日本ではあまり馴染みのない、「バターミルク」という乳製品。実はケーキやスコーン、パンケーキを膨らませたり、フライドチキンをジューシーで柔らかくしたりする、優れものなのだとか。
本記事では、バターミルクの作り方や材料、自宅で作るときのレシピなど、バターミルクに関する基礎知識をお届けします。
【INDEX】
バターミルクとは
バターミルクには、いくつか種類があります。
- 伝統的なバターミルク
バターを攪拌する過程で出る、低脂肪で、高タンパク質な液体。 - 培養バターミルク
培養、発酵、熟成させたクリームでバターを作った場合は、サワークリームバターミルク。通常の牛乳より濃厚で、独特の味とバターの風味が特徴。 - スイートクリームバターミルク
生クリームを使った場合は、スイートクリームバターミルクになり、バターを作った後でこれを発酵させることもあるそう。よりあっさりとしていて、甘く、ほのかな味わい。
牛乳との違いで言うと、フレッシュかそうでないか。バターミルクは乳製品を培養したり、発酵したりして作る発酵飲料、あるいは、バターを攪拌した後に残った液体なので大きく違います。
アメリカでは、店頭で見るバターミルクや、ほとんどのレシピが使っているのは「培養バターミルク」で、バターを作るときの副産物ではないのだとか。
培養バターミルクを作るには、生きた菌を培養したものを、全乳か低脂肪牛乳に加え、その後加熱し、およそ12時間発酵させます。この発酵プロセスこそ、バターミルクを濃厚にし、乳酸菌のように体にいい成分や独特の味、バターの香りや風味を持つジアセチルをプラスして、特別な食材にするもの。
バターミルクはこの酸味のおかげで、マリネ液として使えば肉を柔らかくし、パンやケーキに使えば、グルテンを分解して重曹を活性化して、やわらかくてフワフワの生地に仕上げ、その複雑な風味で、料理の味を一段上げてくれるのです。
バターミルクの栄養面でのメリット
バターミルクは低脂肪で、牛乳よりタンパク質多め。カロリーは牛乳より低く、カルシウムやビタミンB12やカリウムは牛乳より豊富で、生きた培養菌を含むため牛乳より消化しやすいのだとか。
バターミルクの作り方
バターミルクを自宅で作るときには2パターンの作り方が。急いでいるときには、即席レシピを使ってみるのもいいかも。
即席バターミルクの代用品のレシピ
マリネやパンケーキ作りにともかく必要なのは、牛乳に酸味を足して、柔らかくしたり、発酵を活性化したりする乳酸菌の役割を補うこと。そのために使えるのは、下記のもの。
- レモン果汁
大さじ1杯のフレッシュなレモン果汁に牛乳を足して、カップ1杯分にする。 - ホワイトビネガー
大さじ1杯のホワイトビネガーに牛乳を足して、カップ1杯にする。 - 酒石英(酒石酸とミネラルが結合してできた結晶性の物質)
小さじ1と4分の3の酒石英に牛乳カップ1杯を足す。 - 脂肪分の高いヨーグルト
ヨーグルトと牛乳を1:1の割合で混ぜる。バターミルクと味が似ているし、そもそもどちらも発酵させた乳製品なので、料理に使う場合でも、そのまま使う場合でも、ピンチのときの格好の代替品に。
ギリシャヨーグルトの場合はとりわけ濃厚なので、ギリシャヨーグルト3分の2カップに対して水を3分の1足し、なめらかになるまでよくかき混ぜること。
また、本物のバターミルクから作られた、バターミルクパウダーも売られているので、食料棚に備えておくと便利です。
伝統的なバターミルクのレシピ
伝統的な方法でバターミルクを作ることは十分可能だけれど、約250ccのバターミルクを作るためには、クリームが1ガロン(約3.785リットル)必要!
材料
- チーズクロス
- 濃厚な生クリーム
- 細粒の海塩
作り方
- ザルにチーズクロスを3層に重ねて、ボウルの上に置く。
- 淡黄色になり、液体が固体から分離するまで、ハンドミキサーを使用してクリームを高速で8〜10分間泡立てる。
- ①のザルに移す。固形物の周りにチーズクロスを集めてこねて、ボールを形成し、液体(バターミルク)を絞り出し、冷水でよくすすぐ。
- できたバターをチーズクロスから取り出し、ペーパータオルで軽くたたいて乾かす。必要に応じて、塩で味付けをする。
- バターは丸太状に成形したら完成! すぐに使用するか、冷やして保存し、2週間以内に使い切ること。絞った自家製バターミルクは、自分の好きなようにアレンジしてみて。
バターミルクの保存法
バターミルクは必ず冷蔵庫で保存して。冷凍だと3ヶ月もつそう。ただし、腐ったにおいがしたり、カビが生えたりしたら、すみやかに廃棄すること。
バターミルクの使い方
そのままでも、調理に使っても、さまざまな使い道がある、バターミルク。アメリカで最も人気のあるランチドレッシングのベースにもなっているそう。
またバターミルクは、ふんわりしたビスケットやスコーン、パンケーキ、ワッフルを作るのにも最適。
料理に使う場合は、チキンのマリネ液にしたり、チキンフライドステーキ(牛肉に小麦粉をまぶして揚げたアメリカの料理)のグレイビーに加えたり、冷たいキュウリのスープにかけたり、濃厚なクリームを使う代わりにマッシュポテトに入れたりと、とにかく万能! さまざまな使い方を試してみて。
※この翻訳は、抄訳です
Translation:mayuko akimoto
Country Living