ナプキンやタンポンに限らず、月経カップや布ナプキンなど、ここ数年でより選択肢が増えた生理用品。 先日、生理用品の吸収力のテストに初めて人間の血液が使用されたことが明らかになり、話題になっている。

人間の血液を使って初のテスト

先日、生理用品の吸収力のテストに初めて人間の血液を使ったという研究が、8月7日付の学術誌『BMJ Sexual & Reproductive Health』にて発表された。今まで生理用品に対して血液を使ってテストされたことはなく、生理食塩水(食塩水)か水だけで行われていたという。

Newsweek>によると、生理用品メーカーは生理食塩水や水を用いて生理用品の吸収性を測定してきたものの、月経血は水よりも濃く、子宮内膜組織、粘液、その他の分泌物を含んでいるため、吸収率が異なるとのこと。

また実際の月経時に出る分泌物をテストのために入手することは難しいため、今回は期限切れとして使用が許可された、医療の現場などでも使われる赤血球濃厚液を用いた。

テストに使われたもの

  • タンポン
  • ナプキン
  • 月経カップと月経ディスク
  • 吸水ショーツ

21種類に及ぶ生理用品や雑品のうち、平均して最も経血を受け止めることができたのは月経ディスクだった。そして、最も吸収率が低かったのは吸水ショーツで、タンポン、ナプキン、月経カップは、同程度の量の経血を吸収できたとのこと。

「生理」の扱いに憤りの声

これまで一度も血液でテストされていなかったことに対し、多くの人が反応を示している。生理の周期管理アプリ「Clue」は、TikTokに動画を投稿。キャプションには、これまで血液でテストをしていなかったことに対する不満の声がつづられている。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
「『科学者が初めて生理用品の吸収力を血液でチェック』。この研究は、70年代や80年代、もしくは90年代に行われたものではない。今月発表された研究によるもの。この研究が行われるまで、科学者たちは生理用品の吸収力を生理食塩水でチェックしていた。“生理食塩水”でね。これまでも何度も言っているけど、もう一度言わせて。なぜこんなに時間がかかるの? 」

同動画は、2023年8月21日現在で約140万回再生されており、約4万3,400の「いいね!」を獲得。コメントは約320件集まっており、血液を入手することの難しさに言及したものもあれば、多くがこのような声を寄せた。

  • 「女性(や生理のある人)の健康は、いつも見過ごされてばかり」
  • 「だからほとんどの製品は、血液を完璧に吸収してくれないんだろうね(笑)」
  • 「目覚めたときに、なぜナプキンはきれいなままで下着とシーツは汚れていたのか、今その謎が解けました」

スコットランドにあるアバディーン大学で、月経の歴史、文化、芸術について長年研究しているカミラ・ロストヴィック氏は、<Newsweek>のインタビューにこう語っているとのこと。

「これらの生理用品が人々の月経のカタチを変えたものの、実際の血液や細胞に基づいていなかったのは、歴史的に受け入れがたいことです」