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管理栄養士おすすめ!「秋の味覚」のヘルシーな食べ方11

芋、栗、かぼちゃ…秋の食材をおいしくヘルシーに食べるために、意識すべきポイントとは?

芋、栗、かぼちゃ、きのこ、柿、ぶどうなど、味覚の秋は人気の食材が勢ぞろい。ついつい食べ過ぎてしまうことも……。そこで、おいしくヘルシーに食べるために、意識すべきポイントを、管理栄養士の櫻井麻衣子さんに伺いました。11の食材ひとつひとつのおすすめの食べ方を、栄養素の解説とともにご紹介。ぜひ参考にして、実りの秋を謳歌して。
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芋、栗、かぼちゃ、きのこ、柿、ぶどうなど、味覚の秋は人気の食材が勢ぞろい。しかし、ついつい食べ過ぎてしまうことも…。そこで、おいしくヘルシーに食べるために、意識すべきポイントを、管理栄養士の櫻井麻衣子さんに伺いました。

今回は11の食材ひとつひとつのおすすめの食べ方を、栄養素の解説とともにご紹介。ぜひ参考にして、実りの秋を謳歌して。

キレイが叶う♡秋のおすすめフルーツと美容効果

サンマ

sushi of a sanma pacific saury
runin//Getty Images

日本では、サンマのエサが豊富になる9〜10月にかけてサンマに脂がのり、おいしくなります。口先が黄色くて、おなかのまわりが丸々としているものは脂が乗っていて、新鮮なものは目が澄んでいるので、おいしいサンマを選ぶときの目安にしてください。

サンマに含まれる栄養素で注目したいのは、EPAやDHAなどのオメガ3の脂肪酸です。体内で合成できない必須脂肪酸のため、食べ物から摂取する必要があります。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、悪玉コレステロールを減らすなどさまざまな作用を持っていますが、加熱や空気に触れることで酸化しやすくなるため、生で食べるのが理想。

ただしサンマを生の刺し身で食べる場合は、寄生虫のアニサキスに注意が必要です。アニサキスは魚の死後に内臓から筋肉に移動するため、自分で調理するときは新鮮な魚を選び、目視でアニサキスの幼虫がいないことを確認。購入後はすぐに内臓を取り除くようにしましょう。

シロザケ

delicious salmon fillet in a pan with garlic and herbs
Malorny//Getty Images

主に日本で漁獲される秋が旬のサケは、シロザケという種類。サケは本来白身の魚であり、アスタキサンチンという色素によって身が赤く見えます。アスタキサンチンには抗酸化作用がありますが、実はシロザケにはあまり多く含まれておらず、ロシアやカナダで多く漁獲されるベニザケに豊富に含まれています。

シロザケはあっさりとした味で、その脂質量はお寿司によく使われるアトランティックサーモンの約1/4ほど。旬の食材はカロリーが増える傾向がありますが、シロザケは低脂質、高たんぱくで、ダイエット中の方にもおすすめです。

あっさりした味が好きな方は塩焼きで。また、ホイル焼きやムニエルにすると食べやすくなります。

カツオ

nice tataki
Gyro//Getty Images

カツオは年に2回旬を迎えます。春の“初ガツオ”は脂が少なくさっぱりしているのに対し、秋の“戻りガツオ”は脂ののりがよく身が柔らかいのが特徴。脂質量を比較すると100グラムあたり初ガツオは0.5グラム、戻りガツオは6.2グラムと、数字で見ても大きな差があります。

また、鉄分が豊富で赤血球のヘモグロビン合成にかかわっているビタミンB6も含むため、貧血気味の方にはうれしい食材です。ビタミンB6は水溶性なので、調理過程での流出を抑えるために調理法はシンプルに。

薬味をたっぷりのせた定番のたたきのほか、ユッケやカルパッチョなどがおすすめです。これらはカツオの鮮度が大きく味を左右するので、身が黒ずんでいないもの、表面が虹色がかっていないものを選ぶとよいでしょう。

なお、秋が旬の戻りガツオは身が柔らかく、加熱しても硬くなりにくいので、生食が苦手な方はソテーなどにしても。

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raw organic orange perssimons ready to eat
bhofack2//Getty Images

柿はビタミンCが豊富で、100グラムあたりの含有量は何とみかんの2倍。その他、食物繊維やカリウムを多く含みます。その色からβカロテンも豊富に思われますが、カロテンはさほど多くありません。

柿は未熟なうちは渋みがあり、富有柿や次郎柿のように成熟すると自然に渋みが抜ける完全甘柿と、成熟してからアルコールや炭酸ガスを使って人工的に渋抜きをする品種があります。

完全甘柿の方が甘味が強く人気があるようですが、渋抜き柿のほうがカリウムや食物繊維を多く含む傾向にあります。

きのこ

risotto with mushrooms in a white plate over white background, top view
Roxiller//Getty Images

きのこの旬は秋というイメージがありますが、人工栽培が難しい松茸や本しめじ、原木栽培で育てられる原木しいたけやなめこ以外、ほとんどが施設で菌床栽培されているため、一年中食べることができます。

