利用規約や使い方をまた覚えなければならない新たなSNSアプリは、「もう十分」と思っていた人も多いかもしれない。だが、ツイッターのユーザーたちが突然の閲覧制限に困惑するいま、フェイスブックを運営するメタがリリースを発表した新たな「テキストベースの会話アプリ」は、かなりタイミングの良いものになったと言えそう。

ツイッター運営会社のイーロン・マスク会長は、1日に閲覧できる投稿数を未認証アカウントは600件、「Twitter Blue」サブスクリプションを購入している認証アカウントは6000件に設定(その後に変更している)。

さらに、複数のタイムラインを一覧表示できるダッシュボード「ツイートデック」も、近く有料化する考えを明らかにしている。

競合の「ブルースカイ(Bluesky)」や「マストドン(Mastodon)」と並び、ツイッターにとって新たな競争相手となる見通しの「スレッズ(Threads)」とは、一体どのようなものなのだろうか?

「スレッズ」とは

what is threads meta’s new platform hoping to rival twitter
Meta//Apple


「インスタグラムを活用したアプリ」としてアップルのApp Storeに登場したスレッズは、“ツイッターによく似た”短文投稿型アプリだという。すでに公開されているスクリーンショットから、「いいね」や「返信」「再投稿」「シェア」と同じような機能があることがわかる。使用には「12歳以上」の年齢制限が設けられている。

また、アプリの概要欄には次のようにも記されている。

「何であれ、あなたが興味を持つものについて、お気に入りのクリエイターや、同じものを愛するその他の人たちをフォローしたり、直接つながったりすることができます──忠実なフォロワーが増えれば、その人たちとともに、あなたのアイデアや意見、創造性を世界中とシェアすることもできます」

スレッズの特徴は?

meta’s new platform hoping to rival twitter
Getty Images

最新のアプリを使い始めるたびに、新たな設定をしなければならいことに“うんざりしている”人たちにとって、このアプリのプレビューに「インスタグラムのユーザーは、同じアカウント名を使用できる」と説明されているのは、嬉しいことかもしれない。

インスタグラムの月間アクティブユーザー数は20億を超えるとされており、メタがその活用を可能にしたことは、シンプルであると同時に、賢明な方法と言える。インスタグラムでフォローしていたアカウントを簡単に見つけてつながり、会話する(スレッドをする?)こともできるはず。

また、投稿については閲覧を誰にでも可能にするか、フォローしているプロフィールだけに可能にするかなど、ユーザーが自分で選択することができるとみられている。

ローンチはいつ?

ローンチは7月6日の予定とされている。現在、「予約注文」が可能となっており、注文しておけば、ローンチ後に自動的にダウンロードされる。

アプリは今のところ無料。ただ、今後プレミアムサービスが有料で提供されたり、アプリ内で購入できるものが登場する可能性はある。

予約注文したいという人は、アプリストアで検索すれば、簡単に見つけることができるはず。ただ、アンドロイドのスマホについては、現時点では未対応のもよう。

これまでの反応は?

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

テクノロジー専門メディアの『ザ・ヴァージ』によると、メタのクリス・コックスCPO(最高プロダクト責任者)は、メタは「分別を持って運営されるプラットフォームに関心がある」クリエイターや著名人たちから、意見を聞いているとのこと。

一方、ツイッターの共同創業者であり、ブルースカイの開発にも関わるジャック・ドーシー氏はツイッターで、スレッズのプライバシー保護の方針に関して警告している。

ドーシー氏は、スレッズが収集するとみられる個人情報が掲載されている画面のスクリーンショットを投稿。そこには、「健康・フィットネス」「金融情報」「連絡先」「閲覧履歴」「検索履歴」「購入履歴」「位置情報」に加え、保護が必要な情報も含まれている。

だが、ドーシー氏の投稿について、SNSコンサルタントでイギリス政府のデジタル・コミュニケーション政策の顧問も務めたマット・ナヴァラ氏は、「それでも人々は、イーロンのツイッターより、そのアプリを使いたいと思うだろう」と述べている。

あるユーザーはツイッターに、「自分の健康やお金に関する情報を(メタのCEO)ザッカーバーグに提供したいかどうか、わからないけれど……」と投稿。

これに対して別のユーザーは、「他のアプリにも、同じ情報、あるいはそれ以上の情報を提供しているはず」と反応している。

Translation: Ryoko Kiuchi From COSMOPOLITAN UK