「運命の人」 と聞くと、考え方や価値観、バックグラウンドが似ているなどの共通点が多いだけでなく、“スピリチュアルな繋がり”があるはずだと信じる人も少なくないはず。特に欧米では「魂の片割れ(ツインフレーム)」という表現を使って、その運命的な縁を強調することも。

本記事では、「ツインフレーム」の語源やスピリチュアルなコンセプトを信じるうえでの注意点などを、専門家の意見を交えて解説します。


【INDEX】


「ツインフレーム」の語源

古代ギリシアの哲学者プラトンの著書『饗宴』によると、原始時代の人間は、男同志の結合体、女同志の結合体、男と女の結合体の3種類だったという神話が記されています。つまり、人間はかつて、2人で1つだったのだそう。

しかし、傲慢になった人間たちに罰をあたえるため、ゼウスが1人ずつに分けてしまったことで、現在の姿があるとのこと。

そのため、間たちは常に不完全で、完全な存在になりたいがゆえに、自分の「片割れ」を探し求めたことが恋の始まりだと示唆しています。その「片割れ」を、欧米では「ツインフレーム(Twin Flame)」と表現するようになったんだそう。

ツインフレームと似たようなコンセプトに「ソウルメイト」という言葉がありますが、ソウルメイトは同じようなエネルギーを発している者同士を意味し、懐かしさや安心感を抱く傾向にあるとのこと。

「魂の繋がり」を信じるときの注意点

ツインフレームが実在するのかという現実性に対しては懐疑的な人も多いものの、「運命の人」を見つけ出すうえで魅力的なコンセプトではあるみたい。

セックスと恋愛関係のスペシャリストであるアナベル・ナイトさんは、「非現実的な幻想を抱かないよう注意するべき」としながら、“魂の繋がり”を持つ存在に出会うことはありえると話しています。

twin flame   an illustration of two women dancing together
irinabogomolova

誰かが“完全”にしてくれるという考え方は危険!?

一方で、セックスと恋愛コーチであるルーシー・コウェットさんは、この考え方には科学的な根拠がないうえに、自尊心を養ううえで危険性をはらんでいることを強調。

「自分と同じ魂を持つ人がどこかにいて、その人となんらかの繋がりを持たない限り、自分が“不完全”だと考えるのがツインフレームのコンセプトです。そもそも人は、悩みごとや困難に直面しながら、自分が完ぺきではない存在だと感じるもの。ただ、それを自分ではない誰かが補ってくれる、誰かが“完全”なものにしてくれるという考え方は危険だと思います」

これは、あらゆる人間関係においても言えることのよう。何を信じるかは自由である一方で、「魂の繋がり同士の絆は、他の関係よりも優れている」といった歪んだ捉え方に変異していく可能性があると警告しています。

依存してしまう可能性も…

また、有害な関係性によるトラウマなどから自信をなくしていたり、傷つきやすい状態の人ほど、「スピリチュアルな関係」というコンセプトに魅力を感じてしまう傾向があるとのこと。

そのため、結果的に過剰に依存してしまう可能性もあると指摘します。

「(このコンセプトを信じることで)相手に対して、自分で満たすことのできない感情的な空虚感を補ってくれるという、健康的ではない期待を抱いてしまう危険があります」

現実的な「運命の人」の見つけ方

コウェットさんによると、魂の繋がりを持つ人を見つけることに時間と労力を使うよりも、共通した価値観や習慣、相性に目を向けることが大切とのこと。

人によっては強く惹かれあい、考え方や感じ方までも深く繋がりあえる人に出会うことがあります。そんな時は、なぜそこまで相手と繋がりを感じるのかを追究してみるのがオススメ。お互いの境遇であったり、育った環境、文化的なバックグラウンド、メンタルヘルスの影響など、相手をよく知るために深いコミュニケーションを心がけてみて!

※この翻訳は抄訳です。

Translation: ARI

COSMOPOLITAN UK