年齢を重ねるごとに骨は弱くなっていくけれど、女性は18歳で骨量のピークを迎え、30歳前後まで増え続けるそう。ここでは、骨の強度を上げておくのに最適で、30歳以上の人にとっては成長した骨量の減少を防ぐことに繋がるとっておきのエクササイズをご紹介!
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
【INDEX】
エクササイズの実際の動きを伝授する前に、いくつかのことをおさらいしましょう。
骨量と年齢の関係
よく知られていること①: 年齢を重ねるごとに骨は弱くなっていく
あまり知られていないこと①: 骨は弱くなる前に強くなっていく
女性は18歳(男性は20歳)までに、最大骨量の90%が形成され、その後30歳前後まで増え続けるそう。更年期を迎えると骨量は急激に減少し、その後はゆっくりと減っていくといくとされています。
ニューヨーク州にある病院で整形外科医として働くサブリナ・ストリックランド医師によると、骨の成長のピークを迎える時期(つまり20代の間)に丈夫な骨を作るように心がければ、老後に骨がもろくなったり、折れたり、前屈みの姿勢になったりすることを予防できるそう。30歳を超えていても遅すぎることはなく、十分に成長した骨量の減少を防ぐことができます。
骨に働きかける最良のエクササイズ
よく知られていること②: エクササイズで骨量を増やすことができる
あまり知られていないこと②: 骨量を増やすことが可能なエクササイズにはある一定の基準がある
コロラド大学デンバー校の医学部教授で、運動が骨密度に与える影響について研究しているウェンディ・コート博士によると、骨に働きかける最良のエクサイズと呼べるものは、ある一定の基準を満たしているそう。
それは、骨格に最大限の負荷をかけることができる強度があり、骨量を増やすための信号を細胞に送ることができるダイナミックさもあり、骨格が適応するために必要な独自の要求を満たすエクササイズだとのこと。
骨の強化にはウエイトトレーニングを
よく知られていること③: ウエイトトレーニングは骨の強化に効果的なエクササイズ
あまり知られていないこと③: ケトルベル(筋力トレーニング用の器具。ダンベルの一種)を使うとエクササイズの質がより良くなる
この器具を使うと、コート博士が提示する基準をすべて満たす動きが可能になるそう。なかでも、究極の骨強化トレーニングは「ダブルケトルベル・クリーン&ジャーク」。
国際ケトルベル&フィットネス連盟のディレクターで、ストレングス&コンディショニングの専門家であるスティーブ・コッター氏は、全身で引く動きと押す動きを組み合わせたこのトレーニングを行えば、異なる筋肉群を同時に強化できるといいます。
「クリーン&ジャーク」のうち、「クリーン」では大臀筋(お尻の筋肉)、背中、ハムストリングス、手、「ジャーク」では脚、肩、上腕三頭筋、背中の上部を強化することが叶うそう。
エクササイズの方法
- ケトルベルを2つ用意し、両手に1つずつ持ちます。最初は8ポンド(約3.6キログラム)からスタートし、その後15ポンド(約6.8キログラム)、20ポンド(約9キログラム)と徐々に重いものにしていくのがおすすめ。
- 膝を少し曲げ、腰を後ろに引いて「く」の字にかがみます。このとき背中はまっすぐになるように意識して。ケトルベルは両足の間にぶら下げましょう。
- ケトルベルを両足の間で前後に軽く振り、少し勢いをつけます。
- 流れるような動きで一気に立ち上がり、ケトルベルを前から上に持ち上げ、その後胸の高さまで持ってきます。
- 肘を曲げ、鎖骨の近くで拳を向い合わせにして止めます。
- 膝を少し曲げ、足の付け根から跳ね上がるようにし、同時に両腕を天井に向けて伸ばし、ケトルベルを上に押し上げます*。
- これを10回1セットで行いましょう。コッター氏は3セットから始めて最大5セットまで行うことを推奨しています。各セットの間は1〜2分休むことが大切。
*注:このとき、重いウエイトを持ち上げてから着地すると膝に負担がかかるため、ジャンプをしないようコッター氏はアドバイスします。つま先で押し上げる(かかとが地面から離れる)だけで、ジャンプと同じような効果を得ることができるそうで、多くのバスケットボール選手やバレーボール選手は、ジャンプの高さを向上させるためにこのエクササイズを行っていると言います(ケトルベルを使わない日は、ジャンプスクワットをすると、骨に対する同様の効果が得られるのだとか)。
Translation: Masayo Fukaya