セックス依存症とは、自分の性衝動をコントロールできない心の病気。アメリカではわりと一般的な病気で、過度な性交渉だけでなく、自慰行為やポルノにはまりすぎるというような、"行為そのものをしないセックス依存症"もあるのだとか。過去に"不適切な関係"が明らかになったクリントン元大統領や、泥沼不倫で話題になったタイガー・ウッズ、ハリウッドスターのチャーリー・シーン、『X-ファイル』のデヴィッド・ドゥカヴニーなどなど、この病を公表したセレブも多数。けれども、リハビリ施設での矯正プログラムや薬の処方などで治療可能な病気であるため、セレブの中にも施設に入所し回復した人も。

そこでコスモポリタン イギリス版が、<Relate>の性専門セラピスト、ピーター・サディントンさんに、セックス依存症に関する基礎知識を解説してもらいました。

1.毎日セックスしたり、ポルノを見ていたりするからといって、セックス依存症というわけではない

依存症かどうかは、行為の頻度よりも、それが自分にとって、またはパートナーとの関係において楽しいものかどうか、さらには、やめたいのにやめられないということがあるかどうかが深く関係しているそう。

2.パートナーから、いつもセックスしたがる人だとか、セックスを求めすぎだと思われているとしても、必ずしもセックス依存症ということにはならない

そのことでパートナーが喜んでいない場合は問題だけれども、必ずしもそれを依存症とは呼ばないとのこと。

3.セックス依存症の人が皆、セックスが好きなわけではない

セックス依存症の人は、性的欲求というよりは負の感情をコントロールする方法としてセックスをしている場合が多く、行為自体よりもセックスへのプロセスに依存していることも多いそう。

4.依存症は必ずしも小児期の問題に起因するわけではない

小児期の性的虐待や性的問題がセックス依存症の潜在的な動機となることはよく知られているものの、幸せな子ども時代を送った人が、たまたまポルノ雑誌や映像を見たことがきっかけで依存症に陥ることもあるのだとか。

5.男性だけがセックス依存症になるわけではない

女性も依存症になるそう。もちろん例外はあるものの、女性の場合、複数の人との肉体関係や一夜限りの情事への依存というケースが多く、感情的な繋がりを求めてセックスに走る傾向があるのだとか。

6.セックス依存症は、治療可能な病

依存症を克服し、健全なセックスライフを送れるようになったクライアントが大勢いるというサディントンさん。自分がセックス依存症かもしれないと思ったら、専門家に支援を求めるようすすめています。早く誰かに助けを求めれば、より早く依存症を断ち切って、もう一度セックスを楽しむ人生を取り戻せるとのこと。

7.セックスそのものをしなくても、依存症になることはある

ポルノ雑誌や映像の中毒を含むサイバーセックス依存症のような場合、他の人との性的な関係は持たずに、1人で自慰に耽る場合が多く見られるとのこと。他者とのかかわりがバーチャルに限られ、生身の人間との交わりが存在しないという傾向があるそう。

8.セックス依存症は年齢とは関係ない

ティーンエイジャーがポルノや複数の人とのセックスに依存する可能性があるのと同様に、高齢者でも依存症になる危険性はあるとのこと。

9.セックス依存症を克服した後、またセックスができる

セックス依存症の治療を受けて克服した場合、二度とセックスをしてはいけないわけではないそう。そこが、アルコール依存症の患者さんが二度とアルコールを飲んではいけない、というのとは違う点。治療を通じて健全なセックスがどのようなものかを学び、セックスをコントロール可能なものにして、健全な人間関係にもとづいたセックスを楽しむことができるようになってゆくとのこと。

セックス依存症は、誰でも陥る可能性がある病気。けれども、症状や原因を正しく理解して治療すれば治る病のようです。「もしかして…」と思ったときには、早めに誰かに助けを求めることが大切なんですね。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Nobuko Yamazaki (Office Miyazaki Inc.)

COSMOPOLITAN UK