アーティストに気づいてもらうためにメッセージボードを持参したり、ファンからアーティストに向けてサプライズ演出が行われることもある「ライブ」。お互いのつながりを感じたりして“楽しむ”ための場所で、アーティストに物が投げられる事件が立て続けに起こっている。
顔面に怪我を負った歌手も…
ビービー・レクサ
有名アーティストへの楽曲提供も行なっているビービー・レクサは、6月18日(現地時間)にニューヨークで行なったライブ中に、男性客がステージに投げた携帯電話が顔面に直撃。目の周りにアザができ、傷を縫わなけれなばならないほどの怪我を負った。
Twitterでは、ファンがその瞬間をとらえた映像を公開。「せっかくのライブが台無しになった。彼女が無事なことを願う」と批判の声と共に投稿している。
その後ビービーはセルフィーを自身のInstagramに投稿し、キャプションに「私は大丈夫」と綴り無事であることを報告している。
ケルシー・バレリーニ
<E!Online>によると、カントリー歌手のケルシー・バレリーニは、6月28日(現地時間)にアイダホでのライブパフォーマンス中に、ブレスレットがものすごいスピードで投げ込まれ、顔面に直撃したためライブを一時中断。
ケルシーの公式ファンアカウントがTwitterで「これは安全にかかわる問題」として、すぐさまやめるよう周知している。
ケルシーは後日、自身のInstagramストーリーズでこの件について「傷ついたというより、単に怖かった」と投稿。ステージを一旦降りて気持ちを落ち着かせ、会場にいる全員が安全である状態でライブを続けられるのかを確認していたとも明かした。
「ショーがみんなにとって安全な場所であってほしい。みんなを愛しているし、心配してくれてありがとう。ツアーの最後の2公演を、これまでで一番最高のショーにしましょう」
P!NK
6月25日(現地時間)、「BST Hyde Park(ハイド・パークブリティッシュ・サマー・タイム)」でパフォーマンスを行ったP!NKのステージには、遺灰が入った袋が投げ込まれたという。P!NKが戸惑いながら対応する様子を写した動画はSNSを中心に拡散され、その動画とともに本件を報じた<10newsfirst>のコメント欄では「さすがにやりすぎ」と非難が集中している。
P!NKは観客に向かって「これはあなたのお母さん?」と尋ねると、「どう感じていいかわからない」と言い、ステージの前の方にそっと置いてパフォーマンスを続けた。
エイバ・マックス
「Sweet but Psycho」で大ブレイクを果たしたエイバ・マックスは、6月20日(現地時間)にロサンゼルスで行ったライブのステージ上で被害に。物が投げ込まれたわけでないが、男性客がステージ上に乱入し、エイバに近づき顔面を平手打ち。 叩こうとしたのか、当たってしまっただけなのかは不明であるものの、拡散されている動画ではエイバを傷つけた様子が間違いなく写っている。
エイバはライブ後、自身のTwitterで「目の内をかすめるくらい、強くひっぱたかれた。彼はもう二度とライブにくることはありません」と投稿した。
アーティスト仲間を守るため
これらの報道を受け、グラミー賞を何度も受賞したことがあるアデルは、ラスベガスでのライブ中に観客に向かってこのように声をかけた。
「ここ最近、みんながショーのエチケットを忘れて、ステージに物を投げ込んでいることに気づいてる? そんなことって見たことある? 言っとくけど、私に何か投げてきたら殺してやるからね」
さらにケルシー・バレリーニの身に起きた事件を受け、多くのアーティストとコラボを行ってきたチャーリー・プースも、この問題を深刻に受け止めているとツイート。
「ステージにいるパフォーマーたちに物を投げる風潮は、もう終わりにしなければならいない。(ビービー、エイバ、そしてケルシー・バレリーニ…)ものすごく失礼なことであり、非常に危険なんだ。お願いだから、音楽を楽しんで」
他にもハリー・スタイルズやリル・ナズ・Xなど、多くのアーティストがライブ中にさまざまな物を投げ込まれている。誰もが安全にライブを楽しめるよう、アーティストたちの声に耳を傾けてほしい。