レチノールの類似成分の「バクチオール」は、エイジングケア成分として近年注目を集めているもの。植物由来で低刺激とあって「次世代レチノール」とも呼ばれています。

今回は改めて「バクチオール」の効果と、レチノールとの違いなどを中目黒ウォブクリニックの高瀬聡子院長に取材。スキンケアに取り入れるときのポイントも聞きました。

監修:高瀬聡子院長(中目黒ウォブクリニック)

「バクチオール」って?

バクチオールとは、天然に存在する成分でテルペノフェノール化合物の一種。 インドが原産のオランダビユというマメ科の植物から抽出されるものです。

レチノールと構造は違い、作用の仕方も違うのですが、機能が似ているということで「次世代レチノール」などと言われています。

バクチオールの効果

コラーゲンの生成を含めて、ターンオーバーを促進するのがレチノールと似ていると言われる理由なのですが、バクチオールの1番の特徴は「抗酸化作用」。

活性酸素(体内に取り込んだ酸素が活発になった状態)は免疫機能として働く一方で、増えすぎると体に必要な細胞にもダメージを与えてしまいます。

抗酸化作用とは、活性酸素の発生やその動きを抑制して取り除く働きのこと。肌の老化の大きな原因である活性酸素を抑えることでエイジングケアにつながると言われています。

woman at modern home in sunny winter day using cosmetic elixir
CentralITAlliance//Getty Images

バクチオールとレチノールとの違い

  • 刺激感が少ない
    赤みが出てしまうなど肌に合わない人もいる、レチノール。一方、バクチオールは刺激感がなく、肌質を選ばない安定している成分です。
  • 朝晩どちらでも使える
    レチノールは、紫外線、空気、温度などで劣化してしまう成分のため、夜のみの使用が推奨されています。バクチオールは、朝晩使用可能です。
  • 刺激が強い成分との併用も問題ない
    もともと刺激が強いレチノールは、併用できない成分も。バクチオールは、基本的に併用できない成分はありません。

レチノールは即効性がある成分ですが、正しくケアしないと結果マイナスに働いてしまう場合も。

日本で販売されている化粧品はレチノールの含有量が定められていますが、特に個人輸入などで購入できる海外の化粧品だとクリニックで扱うような高濃度のものもあります。

そういった刺激が強すぎるレチノールを使ってターンオーバーを促進した後、きちんとケアをしないまま放っておくと炎症が色素沈着になってしまい、結果肌が赤黒く見えてしまうこともあるため注意が必要です。

一方バクチオールは、即効性はないものの、穏やかに長期的に肌のターンオーバーを整えてくれるもの。シミ・しわ・たるみの改善といったエイジングケア目的で使うにはいいと思います。

バクチオールを使用する際、ターンオーバーを促進するために角質除去ができるアイテムをプラスするのもいいでしょう。

バクチオールをおすすめする人

  • エイジングに悩む人
  • 毛穴に悩む人

エイジングケア目的はもちろん、20~30代で毛穴に悩んでいる方にもおすすめのバクチオール。ターンオーバーを促進することで、キメが整ってハリがでて毛穴が目立ちにくくなります。

含有量で言うと、美容液→クリーム→化粧水の順番となるので、リスクは少ないとはいえ、使うのが不安な場合は化粧水から使い始めるのがいいでしょう。まずは自分の肌に合っているかを確かめながらステップを上げていき、好みのテクスチャー、香り、使い心地で選んでみてください。


中目黒ウォブクリニック・高瀬聡子院長

 
髙瀬聡子医師


慈恵会医科大学を卒業後、2年間の研修を経て同大学付属病院皮膚科に入局。その後、休職中に2003年にドクターズコスメ「アンプルール」を立ち上げる。2007年に『ウォブクリニック中目黒』を開設、現在に至る。

ウォブクリニック中目黒
Tel. 0120-411-281