2023年10月、7万6千人以上のTikTokフォロワーをもつキミーさん(@kimmystyled)が、米LCCのサウスウエスト航空の飛行機に搭乗する様子を映した動画を投稿。

これをきっかけに、プラスサイズの利用客が追加料金なしで2席分を確保できるという同社の「カスタマー・オブ・サイズ・ポリシー(Customer of size policy)」が注目を集めています。

実際に利用した動画が90万回再生!

投稿した動画の説明欄で、サウスウエスト航空が適用しているポリシーについて「サウスウエスト航空は、満席でも追加料金なしで2席用意してくれる唯一の航空会社」と説明したキミーさん。

動画内では、搭乗前にスタッフにポリシーのことを伝えたキミーさんが、2席分のチケットを用意してもらい飛行機へ乗り込む姿が映し出されました。

これはtiktokの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

30年以上前から存在したポリシー

サウスウエスト航空によると、このポリシーは30年以上前からあるもので、仕組みとしては、乗客は事前に追加で座席を購入し、目的地に到着した後に追加した座席料金の払い戻しを受けられるというもの。事前に追加で席を購入しなかった場合でも、キミーさんのように出発ゲートにいる係員に相談をすれば、無料で追加座席を用意してくれることもあるんだそう。

サウスウエスト航空は、事前に追加分の席を購入することについて公式サイトで次のように説明しています。

「事前に2席分購入していただくことで、空席状況の把握が可能となり、オーバーブッキング(定員以上の予約を受け付けること)を防ぐのに役立ちます。また、空港で係員から声をかけられたり、座席について係員と話したりしたくない方も、事前に追加分の席を予約することを勧めます。このポリシーが適用されたお客さまには、搭乗予定の便がオーバーブッキングであっても、追加購入した座席料金をすべて払い戻しいたします」

2席以上の座席を必要とする利用客のニーズに応え、乗客の快適性と安全性を守るために、30年以上にわたってこのポリシーを設けている」と説明するサウスウエスト航空は、<ABC News>に「これは常に私たちが大切にしているポリシーであり、それは今も変わらない」と述べました。

southwest airlines boarding
Smith Collection/Gado//Getty Images

利用者の声

TikTokに動画を投稿したキミーさんは、「飛行機は公共の交通機関であり、誰もが快適に利用できるべきだ」と話し、サウスウエスト航空が掲げる方針を称賛しました。

「私はサウスウエスト航空が、プラスサイズの乗客に尊厳をもって搭乗してもらおうと、公平で人道的なポリシーを設けていることに拍手を送りたいです。(中略)背の高い人や妊娠中の人も含め、全ての人のために座席はもっと広くあるべきです」

またコメント欄のなかには、「こちらから何も言わなくても、係員から追加座席分のチケットを手渡された」という人も。ほかにも、「スタッフに尋ねづらいから、自分が2席必要であることに気づいてくれるとありがたい」というコメントも見られました。

さらに、このポリシーを「知らなかった」という人たちも多数。「教えてくれてありがとう」と、キミーさんの動画に感謝する人たちが相次ぎました。