SNSにあふれる、カップルたちの写真や映像。その多くは微笑ましいものですが、思い出を残すという粋を超えて、実際の関係より良く見せようとするなどの行動は、欧米ではロマンスをもじった「ショーマンス」と皮肉的に表現されることも。
本記事では、SNSで恋人や交際関係を見せびらかす「ショーマンス」の心理について解説。また、第三者としての受け止め方や、当事者たちの思いなども後半でお届けします。
「ショーマンス」の語源と定義
「ロマンスをもじった“ショーマンス”という言葉は、時に売名ともいわれるような、セレブどうしの“恋愛”を指す言葉でした」と話すのは、デートアプリ「happn」のトレンドヘッドを務めるマリン・ラビネットさん。
「ところが最近は一般人にまで解釈が拡大され、恋人との交際の様子を、特に実際より良く見せかけたりしてSNSに投稿する人たちのことも指すようになりました」
SNS上で恋人を見せたくなる理由
「ショーマンス」と呼ばれるのは、パフォーマンスがかった投稿などのことであって、恋人やパートナーについてSNSに載せること自体が悪いことだと捉えられているわけではありません。
では、SNSで交際の様子や恋人について頻繁に公開する人の心理とは? マリンさんによれば、「他のあらゆることをSNSで公開しているのと同じように、人生のハイライトとして投稿しているのでしょう」とのこと。
「また、承認欲求を満たしたいという思いがあったり、SNSで繋がっている友人たちに後れを取っているようにみられたくないと感じていたりすることも理由の一つだとも言われています」
ショーマンスをやめるべきケース
「SNSに載せている二人の様子が、実際の関係よりも幸せそうだと感じた時には、一度立ち止まって見た方が良いでしょう」と、マリンさん。
デート専門家であるヘイリー・クインさんも、SNSに載せない二人だけのプライベートな時間を持つ重要性について語っています。
「パートナーや恋人と、より感情的に親密な関係になるためには、二人だけのプライベートな時間を持つことが必要です。せめて1週間に一度はインターネットから離れる日を設けて、家にスマートフォンを置いて散歩したり自転車に乗ったり、ボードゲームやパズルで遊んでみたりして、今を楽しむようにしましょう」
第三者として、どう受け止めるべき?
もしもあなたが、他人の“完璧な恋愛関係”をSNSなどで見て落ち込んだ場合には、実際には完璧な関係など存在しないということを覚えておきましょう。
「Instagramの写真は演出されたものであることも珍しくありません。実際の交際には浮き沈みがあるものですが、わざわざSNSでネガティブな面を投稿する人は少ないですから」(ヘイリーさん)
一方で、他の人たちがSNSでどのように振舞うかはその人たちの自由であるということも事実。見たくないと感じた場合は、ミュートしたりフォローを解除するなど自己防衛するようにしましょう。
ショーマンスに対するさまざまな意見
ここからは、ショーマンスに対する当事者の意見や、SNSに恋人との関係を載せないという人の意見などをお届けします。
「彼女を見せびらかしたい」
「私は恋人との交際の様子を常にInstagramに投稿しています。彼女が大好きなので見せびらかしたいし、できる限りの方法で彼女が自分にとって大切だということを本人に実感して欲しくて、SNSは単にその方法の一つであると考えているからです」
「ただ、ある程度のプライバシーも確保したいので、私たちの関係の全てを公開しているわけではありません」エルさん・19歳
「私たちの関係はプライベートなもの」
「私はもともと公共の場で愛情表現をするタイプではなく、SNSにも彼氏の写真は載せていません。一緒に過ごす時はたいてい二人きりですし、私たちの関係はプライベートなもので、公開する必要性を感じません」メリッサさん・21歳
「不安を和らげたい」
「自分の交際やデートの様子を、実際より良く見せかけた経験があります。誰かの手をわざと映り込ませたり、デート中なのかな? と思ってもらえるような写真を投稿することもありました。そうすることで、友達から遅れているのかもしれないという不安を和らげることができるんです」ジェシーさん・23歳
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:平田三桜(Office Miyazaki Inc.)
COSMOPOLITAN UK