映画やドラマなど、これまで以上に多様性に満ちたキャラクターを目にするようになった昨今。しかし、LGBTQ+のコンテンツが含まれるビデオゲームは、全体のわずか2%未満だということが明らかに。

ゲームの世界における多様性を調査

擁護団体の<GLAAD>は、「ゲームにおけるLGBTQ+インクルージョンの現状報告書」を発表。ニールセン・ゲームズと協力し、LGBTQ+当事者と非当事者のゲーマー1,452人を対象に、ゲームの世界における表現やハラスメント、全体的な姿勢についてを調査したとのこと。

プレスリリースによると同報告書は、ゲーム業界におけるLGBTQ+の表現のあり方についての啓発、そしてLGBTQ+のインクルージョンについて事実に基づいたビジネスケースを提示し、より確かな表現のためのプレイブックを提供するために作成されたという。

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同調査によると、アクティブなゲーマーの17%つまり5人に1人近くがLGBTQ+当事者であり、2020年にニールセンが行った調査と比較すると大幅に増加しているとのこと。また、当事者の割合は若い年齢層がもっとも高く、35歳以下のゲーマーの23~28%がLGBTQ+当事者だと回答している。

クィアなキャラやストーリーは少ない?

しかし、現在発売されているゲームを分析したところ、LGBTQ+のキャラクターやストーリーが登場するゲームは、全体の2%にも満たないことが明らかに。

当事者のゲーマーの72%は、自分の性自認や性的指向がよく表現されたキャラクターを見ることで、自分を肯定する気持ちも高まると回答しており、その割合は若い年齢層(13〜17歳)ではさらに高い78%とのこと。

またLGBTQ+当事者のゲーマーの70%、非当事者のゲーマーの46%が、LGBTQ+コミュニティに関する有害な描写やステレオタイプが含まれるゲームを購入したりプレイしたりする可能性が低いと回答している。

ゲームが心の拠り所に

全米で「反LGBTQ法案」が過去最多の数で提出されている現在、多くのLGBTQ+当事者のプレイヤーにとってゲームコミュニティは趣味に加えて、重要な支えとなっているとのこと。

LGBTQ+当事者のゲーマーの50%は、自分が住んでいる場所よりもゲームコミュニティに受け入れられていると感じており、この割合は反LGBTQ法が提案・可決された州の住民では55%に増加している。

これらの州では、LGBTQ+当事者のゲーマーの65%がつらいときを乗り越えるためにゲームに頼っていると回答。75%がゲームのおかげで、現実生活では気乗りしない方法で自己表現ができると答えている。

in the zone a teenage girl focused on her computer with headset and microphone
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them>によると、今後GLAADはゲーム業界に対し、LGBTQ+メディア・コンテンツの専門家に相談するよう呼びかけており、多くのLGBTQ+当事者を権限ある立場で雇用すること、そしてコミュニティがよりインクルーシブになるよう、より一層の責任を持つことを求めている。