外からは見えないものの、時には違和感や痛みを伴う「鼻の中にできるニキビ」。鼻の穴の中は、毛が生えていることや、肌表面とは違う皮膚構造をしていたり、患部が見えないことでケアが難しいもの。

そこで本記事では、皮膚科医が「鼻の穴の中にできたニキビ」の原因や対処法を解説。正しい知識を身につけて、適切なケアを心がけましょう。


【INDEX】


監修者

  • ネダ・メール医師
    カリフォルニア州ニューポート・ビーチを拠点とする皮膚科医で、オリジナルスキンケアラインDermBxの創設者。
  • ニール・シュルツ医師
    ニューヨーク市を拠点とする皮膚科医でオリジナルスキンケアラインBeautyRxの創設者。
  • シェリーン・イドリス医師
    ニューヨーク市を拠点とする皮膚科医でマウント・サイナイ医科大学でも皮膚科学を教える。

鼻の穴の中にニキビができる原因

鼻の表面の毛穴が詰まるのはよくあることだけれど、それは顔の中でもオイリーな部分だから。イドリス医師は、皮脂の分泌が増えて汚れや皮脂、古い角質で毛穴が詰まると、ニキビや毛穴の黒ずみの原因になっていくのだと言います。

メール医師によると、鼻の穴には、体の他の部分と同様に毛が生えているため、バクテリアが毛穴について、内側に入り込むことでニキビができてしまうそう。

ただし、その引き金になるものは、他の部位とは少し異なり、以下のような誘因が考えられます。

アレルギー

ひっきりなしに鼻をかんだり、こすったりすることで鼻の中にバクテリアが入り込むことがあるとメール医師は解説。そうなると、バクテリアに対して体が免疫反応を示し、炎症、赤み、痛みが生じる場合も。

鼻毛を切る、抜く

鼻毛を引き抜いたり、短く切ったりすると、鼻の中が傷つき、不調を起こすことも。

鼻をほじくる

鼻の穴に指を入れると、爪の中に潜むバクテリアを内部に移す可能性があり、ニキビの原因に。

鼻の穴のニキビの対処法

一般的に、ニキビの治療のために推奨されるのは、サリチル酸や過酸化ベンゾイル、レチノールなどの刺激の強い治療薬。ただし、これらは鼻の外側のニキビには効果的ではあるものの、鼻の穴の内側は皮膚の構造が違うので注意が必要。

鼻の外側には皮膚の最上層に当たる表皮があり、外側からの異物の侵入を防いでいる役割を担っています。しかし鼻の穴の中には、表皮がなく粘膜がむきだしになっているため、通常のニキビ治療薬は避けるようにしましょう。

自分でできる「鼻の穴のニキビ」ケア

もしニキビができてしまった場合は、まずは自宅でできる下記の方法を試してみましょう。

  1. 温湿布を使う
    シュルツ医師によれば「温湿布を使うことで、腫れが軽減する」とのこと。ただし、鼻の穴に布を入れるのは大変なので、綿棒をお湯に浸けたものを活用するのがおすすめ。
  2. 軟膏を塗る
    皮膚の最上層の部分を殺菌するため、市販のバシトラシン(抗生物質の一種)を含む軟膏を1日に3回塗布。
  3. そのままにして様子を見る
    ①と②を終えたら、もう触らないこと。メール医師によると、鼻の穴のニキビは、シンプルかつやさしく扱うことが重要です。

まずは上記の手順にしたがって軟膏を1日に3度、3日間塗ってみて。ニキビが数日間でなくならず、ひどい痛みがあり、それが顔の別の場所にも感じられるとしたら、炎症性の腫れ物になっている可能性が。その場合は、耳鼻咽喉科に行き、治療を受けましょう。

※この翻訳は、抄訳です。
Translation:mayuko akimoto
COSMOPOLITAN US