「COP26」についてSNSで注意深くフォローしている人にとっても、ただ何となく見聞きしているという人にとっても、「気候変動」は気が遠くなるようなものに感じられる問題かもしれない。

だからこそ、現在イギリスで開催中のCOP26について、それがどういうものなのか、誰が出席する会議なのか、なぜこの会議が重要なのかについて、確認しておきたい。

COP26とは?

COP26は、国連(UN)が主催するイベント。各国のリーダーたちが集まり、気候変動の問題への取り組みについて話し合う。

「COP」は、「(条約に批准または加入した)締約国会議(Conference of the Parties)」の略で、1994年に発効した「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC:United Nations Framework Convention on Climate Change)」の締約国のリーダーが参加する。1994年以来、25回のCOPサミットが開催されており、今年は「COP26」となる。

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Chris Jackson//Getty Images
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と話すウィリアム王子

COP26はなぜ重要?

石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の使用による二酸化炭素(CO2)の排出で世界の気温が年々上昇するなか、海氷が融解することによる海面の上昇が続いている。この問題について議論することは、もはや避けられない状況。

実際に、私たちはすでに、かつてないレベルで多発する熱波や森林火災、洪水などの形で、「異常気象」という気候変動がもたらした影響を目の当たりにしている。

特にここ10年間は、​​記録が残されるようになって以来、最も気温が高くなっている。科学者や専門家たちは、この問題に迅速に対応しなければ、「地球は修復不可能な状態になる」と警告してきた。

誰が出席?

COP26はイギリスのグラスゴーで10月31日から11月12日まで開催され、世界各国のリーダー100人以上が参加する予定となっている。

世界で最も人口の多い国であり、最も多くCO2を排出している国である中国の習近平国家主席が出席していないこと(オンラインで出席の可能性はある)は、注目すべきことのひとつ。

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DANIEL LEAL-OLIVAS//Getty Images

リーダーたちは何を約束?

2019年に行われた前回のCOPサミットでは、各国のリーダーたちはCO2排出量を削減することで合意。そのための具体的な方法を、今回のグラスゴーでのサミットまでに明確に打ち出すことを約束していた。

これまでのところ、100カ国以上が2030年までに森林破壊を止めるとの宣言に署名している。ただ、専門家たちはこれを歓迎しているものの、2014年のCOPサミットでも同じような約束がされていた一方、ほとんど進展はみられていないとして、懸念も表明している。

そのほか40カ国以上が、2030年までに世界中の誰もが手頃な価格でクリーンテクノロジー(グリーンテクノロジー)を利用できるようにすることを約束。

また、多くの国は世界の気温上昇を1.5℃未満にするため、2050年までのCO2排出量を実質ゼロとすることを目標に掲げることで合意。イギリスのボリス・ジョンソン首相は、この目標が「生死を分ける」違いを生むものになると警告している。

さらに、各国はアメリカと欧州連合(EU)の主導のもと、メタンガスの排出量削減に向けて取り組むことでも合意している。メタンガスは、主に化石燃料の抽出と畜産業によって排出される強力な温室効果ガス。

この目標を実現するための方法のひとつとして挙げられているのが、私たちが「肉や乳製品の摂取量を減らすこと」。国連食糧農業機関(FAO)によると、人為的に排出されている温室効果ガスの約14.5%は、畜産に由来しているとのこと。

From COSMOPOLITAN UK