ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、およそ1週間。世界はこの戦争がウクライナとその罪のない市民にもたらした衝撃的な現実を、恐怖をもって目の当たりにしている。

多くの人はこうした状況に、どうしようもない無力感を持っている。ただ、そうしたなかでも、世界中のファッション関連の企業やブランドの間では、影響を受けたウクライナの人々のためにそれぞれができることをしようと、動きが広がり始めている。

変化を起こそうと行動し始めたのは、ファッションデザイナーや高級ブランド、それらを傘下に持つコングロマリットなど。たとえば、グッチ、アレキサンダー・マックイーン、バレンシアガ、ボッテガ・ヴェネタ、サンローランなどを擁するケリングは、次のように発表している。

「ウクライナからの難民に支援物資を届け、必要なサポートを行うための人道支援活動に貢献するため、ケリングは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に多額の寄付を行います。私たちは、この紛争が平和的に解決されることを願っています」
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ケリングのフランソワ=アンリ・ピノー会長兼CEOは、『WWD』誌の取材に対し、傘下の各ブランドはそれぞれ個別に活動を行い、異なる国際組織に寄付を行う予定だと明らかにしている。

バレンシアガはすでに、Instagramのアカウントをウクライナへのサポートを表明するのみの使用に限定している。

「私たちは、平和のために戦います。ウクライナ難民への人道的支援をサポートするために、国連世界食糧計画(国連WFP)に寄付を行いました。ウクライナの状況に関する情報を伝えるためのプラットフォームを、数日中に開設します」と投稿。フォロワーたちにも寄付を呼びかけている。

グッチもまた、女性をサポートするために設立した「チャイム・フォー・チェンジ」を通じて、UNHCRに50万ドル(約5800万円)を寄付している。

一方、ディーゼル、メゾン マルジェラ、ヴィクター&ロルフ、アミリ、マルニ、ジル・サンダーなどのブランドを傘下に持つOTBが創設した非営利団体、「オンリー・ザ・ブレイブ基金」と、ミラノ・ファッション・ウィークを主催するイタリアファッション評議会も、UNHCRに協力し、住む場所を失ったウクライナの人々をサポートしている。

そのほかナイキやナヌーシュカなどのブランドや、ファッション通販サイトのネッタポルテをはじめとする小売業者が、ロシアでの販売を停止しようと動き始めている。

これは、ウクライナ版『ヴォーグ』誌(ヴォーグUA)が、各国がロシアに対する経済制裁の実施を決めたものの、今のところ高級品の取引は対象に含まれていないとして、Instagramで次のように呼びかけていたことに端を発している。

「ロシア連邦のかつてないような軍事侵攻と、ウクライナで深刻化する人道危機を受け、ヴォーグUAは国際的なファッション・高級品のコングロマリットと関連企業すべてに対し、侵略国の市場との協力的な関係を直ちに中断することを求めます」

また、アンナ オクトーバーやスリーパー、イエンキイエンキ 、ソフィア・クバシャなどのウクライナのブランドのデザイナーたちの多くは、現地から情報やリソースを共有するための努力を続けている。

※この翻訳は抄訳です。
Translation:Hearst Contents Hub

From: Harper's BAZAAR JP