映画『JUNO/ジュノ』や『インセプション』などへの出演で知られ、2020年12月にトランスジェンダーであることを公表、性別適合手術を受けたことも明かした、俳優のエリオット・ペイジ。

これまで、度々LGBTQ+の権利について発信してきたエリオットは、6月6日(現地時間)に発売された回顧録『Pageboy(原題)』の中で、トランスジェンダーの人々の物語を、自身の言葉で伝えました。

これに際して、エリオットは<People誌>に対して次のように語っています。

「今この時代は、LGBTQ+の人々に対する嫌悪感だけでなく、彼らの生活や医療に関する誤った情報や明らかな嘘などであふれています。だからこそ、(回顧録の出版に)ふさわしい時期だと感じました」
「トランスジェンダーやクィアのストーリーは、一部だけが切り取られたり、もっと悪いことには、普遍化されたりする場合もあります」
エリオット・ペイジ
Steve Granitz//Getty Images

2007年に、映画『JUNO/ジュノ』で一躍有名人となったエリオット。ハリウッドスターである自分の体験や境遇が他の多くのトランスジェンダーの人々と同じではないことを認めつつも、「一人のトランスジェンダー男性として、生き生きと活動し、成功をおさめていることの良い例でありたい」と、願っていると言います。

「トランスジェンダーとしての私の人生や経験、そしてこれまでに受けてきた恩恵は、多くのトランスジェンダーの人たちが直面する現実を表しているわけではありません」
「それでも私は、こうやって表現することはとても重要だと思います。私たちの存在がしっかりと示されて、自分自身と向き合うために。これは、私が子どものときにできなかったことです」
エリオット・ペイジ
Getty Images

さらに、トランスジェンダーの人々を取り巻く“現実”についても言及。

「現実では、理不尽な失業やホームレスを強いられているトランスジェンダーの人たちがいます。有色人種のトランス女性が殺害される事件も起きています。医療保険を失い、十分な医療サービスにアクセスすることができない人たちもいるんです」

そしてエリオットも、「自身には有名人としての特権のようなものがあった」としながらも、苦悩を感じさせながら次のように感謝を述べています。

「とても難しい局面もありました。色々な意味でかろうじてやってこれたような感じです。でも今日、私が“私”であり、ここにいて生きているということに感謝して、一歩ずつ歩んでいきたいと思います」

※この翻訳は抄訳です。
Translation:Risa Tsubakihara
Digital Spy UK