健康的な肌の状態は人によって違いますが、肌の“くすみ”が気になるという人もいるはず。そもそも私たちの肌は、不要になった細胞(角質)を常に排出しているものの、そのプロセスが効率的に行われないと顔色のムラなどに影響したり、“疲れ肌”の原因になると言われています。

そこで本記事では、健康的なツヤ肌をつくるためのセルフケア方法を皮膚科医が解説。<グッド・ハウスキーピング>からお届けします。

原因その1:体も肌も脱水状態

オーガニックスキンケア製品を開発するシア・テラ・オーガニックス社の創業者タミー・アンベル氏によれば、「体が脱水状態になると肌への血流が減少し、顔色が悪く見える」のだそう。

脱水は、コップ1杯分の水を飲めばすぐに解消できると思われがち。けれど実際は「皮膚の脱水は長期的な健康問題と見なすべき」だと、ニューヨークを拠点にする皮膚科医、ジャネット・プリストースキー医学博士はアドバイスします。

肌に水分が行き渡らない状態がずっと続くと、細かいシワや肌のたるみなどの長期的ダメージをもたらし、さらに慢性的な脱水症状では、皮膚がうろこ状になったり深いシワができたりすることもあると言います。

有効な対策

とにかく水分補給をしましょう。栄養士であるステファニー・サッソス氏は、水またはナチュラルフレーバーの炭酸水など、砂糖やカフェインを含まないドリンクを1日に最低コップ8杯飲むことをすすめています。

water being poured in a glass of water that cast a beautiful shadow on a white kitchen countertop
Stefania Pelfini, La Waziya Photography//Getty Images

原因その2:角質を除去できていない

毎日欠かさず洗顔をする人は多いでしょう。しかし、<グッド・ハウスキーピング>の調査によると、約半数の女性がスキンケアルーティンの中で、角質除去という大事なステップを飛ばしているという結果が。

ニューヨーク市の皮膚科医、ハドリー・キング医師によると、角質除去は乾燥して死んだ皮膚細胞を除去し、スキンケア製品をよりよく浸透させるための「フレッシュなキャンバス」を作るプロセス。

「角質除去は表面をなめらかにし、肌が光を反射させ、輝いて見えるようにするためのベストな方法です」(サビーナ・ワイズマン氏・薬剤師)

有効な対策

肌への刺激やダメージを避けるためにも、いつものスキンケアルーティンにフェイススクラブやフェイスピーリングなどの角質除去ケアのいずれかひとつを取り入れること。さらに、毎朝、広域スペクトルSPF30+の顔用日焼け止めで肌を保護するようにして。

portrait of beautiful woman applying skin cream on her arm
Westend61//Getty Images

原因その3:保湿不足

くすみ肌の原因として一番多いのは、乾燥。肌の表面にひびが入り、死んだ皮膚細胞が溜まることで顔色が不均一でどんよりするのだと、ニューヨーク市にあるウェクスラー皮膚科の皮膚科医ケネス・ハウ医師は解説します。

有効な対策

毎日、朝と晩に保湿剤を塗ると、肌の脂肪に似た脂質成分でひびが埋められ、肌の表面がなめらかになり光を反射するようになるとのこと。

皮膚科医であり、カリフォルニア州ソラナビーチにあるアート・オブ・スキン MDのディレクターを務めるメラニー・パーム医師は、肌のバリア機能を修復して保水力を高めるセラミドや、水分を引き寄せて肌の細胞を膨らませるヒアルロン酸などが配合された保湿剤を試してみることを推奨。

さらに、「保湿剤を下から上方向に塗ることで血行が促進され、細胞が刺激される」とカリフォルニア州ビバリーヒルズの皮膚科医、デブラ・ルフトマン医師はアドバイス。

「これにより肌の表面に酸素が運ばれて、栄養状態が良く健康的な見た目に近づくでしょう」

原因その4:極度のストレス

締め切りが迫っていたり、誰かと口論になったり、人生の大きな転機を迎えていたり、あるいは日々の生活に追われたりして不安な気持ちを抱えていると、肌に悪影響が出るとのこと。

「ストレスによりコルチゾールというホルモンが増え、肌への血流や肌の修復機能に悪影響を及ぼします」(ルフトマン医師)

有効な対策

毎日数分(できればそれ以上!)を、ストレス解消のための時間として確保しましょう。簡単なヨガセッションやマインドフルネス呼吸法、アロマテラピーバス(研究でもリラックス効果があることが判明している、ラベンダー入りのバスソルトやバルオイルを探してみましょう)に浸るのがおすすめだそう。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のストレス評価研究所のディレクターを務めるジョージ・スラヴィック医学博士によると、「これらを使うことで体がリラックスし、心を『今』に向けることができます」とのこと。

