結婚したら、しばらくは夫と2人の夫婦生活を楽しんで、環境が整ったら妊活して…という理想を抱く人は多いはず。でも、予想外に早く子どもができたら? 

今回お届けするのは、コスモポリタン アメリカ版に寄せられた、「結婚して1カ月で妊娠した女性」のエピソード。結婚してすぐに子どもができるって、どんな感じ…?。

真実の愛とは、わざわざ私の大好きなスパイシーチキンサンドイッチを買いに車を出してくれた夫が、それを私が食べた直後に車内で吐いてしまっても片付けてくれる姿なのだ…と知りました。

「結婚したばかりの頃、トイレで用を足す音を夫に聞かれるのがイヤでした。

バカげてると思われるかもしれないけど、宗教的な理由もあり、結婚前に同棲はしていなかったので、結婚した最初の1週目、コーヒーショップの真上に位置する小さなワンルームアパートで、夫に聞こえないように静かにトイレで用を足そうと必死だった(結局彼には聞こえてたけど)頃のことを、今でも鮮明に覚えています。

その1カ月後、私は妊娠しました。

状況は一転、私は吐きまくっていました。あるとき、あまりに激しい吐き気のせいで体を抑制しきれず、下着にそのまま漏らしてしまったことがあります。夫と2人で顔を見合わせ、爆笑しました。それ以降、もう隠すことは何ひとつなくなりました。

多くの同世代のカップルと違い、私たちは"2人きりの生活期をすっ飛ばして、"子作り期"に突入してしまいました。大家族を作りたいとは思っていたので、あまり長くは待ちたくなかったのも正直なところでした。しかし、妊娠が結婚生活にどれほどの影響をもたらすのか、私たちはその頃知る由もありませんでした。

私は妊娠中のつわりがひどく、常に嘔吐を繰り返していました。それは"軽い腹痛"どころではなく、1日7回も吐くほどの気持ち悪さで、毎週病院へ通い、水分やミネラル補給を目的とする栄養ドリンク中心の食生活を余儀なくされました。低血糖とカリウム不足により、救急にも2度運ばれました。夜中何度も目が覚めては『もう耐えられない…この宇宙人を早く私の体内から出して!』と泣き叫ぶ日々でした。

20代半ばの友だちの多くは、こんな道を辿っていませんでした。ほとんどは結婚してから数年くらい夜遊びを楽しんだり、旅行に出かけたり、1人でゆっくり時間を過ごしたり…。それに比べると、私の場合は心身ともに大きなチャレンジではありましたが、今ではこの道を与えられてよかったと思います。

真実の愛とは、わざわざ私の大好きなスパイシーチキンサンドイッチを買いに車を出してくれた夫が、それを私が食べた直後に車内で吐いてしまっても片付けてくれる姿なのだ…と知りました。

結婚式の定番の誓いの言葉である「病めるときも、健やかなるときも」という約束を、私たちは真剣に受け止めました。確かに、新婚1年目くらいはもう少し旅行したりしたかったかな、とは思いますが、その1年目こそが私たちの愛が試されたときでした。

結婚に何を求め、どう向き合っていくのかを明確にさせなければなりませんでした。もともと私たちは結婚を甘くてロマンチックなものとは捉えていなかったので、それは良い点だったなと思っています。夜中の病院搬送、突然の体調不良による予定のキャンセル、クラッカーだけの夕食などはざらで、みんなの思い描くようなロマンチックな新婚期とはほど遠いものでした。でも結果的に、この破天荒な1年は、私たちを本当にいい意味で鍛えてくれたと感じます。ツラいときを乗り越えて夫婦としての強く揺るぎない基盤ができました。夫は妊娠初日から、常にそばで誰よりも力強く私を支えてくれ、これからもそういう存在でいてくれることを確信しました。

もちろん、果たせなかった願いもあります。友だちがみんな新婚でマイホームを買っている頃、私たちは子どもの教育費の貯蓄を開始し、新しいベビーカーに投資していました。友だちとの旅行もキャンセルしなければなりませんでした。でも、後悔はありません。小さな犠牲もすべて、得たものに比べれば大したことではありませんでした。

私たちはみな、テイラー・スイフトの歌詞に憧れを抱き、きれいなインスタグラム写真に見とれて恋物語を描きます。でも、恋や愛は決して、いつもハッピーなことばかりではないし、こと結婚においては言うまでもありません。私たちにとって結婚とは、トイレットペーパーや洗剤が切れてドラッグストアに走るということ。妊娠中で眠れないということ、つわりによる嘔吐がツラいということ。そして夫が100万杯目のお水をグラスに注いで持ってきてくれるということなんです。

確かに、我が家はあらゆることを全部すっ飛ばして赤ちゃんが生まれてしまったかもしれません。でもそれでも"ハネムーンシーズン"はあったんじゃないかな、と思います。私たちのロマンチックな夜はパリ…ではなく、Netflixとタムズ(胸焼け用の胃薬)と一緒に自宅で過ごすというものでしたけどね。

もし赤ちゃんがすぐに欲しいと思っているカップルがいるのなら、私たちからのアドバイスはこれです。決して楽な道ではないし、吐きながら下着に漏らしてしまうこともあるかもしれません。でもそれらはすべて、夫婦の絆をより強くしてくれる時間となるでしょう」

この翻訳は、抄訳です。

Translation名和友梨香

COSMOPOLITAN US