実はとても庶民的だという、意外な一面も!
7月17日に66歳の誕生日を迎えた、ドイツのアンゲラ・メルケル首相。ドイツ初の女性首相として、外交・内政の危機を抜群の安定感で乗り越えた。コロナ禍でもその手腕を大いに発揮し、国内外から注目が集まる中、彼女についてもう一度知っておきたいあれこれを「Hearst Contents Hub」がプレイバック!
1954年7月17日、ハンブルクで生まれる。ポーランド系ドイツ人で牧師の父が東ドイツの教会に赴任することになり、生後数週間の時に家族で東ドイツに移住。母親はラテン語と英語の教師。
小さい頃から成績優秀だったアンゲラは、1973年にドイツ最古の大学である名門ライプツィヒ大に入学。物理学を専攻し、博士号を取得した。卒業後は東ベルリンにある科学アカデミーに就職し、理論物理学を研究した。
壁が崩壊した1989年11月9日、東ドイツに暮らす35歳の物理学者だったアンゲラは、消えゆく祖国と新しい国家体制の構築を目の当たりに。
翌年12月、アンゲラは新政党「Demokratischer Aufbruch(デモクラシーの勃興=DA)」へ入党し、政治家としての一歩を踏み出した。2005年にはドイツ初の女性首相として就任し、現在4期目。
学生時代の1977年、同じ学部だった物理学者ウルリッヒ・メルケルと結婚するも1981年に離婚。
1998年には、アンゲラが科学アカデミーに就職した際の同僚だった量子化学者ヨアヒム・ザウアーと再婚同士で結婚。「ファースト・ジェントルマン」として、サミットや国際会議に帯同し、メルケルを支えている。
意外にも犬が大嫌いなアンゲラ。1995年に隣人の飼い犬に襲われて負傷したことが、トラウマとなっているという。2007年1月にロシア・ソチの別荘でプーチン大統領と会談した際、愛犬家のプーチン氏が飼い犬のラブラドル犬「コニー」を連れて登場し、本当に嫌がる表情を見せたアンゲラ。
その様子から、プーチン氏が“嫌がらせ”したとして波紋(?)を呼び、のちにプーチン氏が謝罪。
欧州選手権やワールド・カップで、「12人目のドイツ代表」と呼ばれるほど熱心なサッカーファン。好きすぎるあまり、ドイツ代表の試合をわざわざ現地に行って観戦し、批判を浴びたことも。
オペラ鑑賞は夫との共通の趣味で、ドレスアップして仲良く鑑賞する姿がしばしばキャッチされている。そのため自らの政策にも芸術、文化を重要視する姿勢が見られる。
2015年、紛争など政治情勢の悪化を背景に、北アフリカや中東から大量の難民がEU加盟国に押し寄せた。多くの加盟国が難民流入に拒否反応を示す中、アンゲラは人道的理由から大規模な受け入れを表明。
その後、100万人を超える難民が津波のように押し寄せ、次第に治安などが悪化するようになると批判を浴びるように。受け入れ賛成派と反対派でドイツの分断を生み、結果的に受け入れ制限への舵切りを余儀なくされた。
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、ドイツでは2020年5月までに7,792人が新型コロナによって亡くなっているが(政府発表)、フランス(26,380人=同)、イタリア(26,644人=同)、スペイン(27,709人=同)と比べれば格段に少なく、医療崩壊を食い止めた。
迅速にロックダウンと検査の徹底を行い、隣国と連携、協力しながら危機的状況を乗り切った。テレビ演説などで見せる国民に寄り添う姿勢やその危機対応能力が評価を得て、支持率も急上昇した。
アンゲラは華やかなものや豪華な生活を好まず、休暇も自然の中で過ごすことが多い。家庭では好んでキッチンに立ち、スープなどの鍋料理やローラーデン(ドイツの薄切り牛肉のロール煮)を作るのだそう。
日常のオフの姿も度々キャッチされており、首相である現在もスーパーマーケットで一人でお買い物!
ソ連軍が駐留していた東ドイツ生まれのアンゲラは、学校でロシア語を学び、全国大会で優勝するほどのレベルに。
英語やフランス語も自ら勉強し、流ちょうに話すことができる。プーチン大統領ともロシア語で会話。
アンゲラは各国・地域の首脳らと積極的に会談し、語学力を生かして1対1で話し込むことも。その様子はInstagramでチェックできる。
残念ながら、2021年に政界引退の意向を示しているけれど、ラストスパートに入ったアンゲラの姿を最後まで応援したい!
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