民間人でも宇宙旅行に行ける時代になったとはいえ、月や火星に“住む”となると、まるでSFの世界の話をしているかのように感じてしまうはず。ところがNASAの計画によれば、月に“家”が建つのはそう遠い未来の話ではないんだそう。

月にある資源でコンクリートをつくる!?

以前から、月での探査や持続的な人類活動を目的とした「アルテミス計画」を発表していたNASA。

その一つに3Dプリント技術を駆使した拠点建築があり、高い3Dプリント技術を持つ民間企業「ICON社」などと手を組み、研究や準備を進めている。建築資材としては、月にあるちりや石、鉱物などの資源を原料にしたコンクリートのような物質を作り出すという計画だそう。 計画書にも「運搬が必要な地球の資源に頼らず、安全かつ効果的な運用を実現するためにも、月の資源を採集し加工する技術を研究・開発中」であることが書かれている。

宇宙で人間が暮らしたり探検するための施設を開発している企業「SEArch+」は、ICON社と共に月で建築する住居のイメージ写真を公表。パイナップルのような形をした家には個室があり、テレビのようなモニターも壁掛けされている。

2040年までに月に住居を建設するという目標を「あまりにも遠大な計画だ」と考えている人もいる一方で、<The New York Times>のレポートによれば、NASAに所属する7人の科学者たちは「すべての目標を達成できれば実現可能なこと」だと話しているという。

ただし、計画は研究段階であり、NASAのマーシャル宇宙飛行センターに所属するジェニファー・エドムンソン氏は、「まずは本当に月の資源を建築材料へと変えられるのかということを概念実証しなければならない。2040年を目標とするのなら、早急に開発を開始しなければ」と語っている。