きのこ類は、ビタミンDが豊富なことが特徴です。ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートし、骨の形成にもかかわる栄養素。日光に当たることで私たちの体内で生成されますが、きのこも30分程度、天日に当てただけで、その量が増えることが確認されています。

不溶性の食物繊維も多く含むため、便の量が増えて腸のぜん動運動を促し、お通じをサポートしてくれるほか、料理のカサ増しにも最適な食材です。

秋の体重アップが気になる方は、パスタや麺にエノキを混ぜたり、ひき肉料理にぶなしめじなどクセのないきのこを混ぜたりすることで、カロリーをカットすることができます。

ぶどう

bowl of juicy ripe black grapes
Yulia-Images//Getty Images

ぶどうに含まれる糖質は、体内に入ると血糖となるブドウ糖と、中性脂肪に変わる果糖を同量程度含んでいます。ブドウ糖は脳のエネルギー源となるため、頭が働かなくなってきた時のヘルシーなスナックとして最適です。

また、皮ごと食べられるぶどうは手軽なうえ、体内の塩分量を調整するカリウムが多いので、デスクワークや立ち仕事のむくみ防止のサポートにも。紫色のぶどうの皮には抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれています。

ただし食べすぎると糖質の過剰により中性脂肪の増大や肥満につながるため、適度な量を心がけましょう。

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さつまいも・栗

栗、モンブラン
imagenavi//Getty Images

ほくほくとした食感や甘味があり、含まれる栄養素も似ていますが、さつまいもは根菜で、栗は種に分類されます。

どちらも糖質が多く、100グラムあたりさつまいもが31.9グラム、栗が36.7グラムで、ご飯の糖質量37.1グラム とほぼ同じ。そのため間食では、食べすぎに注意が必要です。

さつまいもは1本あたり200〜300グラム程度なので1/2〜1/3本、栗は大きいものなら3個、小さいものなら5個くらいにすると、100キロカロリーほどに抑えることができます。

なお、植物繊維は100グラムあたり、さつまいもが2.2グラム、栗が4.2グラムで栗の方が豊富です。

また、両者とも体内の塩分量を調整する働きがあるカリウムも多く含みます。カリウムは水に流れ出やすい性質があるため、茹でるより、焼いたり蒸したりして流出を防ぐ調理がおすすめです。

かぼちゃ

tasty appetizing beautiful pumpkin soup in the whole pumpkin with bread and spices ready to eat on table closeup
Antoniu Rosu / 500px//Getty Images

秋限定のスイーツなどにも用いられ、さつまいもや栗と並んで人気のかぼちゃ。収穫されるのは8〜9月ですが、収穫してから保管して追熟することでおいしさが増すため、秋が旬とされています。ただし冬至を過ぎる頃からおいしさが減退していきます。

かぼちゃに含まれる栄養素は、糖質やカリウム、食物繊維など。さらに体内で、粘膜の健康にかかわるビタミンAに変わるカロテンや、赤血球の形成に関わる葉酸、ビタミンCなど、多くの栄養素を豊富に含んでいます。

以前は、水分が多くねっとりとしていて甘味の少ない東洋種の日本かぼちゃが主流でしたが、最近ではほくほくとした食感の西洋種かぼちゃも人気で、多く出回っています。

西洋かぼちゃは、蒸し器などでじっくり低温加熱すると味付けをしなくても甘味が引き出され、ビタミンCの損失も抑えられるので、美容と健康にもうれしいスイーツになります。

ぎんなん

salt roasted ginkgo nuts, japanese food, close up
bonchan//Getty Images

ぎんなんはイチョウの木の種子で、秋の訪れを感じさせてくれる代表的な食材。βカロテンやビタミンB群、ビタミンC、カリウムなどを含みますが、食べすぎると嘔吐や下痢、呼吸困難、けいれんなどの中毒症状を起こす恐れがあるので要注意。

これはビタミンB6と構造の似た通称ギンコトキシンが、ビタミンB6の働きを阻害し、欠乏症状を起こさせるためとされています。大人は大量に(数十個ほど)食べなければ中毒には至らないようですが、小児は5〜6個でも中毒の報告があります。

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なす

なす
Joff Lee//Getty Images

旬は夏のイメージがありますが、夏のなすは皮が厚くて種も大きくなりやすいのが特徴です。一方、秋のなすは皮が柔らかくてみずみずしいため、夏から秋にかけてが旬といえるでしょう。

「秋茄子は嫁に食わすな」という言い伝えの由来には、“美味しいなすを嫁には食べさせたくない”という意地悪な意味や、“体を冷やすから妊婦は控えたほうがいい”という思いやりの意味など諸説あるようです(なすが体を冷やすという裏付けはありません)。

なすの皮には、紫外線のダメージから体を守る抗酸化作用がある、ポリフェノールが含まれているので、ぜひ皮ごと調理してください。

管理栄養士の櫻井麻衣子さん

管理栄養士 櫻井麻衣子さん
SAKURAI MAIKO

Profile●総合病院で調理献立に携わった後、痩身外来にて栄養指導に従事する。その後2017年よりフリーランスの管理栄養士として料理教室、食事カウンセリング、レシピ開発など幅広く活動中。「妊娠中のラクうまごはん」「がんばりすぎない離乳食」(マイナビ出版)にて料理を監修。

From: Fujingaho JP
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