好きな人とのセックスは、心もカラダも満たされるし、毎日の生活に潤いを与えてくれるものだけど、実は病気と隣り合わせでもあるのです。セックスを楽しむために、女性が知っておきたいことを、婦人科医の松村圭子先生に伺いました。

1.セックスが原因で起こる病気がある

「子宮頸がんという病名を、一度は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。子宮頸がんは性交渉によって感染する、HPVというウイルスが原因です。数あるがんの中でも、唯一、若い世代に多いがんです。ただHPVは、ごくありふれているウイルスで、一生のうちに、ほとんどの女性は一度は感染するといわれています。定期的な検診を受けていたら、前がん病変の段階で発見ができます。子宮頸がんの初期は、症状が出ないことがほとんどなので、定期的に性交渉をしている、していないに関わらず、検診を受けることをおすすめします」

2.性病にかかるリスクがある

「クラミジアや淋病、性器ヘルペスなど、10数種類の性病が存在します。2015年には、ディープキスやオーラルセックスでも感染する梅毒が、20代女性の間で急増したというデータがありますし、近年、中高年層では、AIDSが増えているのです。経験人数が少ない、決まったパートナーとしかしていないから大丈夫とは思わず、きちんと検査をしましょう。パートナーが変わったら、一緒に検診を受けるのがベストですが、まずは、パートナーと一緒に性病についての知識を高めていきましょう」

3.膀胱炎に要注意!

「性交渉と膀胱炎は、一見、関係性がないように思うかもしれませんが、実は、性交渉をするたびに膀胱炎にかかる人もいるのです。性交渉によって膀胱に菌が入って繁栄してしまうのですが、性交渉前後に排尿をしておくと、感染のリスクは低くなります。以前、膀胱炎にかかったことがある人は気を付けてください」


松村圭子先生

婦人科・トータルエイジングケアの「成城松村クリニック」の院長。『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など、著書多数。http://seijo-keikoclub.com/