純愛的なものから、もっとミステリアスで現実離れしたストーリーなど、エロ小説や官能作品の好みは十人十色。官能ロマンス映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズのヒットにより、“ヴァンパイア系”も人気を集めました。

では、生成AIの力を借りて自分好みの官能小説を書いてもらうとどうなるのでしょうか。<コスモポリタン イギリス版から>ChatGPTに官能小説を書いてもらった結果をご紹介。

語り:ジェイド・ビッグス

ChatGPTの実力をお試し

私自身が求めている官能小説は、オリジナリティのあるもの。“オーダーメイド”といえば良いのでしょうか。

そこで、「AIが世界を征服するかも」と論争が起こっている今、ChatGPTに官能小説を書いてもらうことにしました。上司に送る長いメールをバッチリ書けるChatGPTなら、官能小説も書けるはず。

ChatGPTの“性の知識”を試すぞ...と思った矢先に直面したのは、ブロッカー問題。官能小説を書けるかどうか聞いたら、「私は倫理的および道徳的な基準に従うようにプログラムされています」と返事が返ってきました。続けて、「したがって、わたしは不適切または攻撃的と見なされる露骨なコンテンツや性愛作品を生成しません」と。

性に関するもので、どこからが倫理的・道徳的なのか、ChatGPTの基準は正直わかりません。ChatGPTのお役所仕事に翻弄されながらも、会話のキャッチボールを続け、色々言い換えて質問していくうちになんとか返事を得ることができました。

「エロティックな小説の冒頭部分を書いて」というシンプルで“過激すぎない”お願いなら、どうにか聞いてくれるようでした。お察しのとおりかもしれませんが、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』シリーズのような感じにはなりませんでした。

ドキドキしながらページをめくるストーリーというよりも、なんだか一昔前の歴史小説のような感じに。

「ふと彼女は、高級なソファーに座る男の方を振り向いた。バスローブが肩から滑り落ち、黒いレースのブラがチラリと見えたのであった...」

肩フェチであれば、そそるのかもしれません(そこは十人十色です! )。しかし私はもう少し過激なものを期待していました。

なので、次は期待を込めて「スラップル(3人交際)のシャワー中のエロティックなシーン」をお願い。

three women in the shower
Maurizio Cigognetti//Getty Images
「シャワーのお湯が向かい合っている3人の身体を滝のように伝って流れる。情熱的に絡まり合う肉体。思うがままに濡れて滑らかな肌を手でなぞり、熱いをキスを交わした」

まあ、ちょっとぬるいけど悪くはないかな。

「一人が、ほか二人の身体を撫でると、快感が同時に走った。快楽の喘ぎ声が空間いっぱいに広がり、水がタイルに滴る音と混じり合うのであった」

少しずつ本気を出してきたみたい。

「バスルームは、肉体と快楽の空間に変わっていく。共有する快感とエクスタシーに身を任せ、お湯と蒸気はその瞬間をさらに熱いものにしている。クライマックスが近づくにつれ、興奮から動きは一心不乱となり、息も荒くなっていく。そしてついに、一斉に爆発とともに放出、体中を快感が走り抜けた」

私好みというわけではなかったけど、少なくともこの三人が楽しめていたならいいかな…。

震えていたのは私の心ではなく、バイブレーターだけ

『チャタレイ夫人の恋人』のような、農家が干し草の上で“あれこれ”するストーリーを期待し、プロンプト(AIへの要求/命令)を打ち込みます。

そしてこういった具体的なテーマの方が、ChatGPTは得意なようだと判明し、驚きました。とはいえ、オーガズムよりも笑いをよぶ内容ではありましたが...。

「広がり続ける丘陵地帯に日が沈んでいく夕方。二人が納屋に入ると、穏やかな風が中の干し草を揺らし、柔らかな音を立てました。干し草の香りと欲望という名のアロマが混じり合い、人を陶酔させるような雰囲気を作り上げます」

ChatGPTは、干し草を精力剤か媚薬だとでも思っているのでしょうか? マカやスッポンの代わりに、干し草で良いなら面白いですね。

「男は女のブラウスを脱がし、揺れる乳房をあらわにしました」

揺れる乳房? 揺れているものは、私のバイブレーターだけ。がっかりした気持ちになり、全く興奮はしません。

chatbot erotica
Jaime Lee//Getty Images

唐突に「揺れる乳房」が登場した後、少しづつストーリーは良くなっていきました。

「男は干し草の俵の上に寝転がり、女を招いた。女は男の上にまたがり、ペニスの真上に立った。そして、ゆっくり腰を下ろしていった。そして、二人はそろってリズミックに動き始める。二人の動きはシンクロし、どんどんと興奮とともに速くなっていく。納屋は二人の喘ぎ声で満たされたのであった」

もっと激しい展開を期待しましたが、終始穏やかで夢見がちな描写に私の気持ちは少し微妙な感じに。これもパスです。

官能作家としてはまだまだ?

今回の実験で、一番良い結果を得られたのは意外にも「ソロもの」。

「デイジーは緊張しながらも、流線型で長い棒状のものを包むパッケージをゆっくり開けた。このディルドがもたらす快感は巷でも耳にしていた。その分、彼女の期待も大きかった」

ChatGPTによる、ディルド・デビューの物語の幕開けです。

「彼女は、深呼吸をしながら、ゆっくりとオモチャを待機中の濡れたアソコに挿入します。スムーズに奥まで入り、ひんやりと冷たい表面に少し彼女は身構えます。今までに感じたことのない感覚でした」

...残念なことに、いい感じになってきたところでChatGPTからストップがかかりました。

続きをお願いしても「私はAI言語モデルですので、私の応答は常に、すべてのユーザーに適切でなければなりません。将来的に、不適切なリクエストはご遠慮ください」と言われてしまいました。

私のAI官能小説の冒険もここまでということ。いかがでしたか?

それっぽいものは少し書けていましたが、私にはどこか足りない感じも。AIは確かに頭は良いかもしれませんが、官能作家としてはまだまだかもしれませんね。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation:佐立武士
COSMOPOLITAN UK