いつもと色が異なったり、量に変化があったりと、健康状態のバロメーターにもなってくれる「経血」。先日あるアメリカのある研究会社が、特に糖尿病患者にとって月経血検査による健康のモニタリングに役立つ“生理用ナプキン”を発表し、注目を集めている。

革新的な生理用ナプキン“Q-Pad”

バイオテクノロジー研究会社の「Qvin」は、経血からA1cをテストできる革新的な生理用ナプキン“Q-Pad”のFDA(アメリカ食品医薬品局)認可を取得したことを発表

赤血球にあるヘモグロビンと、糖の結合率を示す検査値のこと。値が高いほど、血糖値も高いと考えられる。日本ではHbA1c(NGSP法)と表記されることも。

Medical Device Network>によると、Q-Padと名付けられたこの検査は、従来の静脈注射による採血に加えて、新たな選択肢になるものとして開発されたとのこと。糖尿病患者で生理のある人は、経血検査で過去3カ月程度の平均血糖値を把握できるようになるのだそう。

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時間的な制約や経済的な問題、また医療機関へのアクセス不足のために検査にハードルがある人は、より簡単に検査が可能に。そして FDAによる「一般医薬品」としての販売許可は、その安全性を裏づけていると<Femtech Insider>は報じている。

Qvinの共同設立者であり、医学博士で科学者であるサラ・ナセリ氏は、次のようにコメント。

「史上初の、FDAが認可する月経血による健康検査が誕生しました。Qvinは女性の健康にとって非常に重要な新たな可能性への道を切り拓いていて、これは始まりに過ぎません。日常的な検査をより簡単にすることで、ケアに充てられるリソースを確保し、最終的には医療をより身近なものにするのが私たちの目標なのです」

結果はアプリで通知!Q-Padの使い方

プレスリリースによると、Q-Padには取り外し可能な採取ストリップが含まれているとのこと。

Q-Padで経血サンプルを十分に採取したあと、採取ストリップを取り外して臨床検査のためにCLIA(臨床検査室改善法)認定の検査機関に郵送すると、ユーザーはQvinのアプリを通じて結果を受け取れるという仕組みなのだそう。

Qvinは、スタンフォード大学医学部などとの共同研究により、経血から検査できるほかのバイオマーカーの検証を進めているのだそう。貧血、不妊症、更年期障害、子宮内膜症、甲状腺などの健康状態の指標となるような検査も、視野にいれているという。

※この記事に記載された情報はアメリカ国内に関するものであり、アメリカ国内の状況や事例に基づいています。日本における導入や研究については、現段階でわかっていることはありません。

※日本では病院での採血を用いる自費検査のほかに、郵送を使った検査キットや、薬局やドラッグストアに用意されている「ゆびさきセルフ測定室」といった検査方法などがあります。