映画『南部の唄』をテーマにつくられた、ディズニーパークのアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」。同映画に対して、人種差別的なステレオタイプを描いているなどとする長年の指摘がありました。

アメリカでは同アトラクションを刷新することが決定していて、このほど、新たなアトラクションのオープン時期が発表されました。

映画『プリンセスと魔法のキス』がテーマに!

2020年、スプラッシュ・マウンテンを刷新すると発表したディズニー。2009年公開の映画『プリンセスと魔法のキス』をベースにした、新たなアトラクションへと生まれ変わることを約束しました。

そして2024年2月13日(現地時間)、新アトラクション「ティアナのバイユー・アドベンチャー」のオープン時期が明らかに!

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USA TODAY>によると同アトラクションは、フロリダのマジック・キングダムに今夏オープンし、2024年後半にはカリフォルニアのディズニーランド・パークにも登場するとのこと。

マジック・キンダム、ディズニーランドパーク以外にスプラッシュ・マウンテンがあるのは、東京ディズニーランドのみ。東京ディズニーランドでは、テーマ変更などの発表はされていません。

最新技術を取り入れたアトラクションに

さまざまな技術をパークに取り入れ、魔法の世界へと導いてくれるディズニーパーク。2024年2月13日(現地時間)には、アトラクションで登場するティアナのオーディオ・アニマトロニクスを公開しました。

まるで生きているかのように動くオーディオ・アニマトロニクスは、年月をかけてさらに進化してもよう。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

同アトラクションについて、ディズニーはサイトでこのように説明しています。

「『ティアナのバイユー・アドベンチャー』では、プリンセスがボートいっぱいの新しい友達と一緒に、音楽と魔法でバイユー(細く、ゆっくりと流れる小川)を照らします。ゲストはイトスギの木とスパニッシュモスの間を通り抜け、お腹が浮くような50フィート(約15m)の急降下のあと、爽快な水の波で最後を迎えます」
これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

ディズニーパークのSNSには、新アトラクションのオープンを心待ちにしているゲストの姿も。

スプラッシュ・マウンテンを巡る背景

1989年にアメリカではじめてオープンしたスプラッシュ・マウンテンは、東京ディズニーランドにも設けられている人気アトラクション。しかしそのモチーフとなっている映画『南部の唄』は、南北戦争後のアメリカ南部社会の描写に問題があり、人種差別的なステレオタイプを描いているとして、批判されてきたという背景があります。

まるで奴隷制度を美化するような映画の組み立てや、誇張された方言の使用があったことなどに、1946年の公開当初からNAACP(全米有色人種地位向上協議会)を含む批評家たちは抗議していました。 1986年以降はディズニー側の自粛によって、同映画は再公開されていません。

さらに<PEOPLE>によると、ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOを務める ボブ・アイガー氏は2020年、「今の時代にふさわしくない」として、Disney+でも配信することはないと株主総会で語ったといいます(それも、時代背景について注釈をつける形での配信予定もないと語ったそう)。

映画『南部の唄』をテーマにつくられた、ディズニーパークのアトラクション「スプラッシュ・マウンテン」。人種差別的なステレオタイプを描いているとして、長い間批判されてきたため、アメリカではアトラクションを刷新。人気映画をテーマに生まれ変わったアトラクション「ティアナのバイユー・アドベンチャー」のオープン時期が発表された。
AaronP/Bauer-Griffin//Getty Images

「ディズニーランドは年齢や人種に関わらず、どんなバックグランドがある人にとっても“ホーム”のような存在であってほしい」という想いで、2020年にはスプラッシュ・マウンテンのテーマ変更を求め、オンラインサイトでの署名活動がはじまりました。

その後ディズニーは、新アトラクションについて公表。刷新を発表したときには、署名が起こる前から協議を重ねていたと述べたと<PEOPLE>は報じています。