ロサンゼルス在住のベネット・カスパーウィリアムズさんは出生時は女性、そしてレズビアンとして人生の大半を歩んできた。けれどあるとき、自身がトランスジェンダーだと気が付き、性別適合手術を受けることに。


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ベネットさんは幼い頃は、性別の差はあまり感じなかったものの、思春期にブラが必要になり、自分は他の男の子や女の子とは違うということに気づいたそう。

そして中学生のときは男の子や女の子両方と付き合い、18歳からは女性だけと付き合うように。この決断について、ベネットさんはこう説明。

「年を重ねるにつれて、自分がどう見えるかで、どんな人と付き合えるか限定されていく気がしました」
「だんだんと自分が男っぽく見えるようになったのもあって、女性の男役みたいだったんです。男性にもなんとなく興味はあったけれど、行動には移しませんでした」

20代になり、LGBTQ+コミュニティにさらに関わるようになったベネットさん。そこで、自分の視野が広がったそう。

「私はずっと、男っぽい女性として、自分を表現するのにはレズビアンでいるしかないと思っていたんです。だからいろんなジェンダーの形があると知って、世界が広がりました」
「私の場合、性別適合手術をした方が幸せになれるのかもしれないと、ずっと興味を持っていたんですが、すぐには行動しませんでした」

30歳になったとき、ベネットさんはついに性を変えることを検討し始めたそう。2014年7月、ついに国家試験に合格して弁護士になったとき、手術を決意。同じ年の 8月から男性ホルモン注射を開始し、2015年の夏には、5,000ドル(約53万円)かけて、胸の手術を行ったそう。 生殖器については違和感を感じないことから、今後も手術するつもりはないという。

手術直後は女性と付き合っていたものの、その後男性と付き合いたいと思うように。パートナーを探すとき、自分がトランスジェンダーであることを説明すると、反応は2通りだったのだとか。

「トランスジェンダーであることを受け入れてくれる人もいて、付き合った経験がある人もいました。半分ぐらいの人は、アイディア自体にはポジティブだったけど、学ぶのが必要という感じでした」

「中には少数ながらも失礼な人もいて、生殖器がどうなっているか聞いてくる人もいました」

そして2017年夏、マッチングアプリでインテリアデザイナーのマリクさんと出会い、11月から真剣に交際。2018年のクリスマス、ベネットさんの家族の前で、マリクさんからベネットさんへプロポーズ! そして2019年5月に2人は結婚。そこからベネットさんは男性ホルモン注射をやめ、妊娠する可能性を高めようと決意。

「私たちは家族について話し合いました。お互いに、子どもが欲しいと思っていたんです。だけど、手術をした私が子どもを授かることができるのかわかりませんでした」

男性ホルモン注射をやめた数ヶ月後には、月経は通常に戻り、去年のクリスマスから妊活をスタート。そして2ヶ月後には妊娠が発覚!

「子どもが産まれたら、そのジェンダーの代名詞を使うようにしますが、それに縛られる必要はないことは、きちんと教えます」

海の生き物のタツノオトシゴは、オスが出産することから、自分を“タツノオトシゴ パパ”と呼ぶベネットさん。予定日は今年の11月、妊娠は今のところ順調でInstagramで状況を日々アップデート!

「反応はとてもポジティブなものばかりです。私は『タツノオトシゴ パパ』という単語を使って、他のトランスジェンダーの人に見つけてもらいやすいようにしているんです。そしてみんな自分の家族を持てるっていうことがわかるように」

2人目の子どももすでに考え中で、それまでホルモン注射は中断することを検討中なのだとか。新しい家族の形を、私たちに教えてくれたベネットさん。その姿に、多くの人々は勇気をもらえるはず。今から出産が楽しみですね。