これまでハイディ・クルムやクリッシー・テイゲン、イリーナ・シェイク、アシュリー・グラハムなどを起用し、一流モデルへの登竜門としても知られる、アメリカのスポーツ月刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』の水着特集。今回初めて有色人種のトランスジェンダーモデルが起用されることが決まり、話題になっている。

アメリカ出身のレイナ・ブルームは、アフリカ系とアジア系にルーツを持つトランスジェンダーモデルで、俳優、ダンサー、アクティビストとして幅広く活躍。大学時代にダンスの奨学金を使って性別適合手術を行い、何年も偏見と闘ってきたレイナは、ようやくこの仕事に辿り着いたと『ABC』で語った。

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「自分が生まれた時代に、私のような肌の色とバックグラウンドの人に、こんなことが起こるなんて考えたこともありませんでした」

ホームレスだった経験もあるレイナは、「お腹が空いているときでも、夢が私を満たしてくれていた」と言い、シングルファザーだった父親が、彼女をここまで支えてくれたと明かした。そしてレイナは舞台裏インタビューでも、過去の経験についてこうコメント。

"port authority"  photocall   45th deauville american film festival
Francois Durand//Getty Images
「小さいとき、ミックスの私に対して周りは意地悪を言うか、私の力ではどうにもならないことについて批判をしてくるかのどちらかだったんです。モデルを始めたときには、『あなたは女性で、黒人で、トランスジェンダーで、貧乏で、食物連鎖の底辺だ』といつも言われていました」
「でも今では『あなたは美しい女性、美しい黒人女性で、パワフルなトランスジェンダー女性だ』と言われるようになったんです」

『スポーツ・イラストレッド』は、昨年ブラジル出身のトランスジェンダーモデル、ヴァレンティーナ・サンパイオを起用。同誌の編集長であるMJ・デイさんはレイナを選んだ理由をこう語った

「レイナはカメラの前に立ったときから堂々としていました」
「それこそが、どんな女性にも人生で感じて欲しいことなのです。彼女たちのための場所があって、そこにいる権利があるということを」
「レイナを選んだのは象徴としてではなく、美しさ、決意、世界を良くしようという彼女の想いからです」

レイナは選ばれたことの想いを、Instagramでも投稿

「変化と受容につながる出来事に携われることを、とてもラッキーだと感じています。『スポーツ・イラストレイテッド』の水着特集は、私が女性であることをサポートしてくれました。美しくあるだけでなく、パワフルなメッセージが込められた美しさです」

過去には、初のトランスジェンダーモデルとしてランウェイを歩いたり、ファッション誌に登場したりした経験もあるレイナ。そんな彼女の活躍からこれからも目が離せない!