肌の「バリア機能」という言葉を、なんとなく聞いたことがある人も多いはず。肌の調子や見た目を左右するもので、この機能が低下すると、乾燥や炎症、ニキビなどさまざまなトラブルの原因にもなるそう。

美肌を作る上で欠かせない「肌バリア」の重要性について、<コスモポリタン アメリカ版>からお届けします。


【INDEX】


「肌バリア」とは?

簡単に言うと、皮膚の一番外側の層で、保護シールドの役割を果たしてくれるもののこと。環境ストレスや刺激、炎症から肌を守り、水分など肌に必要なものを保持するのが主な役割。

肌は“一枚の皮膚”のように見えますが、実際の構造はレンガとセメントに例えられます。

「角質細胞と呼ばれる細胞が皮膚バリアのレンガとなり、コレステロールやセラミドの脂質がセメントの役割を果たします」と話すのは、「マウント・サイナイ・メディカルセンター」の皮膚科医で臨床准教授のダナ・スターン博士。細胞と脂質の組み合わせによって、肌の保護膜が形成されているのです。

i'll find those zits and i'll zap them
PeopleImages//Getty Images

肌バリアが傷つくとどうなる?

バリア機能が低下すると、乾燥や肌荒れ、過敏症、赤み、かゆみ、炎症などの症状が現れます。肌の調子が良くないと感じたら、肌バリアがダメージをうけている兆候かもしれません。

ハドソン皮膚科・レーザー外科」の皮膚科医であるダヴァル・バヌサリ博士によると、肌が感染症や発疹にかかりやすくなるとのこと。

肌バリアが傷つく原因

日焼けや大気汚染、喫煙などの環境要因、刺激の強いスキンケアなどによる物理的なダメージ、さらに遺伝や年齢も原因となります。

「年齢を重ねるごとにセラミドの量が減少し、肌の水分保持能力が低下していきます」(スターン博士)

加齢や天候などは自分でコントロールできないものですが、刺激の強いスキンケア用品を使用している場合は、普段のお手入れを見直してみるのがよさそう。

「ふっくらとした印象を与える肌のハリや潤いには、肌バリアの脂肪バランス重要です。刺激の強い角質除去剤や酸、硫酸塩入りの石鹸は、そのバランスを崩してしまう可能性があります」

バリア機能を改善するには?

最も重要なのは保湿ケア。スターン博士のおすすめは、セラミドとヒアルロン酸やグリセリンなどの保湿剤を含むモイスチャライザー。特定のセラミドは肌の保湿機能と似たはたらきをすることがわかっており、ヒアルロン酸やグリセリンは「真皮から表皮に向けて水分子を引き寄せ、潤いを保つ」効果があるそう。

肌バリアのダメージが気になったら、少なくとも2~3週間は肌に優しい保湿ケアを行い、その間は酸やレチノイドの使用をお休みしてください。朝と夜に優しく洗顔をして、保湿効果のある美容液を使い、リッチなモイスチャライザーを使うのがおすすめ。

woman holding pipette with natural oil over glass bottle
brizmaker//Getty Images

バリア機能の回復にかかる時間

肌タイプやダメージの程度にそれぞれですが、ピーリングやスクラブのやりすぎが原因の場合、1〜2週間で回復が見込めることも。長期間にわたって刺激の強い製品や肌に合わない製品を使っている場合、回復までにより長い時間がかかったり、皮膚科医での治療が必要になることも。そうなる前に、早めのケアを心がけて!

※この翻訳は、抄訳です。
Translation:TOMOKO NOURRY
COSMOPOLITAN US