スキンケア成分として話題の「ナイアシンアミド」。ニコチン酸アミドとも呼ばれ、スキンケア分野において長年重要な役割を果たしてきた成分で、最近になって一般にも注目されるように。シミや赤みを抑えたり、皮脂量をコントロールしたり、保湿力を高めたりと、様々な効果が期待できるのだとか。

そこで本記事では、「ナイアシンアミドを取り入れたスキンケア」について専門家が解説!

スキンケアブランド「Paula's Choice」のポーラ・ビグーンさんと、『The Skincare Bible(スキンケア・バイブル/原題訳)』の著者である皮膚科医のアンジャリ・マハト医師らエキスパートに聞いた、成分の有効性や使い方について<グッド・ハウスキーピング>からお届けします。ぜひ日々のお手入れの参考にしてみて♡


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ナイアシンアミドとは?

ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種であり、美容液や保湿剤に多く含まれている成分。セラミドの生成を促進することで肌のバリアを強化し、水分レベルを維持する働きがあるのだとか。

またナイアシンアミドの抗炎症作用は、ニキビや酒皶(しゅさ)、赤ら顔、ほてりなどの肌の悩みをやわらげる効果もあるそう。

 
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ナイアシンアミドを使うタイミング

ナイアシンアミドは、基本的に朝と夜に使用するもの。他のスキンケア成分(角質除去効果のある酸やビタミンCなどの成分など)とも相性が良く、それらと併用することも可能だとか。

ビグーンさんいわく「ナイアシンアミドと酸は最高の組み合わせ」なのだそう。

グリコール酸、サリチル酸、アゼライン酸などの酸は、色ムラ、ダークスポット(シミやソバカスなど)、ニキビ跡、毛穴の開きなどの肌の悩みに対して、ナイアシンアミドの効果を高めます。数日で効果が見られるでしょう」
 
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また、ナイアシンアミドを日中に使用すると、日焼けによるダメージから肌を守る効果も期待できるそう。そして酸と同じように、ナイアシンアミドとSPFも最高の組み合わせなんだとか。

「ナイアシンアミドは、紫外線が肌に引き起こすひどい炎症を抑えることができるという研究結果があります。日焼け止めの下にナイアシンアミドが配合されたのブースターを塗ると、保護と修復の両方の効果が期待できるでしょう」

ナイアシンアミドの効果とは?

「ナイアシンアミドは、肌のバリア層にあるセラミドやタンパク質を増やすことで、表皮からの水分の流出を抑えます」とマハト医師は解説。

バリアが頑強であれば、環境からの攻撃からも肌を保護し、長期的に見て老化の兆候を遅らせることを可能にするとのこと。肌のバリア機能を強化することは誰にとっても有益であり、ナイアシンアミドはまさにその役割を果たす成分というわけ。

マハト医師によれば、色素沈着を抑える効果にも優れ、特に酒さや色素沈着に悩まされている人にも効果があるとか。

「アジア人と白人のどちらの肌にも効果があり、色素沈着したシミを目立たなくするという研究結果が出ています。メラニンや色素の生成につながるプロセスに作用することで、シミを目立たなくするのです」
 
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さらに、オイリー肌や軽度のニキビに悩む人にとっては吹き出物を抑える効果があり、定期的に使用することで、毛穴を引き締める効果も期待できるそう。「ナイアシンアミドが肌の皮脂分泌を抑えることで、間接的に毛穴を小さくするのです」とマハト医師。

また、ナイアシンアミドは処方薬であるレチノイドのような強力な成分と共に配合される場合も。これは、レチノイドの副作用(乾燥や敏感肌など)とバランスを取るために、ナイアシンアミドが使用されているためだそう。

ナイアシンアミドの使用に適した人とは?

「ナイアシンアミドは忍容性が高く、肌への刺激も最小限に抑えられているので、敏感肌の人を含むすべての肌タイプに適していると言えます。酒皶の人にもおすすめできますし、加齢によるシミが気になる人も試してみる価値はあるでしょう」と、マハト医師はアドバイス。

ただし、新しい製品を使うときは必ずパッチテストを行うことが大切。何か反応があった場合は使用を中止するようにしましょう。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

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