セックスライフをより充実させようと思ったときに、普段は使わないセックストイや、いつもとは違ったちょっぴり過激なデザインのランジェリーをプラスすることを思い浮かべるかもしれません。

一方で、ときにはもっと“基本的なこと”が効果的である場合も。そこで、まずは「鏡(ミラー)」の使用について考えてみましょう。

本記事では、<コスモポリタン イギリス版>より、鏡を使ったセックスの詳しい体位から、鏡で見る自分の体型に自信がない人へのアドバイスまで、ミラーセックスにまつわる知識や覚えておきたいことを専門家に伺いました。

ミラーセックスに興味がある人も、新鮮なセックススタイルを探している人も必見!

【INDEX】


ミラーセックスとは

セックスと恋愛の専門家であるリアン・キヴィッツ氏によれば「鏡を使うミラーセックスは性的な感度を高め、いつもとは一味違った雰囲気をつくってくれる」と言います。

1970年代のアメリカのモーテルでは、ベッドから見上げられるように天井に鏡が設置されていました。最近ではTikTokでミラーセックスの素晴らしさを共有する人も増えているのだそう。

では、性行為中に自分の姿を見ることの魅力とは? 「視覚的な刺激は生物学的な興奮材料の一つ」だと話すのは、公認心理師でありGRSD(ジェンダー、セックス、関係の多様性)の公認セラピストでもあるロリ・ベス・ビスベイ氏

私たち人間も、この視覚的な刺激に強く反応するような仕組みになっているんだそう。

「もちろん視覚的な刺激ではなく他の感覚を好む人もいますが、多くの人は目で見た刺激的なものに興奮する傾向があります」

また、自己肯定感を回復させるために鏡を使ったトレーニングが導入されることもあり、「性行為中の自信を高めることにも役立つ」と言われています。

sensual woman relaxing in her bedroom
miljko//Getty Images

ミラーセックスのメリット

ここからはより具体的に、鏡を使ったセックスの魅力について紐解いていきます。

性的興奮が増す

ミラーセックスに興奮する理由の一つは、自分が性的に没頭している姿を見ることで“露出”を楽しむ気持ちを満たしてくれるから。人によっては、後で自身の官能的なイメージを思い浮かべる手助けとなったりする場合も。

「ミラーセックスは、自身の官能的な側面を解き放ち、実践に移すことができるのです。(中略)自分の性体験を覗き見るような違った視点を得ることができ、性欲が強く掻き立てられるでしょう」(キヴィッツ氏)
また、ミラーセックスは他人を寝室に招き入れているかのような気持ちにさせることもあるのだとか。
「鏡を見て、そこに映る素晴らしくセクシーな光景を前にすると、それが自分の姿であることを忘れてしまうかもしれませんね」(キヴィッツ氏)

パートナーとの親密度が高まる

ミラーセックスが、パートナーとの親密度を高めることに一役買うケースも。

「ミラーセックスを通して、相手が快感を味わっている様子や、情熱に溺れている様子を見ることで、今のセックスに安心感を得たり向上させたりすることもできます」(キヴィッツ氏)

自分の体の美しさに気づく

「鏡に映る自分を見ながらセックスするなんて自惚れているみたい」と思う人は、自分の見つめ方を考え直すチャンスかもしれません。

「私たちは、人に対して(特に女性に対して)快楽からは遠ざかるように、あるいは自分自身に魅力を感じないように、と暗にそういった雰囲気をつくることがある」と、
ビスベイ氏。

「ミラーセックスを実践し、自分の体がいかに美しくセクシーであるかを認識することは、とてもポジティブなことです。性的な自信が高まることで、他人にとっても魅力的に映るかもしれません。ミラーセックス=自己陶酔というわけではありません」
bathroom mirror with the reflection of a young woman in lingerie, who is in the room
Edgar Barragan Juarez//Getty Images

ミラーセックスとボディポジティブ

服を着ているときに鏡の前に立つことが難しいこともあるはず。ましてや「裸で、場合によっては他の人と一緒になんて…」と不安に思う人も少なくないでしょう。さらに自分の体に自信がない人は、ミラーセックスに挑戦するのを難しく感じるかもしれません。この心理に対して、キヴィッツ氏は次のように話します。

「ミラーセックスは、様々な角度から自分を見ることになりますし、必ずしも自分が気に入った姿だけが見られるとは限りません。(中略)その瞬間、あるいはもっと長い時間をかけて、自分が身体の一部分を凝視していることに気づくでしょう。もちろん、それは欠点ではありません。それはあなたの一部なのです」

