最近一般的なスーパーでもよく目にするようになってきた、大豆やココナッツなどでできたヴィーガンチーズ。ヴィーガンのライフスタイルが浸透してきている今、植物性のチーズが注目されています。
今回は菜食コンサルタントのYukaさんが、ヴィーガンチーズの基礎知識や、取り入れるメリット、自分で作る方法を動画でわかりやすくご紹介!
【INDEX】
ヴィーガンチーズって?
ヴィーガンチーズの「ヴィーガン」は、「動物たちを可能な限り搾取しないライフスタイルや、それに沿った物や人」のこと。
そのため、食品に「ヴィーガン」というワードが使われている場合は、基本は動物性食材や動物を搾取することによって作られた食品を使わず、100%植物性食材でのみ作られているという意味合いがあります。
通常は、牛乳をはじめとする動物性のミルクを主原料として作られるチーズ。それを植物性の原料のみで作ったものをヴィーガンチーズと呼びます。
ヴィーガンチーズのメリット
乳製品を控えている人もチーズを楽しめる
乳製品などのアレルギーがある方や、ヴィーガン生活をされている方なども、チーズ独特の食感や味わいを楽しめるのが一番の魅力。
アレルギー持ちの方も、ヴィーガンの方も、もともとチーズが嫌いだから食べていない訳ではなく、アレルギー反応を起こさないように避けているだけだったり、乳製品の生産の実態が納得できずに避けるようにしていたりすることがほとんどだと思います。
そのため、乳製品の入っていないヴィーガンチーズは、より多くの人に選択肢を与えてくれる、優しいチーズです。
より地球環境に負担のかからない選択
乳製品は、生産過程で環境に負荷をかけてしまうことが懸念されている食品の一つ。
乳牛を育てるためには、広大な土地や大量の水、電力が必須。そして乳牛を育てるためには飼料となる穀物を育てる必要があり、それにも土地と水が必要になります。
また乳牛のゲップやおならには温室効果ガスの一種であるメタンガスが含まれており、地球温暖化の原因の一つにもなっているのです。
それに比べヴィーガンチーズは、より環境負荷が低い植物性の原料を使って作られているため、エコでサステナブルな生活を目指している方にはオススメのオプションです。
腸内環境改善に
一般的なチーズに含まれているカゼインという乳タンパクは、消化しにくかったり、腸壁を傷つけてしまったり、消化器官に負担が大きかったり、腸内環境を荒らしてしまう成分として知られています。
カゼインの摂取が一つの原因となって、リーキーガット症候群や便秘、下痢などの原因になったり、腸内環境の悪化から肌荒れや倦怠感が生じたり、花粉症の症状が悪化したりする場合もあります。
その点、100%植物性のヴィーガンチーズはカゼインが入ってないのはもちろんのこと、一般的なチーズにはない食物繊維が含まれていることもあり、チーズを食べながらも腸内環境を健康に保つことができます。
乳牛に優しいエシカルなチーズ
牛乳は、人間のお母さんが出産を終えた後に赤ちゃんにあげる母乳と同じで、妊娠出産を経た母牛が子牛のために出すミルク。本来は子牛が成長するために飲む物ですが、それを人間が消費する商品を作るために取ったものが、牛乳やヨーグルト、チーズ、バターなど形を変えて消費者の手に渡ります。
ヴィーガンチーズはその点、原材料に牛乳は使わず、大豆やナッツ、ココナッツなどの植物由来の原料を使うため、乳牛の搾取に頼ることなくチーズを楽しむことのできるよりエシカルなチーズです。
ヴィーガンチーズの作り方
最近はスーパーでも簡単に手に入るヴィーガンチーズですが、精製された原料や、聞きなれない原料が含まれているものも多く、手にするのに抵抗があるという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、身近な食材で作ることのできる、植物性のクリームチーズの作り方をご紹介!
材料
- 木綿豆腐…300g
- レモン汁…小さじ4(20g)
- 海塩…小さじ1/2強(3g)
- 溶かしたココナッツオイル…40g
手順
- ココナッツオイル以外の材料をフードプロセッサー(またはブレンダー)に入れ、滑らかになるまで混ぜる。
- ココナッツオイルも足し、さらによく混ぜる。
- 保存容器に入れて、冷蔵庫で冷やし固めたら完成。
つくるときのコツ
- 豆腐は、フードプロセッサーに入れる前に手で絞って水を切り、だいたい250gになるようにしてみて。しっかりと水を切れば、その分だけ硬めのチーズになります。
- レモン汁は、なるべく「レモンストレート果汁100%」のものを使うのがおすすめ! 濃縮還元のレモン汁でもチーズを作ることは可能ですが、ストレートのものよりもレモンの良い香りやビタミンCなどの栄養価が少なくなってしまいます。
編集部のおすすめアイテム
そのままベーグルや食パンに塗って食べるのはもちろんですが、白味噌と混ぜてディップにしたり、ドライフルーツやハーブと混ぜてみたり、さつまいもやりんごと和えてデリ風サラダにしたり、フルーツに添えてシナモンを振ってデザートにしたり、色々なレシピを楽しめます。
乳製品は戦後ずっとカルシウムやタンパク質源として取り入れられてきた食品。
でも最近は、酪農業の環境への負荷が懸念されるようになったり、乳製品なしでもバランスの取れた食事で必要な栄養素は摂取できるということが指摘されたりしています。カナダでは食事ガイドから乳製品が排除され、乳製品を避けるようになる人も増えてきました。
でもチーズはやっぱりやめられないという方は、次回からヴィーガンチーズにトライしてみたり、自分で作ってみるのもいいかもしれません。