ここ数年でよく耳にするようになった「ノンコメドジェニック」や「ノンコメド処方」という言葉。他のスキンケア製品と比べてニキビができにくいものに記載されている表示です。ニキビでお悩みの人は目にしたことがあるかもしれません。

今回はノンコメドジェニックについて改めて知るため、基本的な知識から選ぶ際の注意点まで、ウォブ クリニック 中目黒の髙瀬聡子先生に解説してもらいます。おすすめのニキビケアについても伺いました!


【INDEX】


ノンコメドジェニックとは?

髙瀬先生によると、「ノンコメドジェニック」という言葉はニキビができにくく作られていることを意味するそう。

「ニキビの第一段階であるコメド(毛穴に皮脂や角質などが詰まっている状態)を起こしにくくする化粧品を「ノンコメドジェニック」と呼びます。医薬部外品とは別物で、ニキビができにくい化粧品です」

ちなみに、「ハイポコメドジェニック」と表示されている製品も同様に「ニキビができにくい製品」と判断してOKとのこと。「ハイポ」は「低い」を意味し、コメドを発生させる可能性が低いことを示します。

「ノンコメドジェニックテスト済み」アイテムと他のコスメの違い

それでは「ノンコメドジェニックテスト済み」、「ノンコメドジェニック処方」の化粧品と他の製品とでは、何が違うのでしょうか?

  • 油分のバランスを考えて作られている
  • 毛穴に角質が詰まりにくく仕上げられている
「ニキビの原因であるアクネ菌は油分を餌にします。だから、肌が油っぽい状態ではアクネ菌が繁殖しがち」

ニキビでお悩みの人はまず、通常油分が多い乳液やクリームといったアイテムでノンコメドジェニックの製品を試してみるといいかも!

「ノンコメドジェニックテスト済み」と「ノンコメドジェニック処方」違い

「 ノンコメドジェニックテスト済み」と「ノンコメドジェニック処方」は同じものだと思っていた人も多いはず。実はこの二つの表記にも違いがあるのだそう。

『ノンコメドジェニックテスト済み』の表示がある製品は、ニキビができにくいかを実際に人間の肌でテストを行なっています。皮脂腺の多い背中に検査対象になる試験サンプルを貼り、2〜4週間後に角質を拭って、顕微鏡で検査。コメドの組織構造になっているか否かを検査して判断します」
「一方、『ノンコメドジェニック処方』という表記の製品は、コメドができにくい処方というだけでこのようなテストはされていない場合があります」
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Anna Efetova//Getty Images

ノンコメドジェニックを選ぶときの注意点

高瀬先生によると、ノンコメドジェニックのアイテムを選ぶときに覚えておきたいポイントは次の通り。

  • ノンコメドジェニックはニキビを悪化させない、ニキビができづらい製品 。すべての人にニキビができないわけではありません
  • 油分が少ないノンコメドジェニック。目元や口元など乾燥が気になる部分には保湿アイテムを重ね塗りして
  • 肌のターンオーバーは約28日周期。肌の変化を感じるには少なくとも1カ月間のお試しを!
  • 「ノンコメドジェニックテスト済み」と「ノンコメド処方」は違うもの
  • 「ノンコメドジェニック=低刺激」ではない
「よく勘違いされますが、ニキビ対応でも低刺激とは限りませんのでご注意を。低刺激とノンコメドジェニックは別の概念。敏感肌なら、低刺激や敏感肌用などの明記もチェックして選ぶようにしましょう」

おすすめのニキビ予防ケアは?

ニキビ予防としては、コメドを作らないのが有効。つまり、古い角質や不要な皮脂を除去し角質が溜めないことが最優先。髙瀬先生によると、ノンコメドジェニックのアイテムの使用とあわせて、次のようなお手入れがおすすめとのこと。

洗顔の見直し

  • こまめな洗顔
  • メイク汚れをきちんと落とす
  • 定期的なピーリング、クレイ洗顔、酵素洗顔
「拭き取り用のメイク落としアイテムは要注意。メイクが取り切れていないどころか、メイク汚れを毛穴に詰め込んでいることも。ニキビ肌にお悩みなら、まずは洗顔の見直しから!」

ターンオーバーの促進

  • ストレスを溜めない
  • 十分な睡眠をとる
  • 油っぽい食べ物を控える
  • ビタミンB2、B6をとる

コメドができがちという人は、肌のターンオーバーが乱れている可能性が。

「ターンオーバーが乱れると、皮脂や角質が毛穴に詰まってコメドになります」

健康的なターンオーバーを促進するためには基本が大切! ターンオーバーは年齢により徐々に遅れてくるものなので、年を重ねるごとに注意が必要になってくるとのこと。

混合肌にはピンポイントのケアを

コロナ禍のマスク生活でニキビが増えたという方も多いはず。

「マスクに隠れているところだけニキビができるとか、頰は乾燥するけれど口にニキビができる人は、ニキビの部分だけにピーリングをプラスしてみて」
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Iryna Veklich//Getty Images

ニキビ予防で覚えておきたい4つのこと

また、ノンコメドジェニックコスメを取り入れることにプラスし、次の4つのことを心掛けることでより効果的にニキビを予防することができます。

  • クリーム・乳液はニキビの上を避ける

油分はニキビ菌の餌。油分の多いクリームや乳液はニキビに塗らないように注意しましょう。赤ニキビが多く、ニキビを避けて塗るのが難しい場合は、ノンコメドジェニックの化粧品を使って。

  • 生理前にニキビが悪化しやすいなら、予定日1週間前からノンコメドジェニックを

排卵直後から分泌量が増えるホルモン「プロゲステロン」の作用で、皮脂の量が増えたり、毛穴が詰まりやすくなったりしてニキビができやすくなります。コメドが炎症を起こし赤ニキビに成長する可能性もあるので、ニキビの悪化を防ぐためにノンコメドジェニックを使うのもひとつの手!

  • メイクキープスプレーはコメドやニキビができやすい!

メイク崩れを防ぐためにピタッとカバーする分、毛穴を埋めてしまう可能性が高く、コメドやニキビが悪化する可能性が。 使う場合は、寝る前にメイクをしっかり落として。ノンコメドジェニックアイテムを取り入れるのもおすすめ。

  • ニキビの集中ケアにはピーリング!

ノンコメドジェニックでのお手入れはデイリーケア。ニキビができしまったとき、即効性を求めるならピーリングが◎。ニキビ予防として取り入れるのもおすすめ。


ニキビができるまでのプロセスを知れば、対策もとりやすくなります。ノンコメドジェニック 化粧品を上手に使ってニキビトラブルと向き合ってみてくださいね。

今回お話を伺ったのは…

ウォブクリニック中目黒 総院長
皮膚科医・美容皮膚科医 髙瀬聡子先生

 
髙瀬聡子医師

ウォブクリニック中目黒
Tel. 0120-411-281