場合に覚えておくべき注意点は、「ナプキンやライナーは使うべきでない」ということ。これは、素材の特性から水を含むとすぐに膨れあがり、経血を吸収できなくなってしまうから。

プールや海でおすすめの生理用品は以下の通り。

吸収性の低いタンポン

便利なタンポンですが、注意点としてトキシックショック症候群(TSS)を避けるためにも、プールや海で泳ぐ場合も泳がない場合も6〜8時間に1回は必ず交換すること。

ラムゼイ医師によると、「泳いでいる間、タンポンが経血とともに水を一部吸収します。吸収性が高くないタンポンを選んで、頻繁に取り替えた方が、炎症や不快感を防げて安全です」とのこと。

月経カップ

メーカーによっては最長12時間使える月経カップ。経血を吸収するのではなく、溜めるタイプなので、水を吸うこともなく取り外しもよりスムーズでおすすめ。

生理用水着

吸水ショーツのように、タンポン約2本分の経血を保持できるよう設計されている生理用水着。まだまだ種類は少ないけれど、タンポン、月経カップなどはあまり使いたくない人には特におすすめ。

low section of woman swimming in pool
Maria Maglionico / EyeEm//Getty Images

プールで生理用品を使うときの注意点

細菌性膣炎(膣内細菌のバランスが崩れたときに起こる感染症)や膣カンジダの予防のためにも、生理期間中は長時間にわたって濡れた水着を着ていることがないよう注意が必要です。

「膣には、もともと細菌やカンジダ菌が存在していて、バランスを保って共存していることを忘れないでください」
「カンジダ菌や最近は温かくて湿気のある環境を好みます。水着を長時間着ていると、カンジダ菌が過剰に増殖して、感染症を引き起こすことがあります」

さらに、ここに経血や生理用品が加わるので、感染リスクが高まってしまうということ。もちろん、タンポンや月経カップを長時間放置しておくのもよくない(一般的に8時間で交換するのが最適)ので注意しましょう。

プールに入る際は生理用品は定期的に変えて、泳いだ後はよく体を乾かし、乾いた服と下着をできるだけ早く着ることが大切です。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation:mayuko akimoto
COSMOPOLITAN US