「保存料」と聞くとその食べ物を積極的に食べたくはないもの。特に海外では、自社の商品の健康性をアピールするため、タコベルをはじめとする海外のチェーン店や大手食品会社(キャンベルクラフトフーズ)などが一気に保存料の使用を大幅削減してからはなお、その傾向は強まりつつある。

ところがコスモポリタン アメリカ版によると、がん細胞を破壊する効果を持つ、"とある保存料"が存在するというのだ。その使用によっては、食品会社や店舗の評判も180℃変わりかねない。

米国ミシガン大学で行われた新しい調査によると、乳酸連鎖球菌というバクテリアから生まれたナイシンというペプチドが、実験用に使われたねずみの腫瘍を激減させたという。ナイシンはチェダーやブリー、カマンベールなどのチーズや乳製品、また一部の加工肉に含まれるとのこと。

『Journal of Applied Psychology(原題)』に掲載された専門家らの調査結果によると、"ナイシン・シェイク"を飲まされたねずみの体内のがん細胞が9週間で7080%消滅したという。通常食品に含まれるものの約20倍の濃度のナイシンを与えられていたということらしく、当然効果も倍増する。人間に換算していうなら、大きめの錠剤20~30錠(!)飲むようなものらしいのだが…。

それでも研究者は、ナイシンは「最も致命的な疾病とも言われるガンと、抗生物質がきかないバクテリアによる感染症に対して、ものすごい効果をもたらす」という。がん細胞を退治するだけでなく、MRSA感染などのような抗生物質に耐性のあるやっかいなバクテリアも絶滅させるとか。何より、ナイシンに抵抗性のあるバクテリアはないというのだから、その威力はかなりのものだろう。

ナイシンはバクテリアの静的部分に結合し、バクテリアが抵抗力を付ける前に退治するのだという。加えて、バクテリアが集まり強化する前にそれらを集団単位で攻撃し、抗生物質に対する抵抗活動を阻止してくれるとのこと。

そうと聞いて、チーズに丸ごとかじりついたりする前に、これらの研究はまだ導入段階に過ぎないということを知っておこう。「期待はできるが、まだ結果はねずみのみにしか見られていない。人間にも同じような効果をもたらすと断言するにはまだまだ早すぎる」と同大学の歯科学部教授イヴォンヌ・カピラは話す。今後カピラ教授の研究室ではこれを臨床実験に移す予定だという。そうなれば、ガン及び危険なバクテリア感染症に対峙するための、新たな手段にまた一歩近づけるかもしれない。

この翻訳は、抄訳です。

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