「トランス・ライヴズ・マター(トランスジェンダーの命は大切)」――そう訴える100人以上の抗議デモ参加者たちが2月6日(現地時間)、アメリカ南部オクラホマ州の州議会議事堂に集まり、未成年者が性別適合手術を受けることを禁じる法案などへの反対を訴えました。

集まったのは、性的マイノリティの支援団体「オクラホマンズ・フォー・イクオリティ」と「フリーダム・オクラホマ」のメンバーや支持者たち。観光客などが見学に訪れる議事堂のロタンダ(円形の広間)を占拠しました。

SNS上でシェアされた動画には、参加者たちがプラカードを掲げ、「トランス・ライヴズ・マター」と大声で叫ぶ様子などが写っています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

彼らが抗議しているのは、保守派で共和党所属のケヴィン・スティット知事が支持し、すでに州議会に提出されているいくつかの法案。なかにはデヴィッド・ブラード上院議員(共和党)が提出した「ミルストーン法」とも呼ばれる法律の案文(法案)が含まれています。この法案は州内の医師らに対し、26歳未満のトランスジェンダーの住民に性器切除手術を施すことや、手術のためにほかの医師を紹介することなどを禁じる内容です。

2期目の施政方針演説でスティット知事は、若者を対象とした性別適合手術に加え、(多くは可逆性、つまり中止すれば元の状態に戻る)ホルモン治療を批判。法案は州内の若者たちを守るためのものだとして、次のように訴えています。

「未成年者には、投票も、アルコール類の購入も、タバコの購入も認められていません」
「オクラホマ州は、未成年者が性別適合手術を受けることも認めるべきではない」

オクラホマ州はこれまでも、LGBTQ+のコミュニティに不寛容な法律を制定してきました。2022年3月には、トランスジェンダーの女子学生がスポーツチームに入ることが禁止され、10月にはスティット知事が、州最大規模の病院に対し、18歳未満を対象とした性別適合手術を中止しない限り、新型コロナ対策のための財政支援を停止するとした法案を署名・成立させています。

一方、2022年9月には、トランスジェンダーの生徒・学生が校内で自認する性別のトイレを使用することを禁じた法律を巡り、学生グループが州を提訴しています。

From: Harper's BAZAAR JP