誰かに何かをお願いしたいとき、思わず遠回しに言ってしまったり、曖昧にしてしまった経験ってありませんか? 必要なことを求めているのに、罪悪感をなぜか感じてしまったり…。そんな女性のモヤモヤした気持ちを解決するため、元SM女王のカシア・ウルバニアクさんに聞いた「欲しいものを手に入れる方法」を、<Red イギリス版>からお届けします。


【INDEX】


権力とは?

17年間、中国で最も古い女性修道院の一つである修道院で、道教の尼になる勉強をしてきたカシアさん。勉強資金を調達するため、ニューヨークのBDSM(Bondage(拘束)、Discipline(調教)、Sadism(加虐性欲、サディズム)、Masochism(被虐性欲、マゾヒズム)クラブで、女王として働いていたことも。これらの経験により、相手が何を考えているか、どうすれば自分に従うかに気づいたそう。

2012年から、アパートでカシアさんは自身の気づきを実証するため、女性に権力と影響力の基礎を教える学校「The Academy」を開設。政治家やアクティビストなど、あらゆる職業の女性たち全員に共通するつまずきポイントを発見し、それを取り除く講座を行ってきたそう。2018年頃から始まった#MeTooムーブメントにより、もともと口コミで広がっていたカシアさんの学校はより人気になり、知名度が上がったカシアさんは、今では規模の大きいワークショップなどでも公演を行うように!

“権力”と言うと、残酷さと関連付けてしまう人も多いかもしれないけれど、「権力とは、相手の心の中にある望みを最大限に表現させてあげることで、相手や世界に影響力を持つこと」とカシアさんは説明します。

side view of women standing against red wall
Klaus Vedfelt//Getty Images

女性像の変化

多くの女性がカシアさんの言う“権力”をうまく使えない理由は、歴史的背景が絡んでいるよう。

「歴史的に女性は従順で、服従して、言いなりになることが求められてきました。それが理想的な女性像だったのです。この概念が、今でもあらゆる形で残っています。現代の女性は強く、自立していることが求められている傾向にあるため、こういった古い概念は、ときに私たちの邪魔をすることも。」
「自立した女性は、欲しいものがなんでも手に入ります」
「他の人には迷惑をかけず、お願いもしない。賢く、有能であることから、その結果、船の舵をとることになるのです」

その一方で、“自立した女性”は、常にイライラしている傾向にあると語ったカシアさん。カシアさんによると、仕事を頑張りすぎたり、家庭を顧みないなど、女性は過度であることと、不十分であることのどちらにも苦しむ生き物なのだそう。

押し潰される女性たち

「女性たちは、この過度と不十分の真ん中の状態を常に探そうとした結果、自分を押し込めて、自分の首を自分で締めている」とカシアさん。この現象を“押し潰される”と表現しました。

「女性が怒っているけれど、何かを丁寧に求めようとするときや、不安点を表現しようとしているけれど、本当は怖かったりするとき。そんなときの彼女たちの声やボディランゲージから、過度にも、不十分にもならないように気をつけているのがわかる」と説明。

カシアさんは、この押し潰される現象を止める方法をシェア。これさえできれば、圧縮された気持ちから解放されて、欲しいものが効果的な方法で手に入るうえに、自分の素質を最大限に活かせるんだとか。

「権力を、スキルを持って操作すれば、世界が変わります」
「人生の召使いから卒業して、自分の望む世界のクリエイターになれるんです」

4つのレッスン

そんなカシアさんがシェアする4つのレッスンをご紹介!

求めることに慣れて

カシアさんによると、多くの女性は、シンプルにただ求めるのではなく、文句を言うことが多いそう。「あなたは花を買ってくれないよね」と文句を言う方がシンプルに「ブーケを買って」とお願いするより確かに楽。これはなぜなのか? 全ては昔のいい女の子像に囚われていることが所以なんだとか。私たちは偉そうって思われるのも、要求が多いって思われるのもどちらも不安という気持ちに押し潰されているそう。それを克服するには、練習が必要なよう。

「要求が多いと思われることが不安なのであれば、鏡の前で、目一杯要求してみて」

声もあえてメソメソさせて、欲しがって! そしたらそのあとは反対を練習。

「独裁者を演じてみて、『私に仕えることができるなんて、どんなに幸せなことかわかってる?』というようなことを言ってみて」

このように、不安にきちんと向き合うことで、押し潰されているような気持ちの打破へとつながるそう。

「言わなくてもわかってくれる」という気持ちを捨てて

これは異性間の恋人関係で、女性は男性が「言わなくてもわかってくれる」と思いがちかもしれないけれど、この気持ちを捨てましょう。カシアさんによると、女性は常に人をトレーニングしているそうで、「たとえば、あなたが午前中にかかってくる電話をすべて無視すれば、周りは自然と、その時間帯にあなたに電話をかけなくなる。つまり、何か欲しいものがあるときは、そう仕向けるよう、あなたのできることをしないといけないのです」と説明。

注目を相手に向けて

会話のなかでは、話題を振ったり、質問をする人が支配人で、それに反応したり、聞く人が服従している人にあたるとカシアさんは説明。いい会話とはこの役割を、テニスのように交互にできるようにすること。

何かを求めているときは理論上、そのときは支配者になるべき。だけど、自分に自信がなかったり、質問をするのが不安だったりすると、服従者になってしまうそう。

「話し手に自信がないと、私たちはすぐ反応して、話題を自分に戻してしまう傾向にあります。けれど、そうすることで相手はストレスを感じてしまうことも。相手の準備ができるまで待ってあげることで、素直に話してくれるはずです」

「NO」を恐れない!

「誰かが『NO』と言うのは、見栄や時間、不安など彼らが大事だと思っていることを守るため」とカシアさんは説明。

「何か質問をして、相手に『NO』と言われたときは、何故そういう気持ちになったのか、理由を聞いてみて。相手の本音に辿り着ければ、今後、より深いコミュニケーションがとれるうえに、自分の気持ちも相手に伝えやすくなるはずです」

※この翻訳は抄訳です。

Translation:HARUKA THIEL

Red UK