セックスのとき「女性より男性の方がオーガズムを感じやすい」と言われていて、自分がイケないことに悩んでいる女性も多いはず。

学術誌『The Journal of Sex Research』に発表された研究によると、男性は自分がオーガズムを感じると嬉しいのはもちろん、(セックス相手の)女性がオーガズムに達することにも喜びを感じるという調査結果が。こう聞くと、女性はますます「頑張ってオーガズムに達したい!」と思ってしまうかもしれないけど、専門家によれば、実はそこには深刻な問題も潜んでいるんだとか。コスモポリタン アメリカ版によると、女性がオーガズムに達するとき、男性が抱く"ある感情"の危険性を研究者が指摘しているとのこと。

論文の著者であるサラ・チャドウィックさんとサリ・ヴァン・アンダース博士は810人の男性を対象に調査を実施。男性に"魅力的な女性"が登場する物語を読んでもらい、その女性とセックスして「彼女がオーガズムを感じた」または「オーガズムを感じなかった」場面を想像してもらったそう。

その後被験者に「(セックスにおける)自尊心」と「読後に"男性としての喜び"を感じたか?」という点について質問を投げかけたところ…下記のような結果が。

女性が「オーガズムに達するのを想像した」と回答した男性は、セックス面での自尊心が高まり"男らしさ"感じたとのこと。研究者の2人は「これは女性のオーガズムが、(人によって程度の差はあるものの)男性に"男としての達成感"をもたらすことを意味しています」と論文の中で説明

女性のオーガズムを男性も嬉しく思う――このこと自体はまったく問題ないものの、ここで研究者が注目したのは、女性のオーガズムによって「男性が"男らしさ"をより感じてしまう」という現象について。

「女性のオーガズムが、男性の"男らしさ"への自覚を高めてしまう――つまり本来"女性が感じる喜び"であるはずのオーガズムが、『男性の自尊心を左右する』という別の意味を持ってしまう可能性があるのです」

チャドウィックさんとアンダース博士は、男性たちが女性にオーガズムを"与える"ことで、男らしさを感じることの危険性を指摘。「こうした考え方は、異性愛者の男性にとってプレッシャーになるはずです。男性は"女性にオーガズムを与えなくてはならない"と考えてしまいます。またオーガズムが"男性から女性に与えるもの"と考えることも問題です。"女性は男性から与えられたものを無条件で受け入れなくてはならない"という性差別的思考に繋がる可能性があるからです」。

また2人は、この現象が女性に及ぼす悪影響についても言及。「女性はセックス相手の男性を傷つけないために『オーガズムを感じているフリをしなくては』と思ってしまう場合があるのです」。

研究の結果、チャドウィックさんとアンダース博士は「女性のオーガズムが "男としての達成感"を助長する場合、女性のオーガズムは女性の自由や性的喜びを妨げる存在になり、また "男らしさ"を測るための材料になってしまうのです」と結論づけたよう。

2人は「こうした思考を持つ男性は、女性のオーガズムを"男らしさ"を測る上での指標と考える傾向がある」と述べた上で、男性に対し「『オーガズムを感じない=達成感がない』と考えるのはやめましょう。それよりも、女性パートナーとの行為そのものを楽しむべきです」と呼びかけています。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US