アメリカのテネシー州ナッシュビル在住のサラ・シャープさんは、2018年に第一子を出産。それから9カ月後、1カ月以上続く生理があったそう。

いくつもの検査の結果、サラさんは絨毛がん(胎盤を構成する絨毛を発生母地とする悪性腫瘍)という珍しいがんであると診断された。

病院に行く前に行った妊娠検査薬では陽性だったため、流産かもしれないと思っていたと話す、アーティストで建築デザイナーのサラさん。

「診断で世界が揺らぎました。はじめに思ったのは生き抜くこと、治療を乗り越えることでした」

今後も子どもが欲しいと考えていたサラさんは、子宮を守りながらがんと闘う方法を探ることに。化学療法を6カ月行い、2018年12月に「寛解した」したと医師に告げられたものの、1月に再発し、子宮摘出手術をせざるを得なくなった。

幸い手術により、今では寛解しているものの、サラさんは子どもを産むことはできなくなってしまったという。

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サラさんの双子の姉で栄養士のキャシーさんは、サラさんががんと闘う姿をずっとそばで見ており、サラさんの子どもを自分が産んでもいいと何度も提案していたのだそう。サラさんにとって、この言葉が支えだったという。

「キャシーが『あなたの赤ちゃんを産むよ』と言ってくれました。みんなは笑いましたが、私の頭の中には残っていました。精神的に前に進むための助けになったんです。将来への希望と感謝でした」

キャシーさん自身も、6歳の娘と3歳の息子を持つ母親。サラさんをサポートすることに抵抗はなかったという。

その後何度も話し合いを重ね、キャシーさんは代理母となることに。体外受精の準備にあたり、化学療法も経験しているサラさんの卵子の状態に懸念はあったものの、幸い問題はなかったそう。現在妊娠中であるキャシーさんは、現状をこう話す。

「妊娠のはじめから、少し違った感じがしました。自分の息子ではなく、甥っ子を産むので。どのステップも素晴らしいものでした。人には『私は甥っ子を妊娠してるんです』と伝えています」
「嬉しい理由のために医師に会えるのは、私たち全員にとって癒しでした。妊娠は順調なので、いいことばかりを吸収できています」

サラさんも、キャシーさんが妊娠したことへの想いをこう話した。

「彼の両親になれること、彼を育てることができることを光栄に思います。たくさんの愛によって彼がいます」

現在二人はポッドキャスト番組「Talk to Me Sister」を始め、女性の健康などについて、自分たちの経験を通じて話している。今回の出来事を通して二人の仲はより深いものになったと語り、サラさんはここまでの道のりをこう話した。

「キャシーは過去には流産を経験しています。もしキャシーと話していなかったら、医師の診察を受けていたかわかりません」
「この経験で学んだのは、少しでも違和感があるなら注意することです。体が何かおかしいと教えてくれているからです」

出産当日は、キャシーさんの夫とサラさん、サラさんの夫も分娩室に同席するそうで、8月に生まれる予定。生まれてくる赤ちゃんは、これからも多くの人に愛されるはず。