原因その5:睡眠不足

夜きちんと寝ないと、肌ツヤが失われるそう。「肌の細胞が修復され再生されるのは寝ているときです」とパーム医師。

「睡眠時間が短くなったり不規則だったりすると、皮膚細胞はベストなパフォーマンスを発揮できません」

有効な対策

毎晩7〜9時間の睡眠を。アンチエイジング効果を高めるために、レチノールなどの成分を含むナイトトリートメントを使うと、睡眠中のコラーゲン生成が促進されるそう。

また、保湿力を高めるために週一回、ナイトクリームの代わりに栄養価の高いオーバーナイト・フェイシャルマスクを使うと良いとのこと。

原因その6:環境要因

大気汚染、乾燥、強風、太陽の紫外線などの環境要因から保護されないと肌はくすみがちに。ある研究で、農村部に住む女性と都市部に住む人を20年にわたって追跡調査したところ、都市部に住む人の方がシワやシミが圧倒的に多かったという結果が出たとか。

有効な対策

まず、毎晩しっかり洗顔を。洗顔を怠ると、寝ている間に「汚染物質が毛穴に詰まってしまいます」と、皮膚科医でカリフォルニア州レドンドビーチにある美容皮膚科、ザ・ダーム・インスティテュートのディレクターを務めるアニー・チウ医師は説明。

次に、肌を紫外線と大気汚染から守るために、毎日、広域スペクトルSPF30+の日焼け止めを使い、さらに「環境の中にあるフリーラジカルが肌に害を与えるのを防ぐ」ために、美容液などの抗酸化製品を毎朝使うことが大切だとチウ医師はアドバイス。

定期的な運動も、環境が肌に与える悪影響を減らすのに有効とのこと。

「有酸素運動は皮膚の血行を良くし、皮膚細胞の栄養素の交換や毒素の除去に役立ちます」(パーム医師)

原因その7:喫煙

喫煙は健康に害を及ぼすだけでなく、肌ツヤにも悪い影響が。パーム医師によると「発がん性物質は、皮膚の完全性と全体構造にとってかなり有害」だそう。

「タバコを吸うとコラーゲンが分解され、時とともに肌が血色悪く、青白く見えたり、シワができたりします」

有効な対策

禁煙できるよう(必要ならば)専門家の助けを求めましょう。

原因その8:化粧が濃い

重くて粉っぽいパウダーのようなマットな化粧品は、肌の自然な油分(とツヤ)を吸収してしまうため避けましょう。また、アルコールを含むメイク落としは、肌の潤いを奪ってしまうので、使わない方が良いとのこと。

有効な対策

くすみ対策のために、BBクリームなど保湿成分が配合されたベースメイクを使うと良いとのこと。カバー力を高めるためには、光を反射する成分が配合されたファンデーションを選ぶのがおすすめだそう。パッケージに「輝く」「光る」「ツヤ」などのキーワードがないか探してみて!

「このような成分は、光を反射させ、肌のトーンをより均一に見せます」とメイクアップアーティストであり、化粧品ブランドのサラット・ビューティの共同創業者でもあるトロイ・サラット氏はコメント。

また、肌の色が明るい場合にはシャンパンカラー、ミディアムからダークの場合にはゴールドのクリームハイライターをひと塗りすると、くすみを隠せるとのこと。頬骨に沿ってひと塗りすると、きれいでしっとりした感じになり、顔全体がより輝いて見えるはず。

原因その9:不健康な食生活

「健康は食べ物で決まる」は肌にも当てはまるそう。体に取り入れたものが顔色に反映されるため、体が栄養不足である限り、ツヤ肌になることは期待できないとのこと。

有効な対策

塩分の多い食べ物や加工食品を避けましょう。こういった食べ物は、「水分を保持することで、体内組織の腫れを促進し、光の理想的な反射を妨げます」とパーム医師。

栄養士のポーラ・シンプソン氏は、「典型的な欧米型の食事」全般を避けることを推奨。彼女の言葉を借りると、欧米型の食事は「糖分と脂肪分が多く、食物繊維、抗酸化物質、良質なタンパク質、必要な脂肪酸が含まれていない」ためであり、これはいずれも肌のくすみの主要な原因になるそう。

お腹も肌も喜ぶような、ヘルシーフードを選ぶように心掛けてみて。ハウ医師のおすすめは、ブルーベリー、クランベリー、小豆、インゲン豆などの抗酸化物質を多く含む食品。パーム医師はアボカドやクルミなど良質な脂肪分を含む食べ物や、コラーゲンの成長を促進するビタミンCを含む柑橘類やキウイをすすめています。

この翻訳は、抄訳です。
Translation: Takako FukasawaOffice Miyazaki Inc.
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