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エリザベス女王のフェミニストでパイオニアな生き様を物語る、7つのトピック

君主としても先駆的な女性としても、70年以上にわたり「変化」をリードした。

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エリザベス女王 ロイヤルファミリー
Chris Jackson//Getty Images

2022年9月8日、エリザベス女王の逝去という悲しい知らせを受け、私たちは世界に対する女王の並外れた影響力と、世界中の女性にもたらした数々の公平な活躍の場に、改めて思いを巡らせた。

70年以上に及んだその治世において、女王は「自らの責務と他者に尽くすこと」への献身を体現すると同時に、愛情深い母、祖母、曾祖母としての顔を見せてきた。さらに、それが適切であると考えたときには大胆な行動を取り、侮ってはならない女性であるということも明確に示してきた。

女王の一周忌を前に、そのフェミニストな姿を明確に示すいくつかの出来事を振り返ってみたい。

From COSMOPOLITAN UK

1

第二次世界大戦中は従軍

princess elizabeth learning basic car maintenance as a second subaltern in the ats 12th april 1945
Mirrorpix//Getty Images

14歳だった1940年、ラジオを通じて戦時下の子どもたちを鼓舞する感動的なメッセージを送ったエリザベス王女(当時)は、その数年後には従軍し、軍用車両の整備士・運転手として活動した。

すぐに2級准大尉となり、さらに入隊から6カ月後には准大尉(陸軍の大尉に相当)に昇進した。

2

夫の姓への変更を拒否

royal couple
Keystone//Getty Images

エリザベス王女(当時)は1947年、フィリップ殿下と結婚した後も、夫の姓に変えることはないと宣言。自らの家名である「ウィンザー」を、イギリスの王族の姓として残すことを決断した。

フィリップ殿下が当時、「私はこの国で唯一、自分の子どもたちに自分の姓を与えることが許されない男だ」と語ったことは、有名な話。

それ以降、イギリスのロイヤルメンバーの一部(ヘンリー王子とメーガン妃の子どもたちを含む)は、殿下と女王の姓を合わせた「マウントバッテン=ウィンザー」を名乗っている。

3

子どもたちの教育方法を変更

new school
Reg Burkett//Getty Images

王家の伝統に従い、女王と妹のマーガレット王女は学校に通うことなく、自宅で教育を受けた。だが女王は即位後、後に続くロイヤルたちにより充実した教育を受けさせることを決意。母エリザベス皇太后の反対にもかかわらず、子どもたちには宮殿の外で学ばせることとした。

これはその後の王室の新たな伝統となり、女王陛下のひ孫であるジョージ王子とシャーロット王女、ルイ王子も、学校で教育を受けている。

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4

サウジ皇太子を助手席に乗せる

king abdullah of saudi arabia state visit day 1
Anwar Hussein Collection/ROTA//Getty Images

2003年、滞在中だったスコットランドのバルモラル城にサウジアラビアのアブドゥラ皇太子(当時)を迎えた女王は、自ら運転するランドローバーの助手席に皇太子を乗せ、ドライブした。

伝えられるところによると、(このときまだ女性に車の運転を認めていなかったサウジの)皇太子は、女王が運転することをとても怖がっていたそう。通訳によれば、皇太子は「スピードを落として、集中して道路をよく見てください」と頼み込んでいたとのこと!

5

王位継承法の改正を実現

prince george, princess charlotte and prince louis start lambrook school
Pool//Getty Images

イギリスでは2011年まで、王位継承は「男子優先の長子相続制」となっていた。つまり、君主の娘たちはこのときまで、弟が誕生すると継承順位が繰り下げられていた。

だが、“フェミニストのアイコン”である女王は(この時点で女王を国家元首としていたイギリス連邦加盟国16カ国のリーダーすべての同意を得て)、この法律の改正を実現。君主の子どもは、息子でも娘でも平等に王位継承権が与えられることを定めた「2013年王位継承法」を成立させた。

6

婦人会で「名スピーチ」を披露

queen elizabeth ii attends centenary annual meeting of the national federation of women's institute
Chris Jackson//Getty Images

世界で最も有名な女性のひとりであり、イギリスの婦人会(Women's Institute=WI)のパトロンでもあった女王は、WI創設100周年を迎えた2015年の年次会合の開会式で、集まった5000人以上の女性たちに、次のようなパワフルなメッセージを送った。

「1915年以降、経済的にも社会的にも、大きな変化がありました」「女性に選挙権が認められ、イギリス人女性が初めてエベレスト登頂を果たし、この国は初めて女性の首相を選出しました」

「現代の世界において、女性が社会に価値を提供できる機会はかつてないほど増しています。それは、女性たちがまさにその努力を通じて、生活のあらゆる場面でより大きな役割を果たすようになっているためです」

「女性たちは2015年(の今)も、あらゆる年齢の、そして文化的背景を持つ女性たちの生活に真の変化をもたらすことは実現可能だということを、友情と協力、支え合いの精神のもと、行動によって示しています」

ちなみに、WIは女性の団結や、公共の利益を目的とした女性・少女の教育と持続可能な開発、人々の健康増進を促すための活動を行う団体。女王は1943年から、そのサンドリンガム支部のメンバーだった。

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7

ファッション産業をサポート

the queen presents the inaugural queen elizabeth ii award for british design at london fashion week
WPA Pool//Getty Images

女王は2018年、イギリス君主として史上初めて、ロンドン・ファッションウィークのショーの客席にサプライズで登場。米『ヴォーグ』誌の編集長アナ・ウィンターと並んでリチャード・クインのショーを観覧し、世界中のメディアのヘッドラインを飾った。

これは、「女性のファッションは真剣に追求されるべきもの」との考えを、女王が全面的に支持していることを証明することとなった。

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エリザベス女王

エリザベス女王 ユージェニー王女 ロイヤルファミリー

エリザベス女王のNGフード、ユージェニー王女も影響を受けていた!?

netflixの人気ドラマシリーズ、『ザ・クラウン』シーズン6の配信開始が発表され、ティーザー動画の公開とともに、全10話がパート1と2に分けてリリースされることが明らかになった。1997~2005年の出来事が描かれる新シーズンは、パート1が11月16日、パート2が12月14日から配信開始の予定。

どう描かれる?『ザ・クラウン』最終シーズンのティザーが公開

2023年9月8日、エリザベス女王逝去から1年を迎えた。一周忌には、チャールズ国王を筆頭にロイヤルたちがこの1年を振り返り、亡き女王に敬意を表しつつ心からの賛辞を捧げた。ここでは、英ロイヤルファミリーがsnsでシェアした、感動的でパーソナルな追悼メッセージを振り返る。

エリザベス女王逝去から1年…ロイヤルたちがメッセージを投稿

エリザベス女王 チャールズ国王 ウィリアム皇太子 ロイヤルファミリー

エリザベス女王の死から1年…チャールズ国王は自らの立場をどう考えている?

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