「Shape of You」「Thinking Out Loud」など多くのヒット曲を世に送り出し、グラミー賞を4回受賞した経歴をもつシンガーソングライターのエド・シーラン(31歳)。イギリス出身の彼は10月13日(現地時間)、アメリカのトーク番組『The Late Show with Stephen Colbert』に登場し、故エリザベス女王と初めて対面した際の秘話を明らかにしました。
エドがエリザベス女王に初めて会ったのは、2012年に開催された女王の即位60周年の祝賀式典「ダイヤモンド・ジュビリー」だったそう。
バッキンガム宮殿で無料コンサートが開かれたこのとき、デビューして間もなかったエドもポール・マッカートニー、エルトン・ジョンなどの豪華アーティストたちとともにステージに立ちました。
当時を振り返り、エリザベス女王と自身が握手を交わす瞬間をおさめた一枚の写真について「面白い写真」と言って裏側を告白したエド。
「このとき僕はキャリアをスタートさせたばかりでした。シングルが一枚ヒットしたあとだったんだけど、女王のジュビリーで演奏をしたんです」
「僕の隣にいた有名なコメディアンが女王と僕が握手をしているときにジョークを飛ばしたから、彼女が僕を見て喜んでいる(ように見える)写真が残ったんだ」
実際には、最初エドを紹介されたときの女王は特別な反応がなかったけれど、ちょうど写真が撮られた瞬間にコメディアンのジョークを聞いて笑顔を見せたのだと言います。
エドは続けて、自身がミュージシャンを志したきっかけにエリザベス女王が関係していることについても話しました。11歳のときに女王の即位50周年を祝う「ゴールデン・ジュビリー」でパフォーマンスをしたエリック・クラプトンの姿を見て、「彼のようになりたい」と思ったのだそう。
「テレビでジュビリーを見ていたらエリック・クラプトンがステージに立ち『レイラ』を演奏し始めたんです。当時の僕は『何だこれは?』って。そして、彼が曲を歌い終えた瞬間に『あんな風になりたい』と思いました。『ギターを持ち、ステージで歌いたい』と。そして10年後、同じステージに立って演奏をしました。さらにその10年後(今年)にもね」
今年6月、エリザベス女王の歴史的な即位70周年を祝った「プラチナ・ジュビリー」では「Perfect」を披露したエド。そのときには「これほど愛国心を感じる日は滅多にない」と語っていました。
女王の逝去後の9月10日(現地時間)にドイツ・ミュンヘンで行われたコンサートでは、追悼の意を表しながら2012年のダイヤモンド・ジュビリーで演奏を依頼されたときの心境を次のように打ち明けました。
「人生で『これは素晴らしい歴史的な瞬間だ』と思えるようなことはそう多くはありません。50年後に振り返って『あれをやったのはクールだった』と思えるようなことをやっている気がするんです」
「だから今週女王が亡くなったときに何を言うべきか考えていました。そして『(女王の)ゴールデン・ジュビリーがなかったらギターを手にすることはなかっただろう』と言おうと思ったんです」