ミラーセックスは、実際に自分の体への自信を高めるのを手助けします。考え方を変えてみると、パートナーの視点から自分を見ているようなものだとも言えます。

また、パートナーが性行為に没頭している姿を見ることで、大きな自信に繋がったり、自分も“解放”して楽しんでみようという気持ちになるかもしれません。

体験談

イギリスのロンドンに住む24歳のララがミラーセックスに夢中になったのは、偶然によるものでした。彼女の元恋人の家にあった小さな寝室には、ドアに向かって鏡があり、彼女はすぐにミラーセックスの虜になったんだそう。

そしてミラーセックスは、彼女が自分の体によりポジティブな感情を抱く手助けとなったのです。

「私は過去に多くの体に関する問題を抱え、摂食障害と闘ってきました。セックスを楽しんでいる自分自身の姿や誰かが私に興奮する姿を見ることで、自分の体やセックス、快楽を得ることに対する自信が間違いなく高まりました。ミラーセックスでは、不安定な部分や汗をかいている自分の姿も全部見ることになるけれど、ありのままを見ることで、よりセクシーな気分になるんです」(ララさん)

ミラーセックスをはじめる前に

ミラーセックスに限りませんが、性的な行為をするときにはまず「同意を得ること」が不可欠。「お互いが納得している必要があるので、私はいつも相手と話し合い、意見を聞くようにようにしています」とキヴィッツ氏。

一度のチャレンジでミラーセックスを分かった気にならず、何度も試すことが大切。また、鏡の種類や鏡を置く場所によっても興奮の感じ方が変わるので、二人にとってのベストを探ってみましょう。

大きな鏡を使って行為中の全貌を大胆に映し出すような眺めが好みな人もいれば、小さな鏡に視線をやるとちらっと見えるぐらいが好みの人もいるでしょう。お風呂場の鏡から始めてみる、というのも良いかもしれません。

ただし、鏡は衝撃によって割れてしまうこともあるので、どんなに情熱的なセックスの最中であっても安全に気を配るのを忘れないように

closeup portrait of the kissing young couple
Victor Dyomin//Getty Images

ミラーセックスにおすすめの体位

鏡に向かってバック(後背位)背面騎乗位をするとお互いの視線がより親密に交わるし、ベッドの脇に鏡を置けば、横からのセクシーなショットも楽しめるはず。

「バック(後背位)の体位でセックスをするのは大好きだけれど、相手と目を合わせるのは難しいもの。そんなときに鏡を使ってセックスをすると良いんです。(中略)アイコンタクトがいつも心を動かすような情熱的なものである必要はないです。どこか相手をからかうような、遊び心をもったものでもあります」(ララさん)

他にも、鏡の両脇に手を置いて立ったままセックスをしたり、鏡を横に置いて、パートナーに攻められる様子を見たり…。

「小さい鏡を使えば、特定の場所をクローズアップすることも可能です。(中略)たとえば、普段はあまり見ることができない挿入シーンは、見ているだけでも興奮するはず」(ビスベイさん)

これはすべてのセックスに言えることですが、パートナーがいる場合は「コミュニケーション」がカギとなることを忘れずに!

『二人ともが鏡を使ったセックスに満足している?』『鏡を動かす?』といったコミュニケーションが大切。もしかしたら鏡の位置調整や相談が必要になるかもしれません」(キヴィッツさん)

体型を気にしている人がミラーセックスをはじめるために

自分の体型に自信がない人は、いきなり鏡の前でセックスすることに苦手意識を持つかもしれません。でも、ララさんの体験談にもあったように、一歩踏み出せれば自分の“ありのままの姿”を認めることに繋がるはず。

少しずつミラーセックスに慣れていくには、次のような方法がおすすめ。

まずは自分の体に意識を向けるのではなく、興奮しているときの自分の表情を見ることからはじめましょう。それからそっと体に視線を移していきましょう。このとき、これらすべてをゆっくりと行うことが大切です」(ビスベイさん)

部屋のセッティングも重要です。キャンドルを灯したりランプをつけるような工夫をしてみましょう。

「あなたが気になっている体のパーツは、やわらかい光の中ではあまり強く照らされません。どのように場面を演出するのかを考えてみると、ミラーセックスはあなたが思っているほど難しいことではないかもしれませんね」

もしも気分が乗らないときは、好きなときに目を閉じたりセッティングを変えたりできるということを忘れないようにしましょう。

違う角度から自分を見ることに慣れるために、鏡の前でマスターベーションをすることもおすすめ。そうすることで、興奮したときに体に起こる微妙な変化にも気づくことができるとキヴィッツさんは言います。

「私たちは普段、自分のデリケートゾーン(陰部)を鏡に映し出される角度から見ることは少ないはずです。(もしもあなたがパートナーを求めているのなら)鏡を使って自分自身とのつながりを強くすることで、感情的にも肉体的にも深く誰かと関わりをもつための準備が整えられると言えます」

※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: Risa Tsubakihara
Cosmopolitan UK