恋人やパートナーと良い雰囲気になったときに、まだタンポンをつけていることに気づいたあなた。こんなとき、「実はまだタンポンを入れたままで…」と言いだしづらい人もいるかもしれません。 しかし、タンポンを入れたままの状態でセックスをするのは推奨されていません

本記事では、タンポンをつけたままセックスすることのリスクを「One Medical」の家庭医であるブヤン医師が解説。もしもタンポンが入っていることに気づかないでうっかりセックスをしてしまったら、一体どうなるのでしょうか?

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タンポンをつけたまま性行為をするとどうなる?

タンポンを入れたまま膣にペニスや指などを入れると、タンポンが膣の奥に押しやられたり、横に傾いてしまう危険性があります。そうなった場合は、取り出すための紐に手が届かなくなり、引き抜くのが難しくなります。

なかには、膣にタンポンが入っていることを忘れてしまう人もいるそう。その場合には、最終的にはタンポンが膣に詰まったような状態になってしまうことも。

ただし、タンポンが膣の奥に入ってしまったとしても、膣以外の場所へ移動することはないのだとか。

「 膣管は密閉された空間なので、タンポンが腹部へ移動することはありません。(中略)タンポンが膣管の外に移動することはないのです」

膣の奥に入ってしまったタンポンを取り出す方法

自分でタンポンを取り出すには次の手順で試してみましょう。

まずは手を洗浄して清潔な状態にすること。その後、両足を曲げてしゃがんだ姿勢か、トイレの便座などに片足を上げた姿勢をとります。膣に手を伸ばし、タンポンの紐をつかんで取り出せるか確認してください。

自分でタンポンを取り除くことに苦戦した場合は、まずは深呼吸をしてください。そして、なるべく早く医療機関の診察を受けるようにしましょう。命にかかわる場合もある「トキシックショック症候群(TSS)」を防ぐためにも、何日もタンポンを放置するような事態にはならないように、早めに病院へ行くことが大切です。

young wiman holding tampon
Megan Madden / Refinery29 for Getty Images//Getty Images

タンポンをつけたまま性行為をするリスク

感染症のリスク

膣内のタンポンを、長期間にわたって放置することは感染症を引き起こすリスクを高めます。タンポンは、8時間以上入れたままにしてはいけないもの。もしも膣内に放置したタンポンから感染症にかかり、それを放っておいた場合、感染症よりもさらに深刻な事態に発展する可能性があります。

トキシックショック症候群(TSS)」もその一つで、発症した場合の典型的な兆候には、高熱(39度以上)、インフルエンザと似た症状、そして悪寒などが含まれ、吐き気や嘔吐、下痢、頭痛、筋肉痛、咽頭痛、嚥下困難が現れる場合も。

挿入時の不快感や痛みの原因に

仮にタンポンが入ったまま性行為ができたとしても、双方にとって不快な体験になってしまう可能性も。

「性行為では、性的興奮にともなって自然に膣内が潤い“濡れる”という現象が起こります。(中略)しかし、タンポンが入っていると、膣内を潤している体液が吸収されてしまいます」

これによってペニスの挿入が妨げられ、膣の不快感や痛みを感じやすくなる可能性があるそう。

タンポンをつけていると避妊できる?

性行為中にタンポンをつけることは、避妊方法ではありません。「タンポンが子宮頸管(しきゅうけいかん)をふさいでいるから妊娠しない」と思う人もいるかもしれませんが、それは迷信。

「タンポンを入れたまま性行為をしても妊娠する可能性はありますし、精子が子宮頸管に入るのを妨ぐような効果はありません」

またブヤン医師は、妊娠する可能性を下げるためには、ピルIUS・IUD、インプラント(現在日本では実用化されていません)のような長時間作用する避妊法と合わせて、性感染症(STI)予防にもなるコンドームを使用することを勧めています。

さらに覚えておきたいこととして、生理中でも妊娠する可能性があるとのこと。生理中は排卵していないため原理としては妊娠する可能性が低い時期ですが、特に生理周期がばらばらな生理不順で悩んでいる人は、生理中であっても妊娠する可能性があることを覚えておきましょう。

※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: Risa Tsubakihara
SEVENTEEN