故ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚は以前から、「おとぎ話のようなものではなかった」と報じられてきた。だが、実際にはそれどころの話ではなかったという。

王室専門家のエリザベス・ホームズ氏によれば、ダイアナ元妃にはハネムーンの時期さえなかったとのこと。

「ダイアナ妃は数多くの(箇条書きにした項目の)ボックスにチェックを入れ、王室に入ったのです」と語るホームズ氏は、関係が破綻するまでの出来事が広く伝えられている皇太子夫妻の結婚は、「まるで(ビジネス上の)取引のようなものだった」と指摘している。

夫妻は、1981年7月に結婚。だが、夫婦関係の亀裂はかなり早い時期に明らかになった。2人はその後、1992年に別居。ただ、王室の伝統に逆らう離婚が正式に成立するには、それから4年という時間(そして、夫妻のどちらにも不貞行為があったことが暴露されること)が必要だった。

charles and diana canada tour
Tim Graham//Getty Images

チャールズ皇太子とダイアナ元妃の関係は長年、いやというほど分析されてきた。そしてそれらのほとんどが、同じ結論を導き出している――それは、「婚約当時32歳だった皇太子は、結婚を急ぐようにとの強いプレッシャーを受けていた。未来の王妃に適任のように見えたダイアナ妃は、イギリス王室という組織に取り込まれた」というもの。

ホームズ氏は夫妻の関係について、交際開始から婚約までわずか6カ月、2人はその間に13回デートしただけ、という事実が示すことについてこう語る。「チャールズ皇太子が結婚をどう考えていたか、どれだけプレッシャーを感じていたかということです…ほとんど、手続きのようなものだったのです」

「ダイアナ妃はすぐに、自らが置かれた状況に気付きました。後に結婚式の日を、“人生で最悪の一日”だったと打ち明け、最終的にはジャーナリストたちに、不幸な結婚について明らかにするまでになったのです」

また、2020年に『ピープル』誌が伝えたところによれば、この年に放送されたドキュメンタリー番組のなかで、元新聞編集者のマックス・ヘイスティングス卿は、1995年にダイアナ妃にインタビューしたときのことを次のように話している。

「まず明らかになったのは、ダイアナ妃がどれほど皇太子を嫌っていたかということです」「私が『幸せな時期はありましたか?』と尋ねると、ダイアナ妃は『ありません、結婚は初日から地獄でした』と答えました」

prince william in new zealand 1983
Anwar Hussein//Getty Images

ただ当然ながら、覚えておくべき重要なことがある。それは、チャールズ皇太子は婚約したとき32歳で、将来の国王としては明らかに「すでに年頃を過ぎていた」こと。いっぽうダイアナはまだ19歳で、非常に若かったということ。

ホームズ氏は、次のようにも述べている。

「安定しない家庭環境で育ったダイアナ妃が、多くの助言を得ることもなく、人生に関わるこれほどの大きな決断を下したのです」

「後から振り返ってみれば、危険を示す信号はあらゆるところに出ていました…結婚した2人はまるで、『前に向かって行進する兵士たち、義務を果たそうとしている人たち』のようでした」

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