合成樹脂でできた液体を塗って、専用のLEDライトで硬化させる「ジェルネイル」。きれいなツヤと持続力が魅力で、最近はおうちでセルフジェルネイルを楽しむ人も増えています。

一方で、ジェルネイルをオフするのは「めんどくさい」と思われがちです。爪の端のジェルネイルが剥がれてきたら、つい自分でペリペリとめくってしまう人も少なくないはず。しかしこれは、もとの爪(自爪)にダメージを与えるNG行為。

今回は、プロのネイリストであるローラ・マラーキー氏とマッツ・ハンナ氏が、自宅やサロンにおける正しいジェルネイルのオフ方法を伝授。あわせて、皮膚科医のクセニヤ・コベッツ医師が、ジェルネイルと爪の健康について解説します。

自分でジェルネイルをオフする方法

セルフでジェルネイルをオフするには「ソークオフ法」が最適だと言われています。マッツ氏とマラーキー氏が解説するシンプルなやり方とポイントは次の通り。

ソークオフ法

  1. 爪やすり(ネイルファイル)でジェルの表層をツヤがなくなるまで削る。
  2. コットンにアセトン入りリムーバーを染み込ませ、それぞれの爪の上に置く。
  3. コットンをアルミホイルかネイルクリップで固定し、15~30分間放置する。
  4. 時間が経ったらコットンで爪を拭き、表面に残っていたジェルを取り除く(このとき、必要であれば余分なジェルを爪やすりで削ってもOK)。
  5. 目が細かいネイルバッファーを使用して爪の表面をなめらかに整える。
  6. 場合によっては、ジェルネイルを完璧にオフするために、リムーバーをジェルに浸透させる作業を2回繰り返す必要があるかもしれません。

時間短縮のポイント

  • ウォーミングミトンを使用し爪を温めることによって、手順3の放置時間を短縮することが可能。
    ※使用方法をよく読んでから使ってください。
  • 大小のボウルを1つずつ用意し、大きなボウルにお湯を張り、そこにアセトンを入れた小さなボウルを浸しておくと、アセトンが温まって、ジェルのオフにかかる時間を短縮できます。

爪のなめらかさと健康を保つためにマラーキー氏がおすすめするのは、ジェルネイルをオフした後は少なくとも1週間は、1日に1回ネイルオイルを使用して爪をケアすること。

また、ネイルサロンによってはジェルネイルを完全に爪やすりでオフしてしまうところもありますが、これをセルフで行なわないようにしましょう。いつネイルベッド(爪のピンク色の部分)までやすりをかけたのか見分けるのが難しいうえ、爪にダメージを与えてしまう可能性があるので、この場合はプロに任せるのが一番です。

ネイルサロンでジェルネイルをオフする場合

ネイルサロンによって違いはあるものの、ほとんどが自宅でオフするときと同じ方法で行われます。ソークオフ法を使うサロンもあれば、ジェルネイルを完全に削ってしまうパターンも。その場合はたいてい、ネイルマシンを使ってジェルを削っていきます。このときの注意点についてハンナ氏は次のように話します。

「不適切なネイルマシンの使用は爪へのダメージの原因になります。マシンの使用には細心の注意を払う必要があるのです。また担当のネイルアーティスト(ネイリスト)が、マシンを使ったジェルのオフ方法についてきちんと教育を受けているかどうかにも気を遣いましょう」
the specialist processes nails with manicure machine
Anastassiya Bezhekeneva//Getty Images

アセトン入りリムーバーが好まれる理由

一般的にアセトンを含まない「アセトンフリー」のリムーバーは爪にやさしいと言われています。実際に、アセトンフリーのリムーバーでジェルネイルをオフすることも可能。

ただし、ジェルを除去するときにはアセトン入りリムーバーの方が適しているという意見が多数。この理由について、ハンナ氏は次のように説明します。

「ジェルネイルをオフするときにアセトンフリーのリムーバーを使うと、強い力がかかって最終的に爪を傷つけてしまいます」

アセトン入りリムーバーの注意点

一方でコベッツ医師は、アセトン入りリムーバーの注意点として「爪やキューティクル(甘皮)を激しく乾燥させ、爪の周りの皮膚のかぶれやひび割れ、敏感肌になったり湿疹を悪化させたりするリスクがあること」を挙げています。

アセトン入りリムーバーによる乾燥を防ぐためにも、ジェルネイルをオフしたあとは、保湿効果のあるキューティクルオイルを爪と爪の周りの肌全体に塗るようにしましょう。

ジェルネイルは無理やり剥がしても大丈夫?

ジェルネイルを自分で剥がすのは、絶対にしてはいけない行為。ハンナ氏によると、ジェルを無理やり剥がすと、層になっている自爪の一部も一緒に剥がれる可能性があり、爪に外傷などのダメージを与えることになるそう。

また、ジェルを剥がす行為は爪にダメージを与えるのはもちろん、爪が弱くなり、折れたり裂けたりする原因にもなります。

さらにマレーキー氏は、「傷んだ爪にはジェルがうまく接着しないため、ジェルネイルを無理やり剥がすことによって、次回のジェルネイルの寿命が短くなる」と指摘。そしてこれが、ジェルネイルが「爪に良くない」「爪をダメにする」と誤解される要因にもなっているとのこと。

「ジェルそのものが爪にダメージを与えているというよりも、不適切な施術が行われたときや、良くない方法でジェルネイルをオフしたときに爪が傷むことの方が多いんです」
removing nail polish from hand fingers with foil, damaging nails
Enes Evren//Getty Images

ジェルネイルはどのくらい持つ?

製品や自爪の伸びるスピードにもよるものの「ジェルネイルは2~4週間は持つ」と、ハンナ氏。ただし、爪の健康を気遣うなら、ダメージを与えないためにも、時々はジェルネイルをお休みして爪に何も塗らずに過ごすことが大切です。

ジェルネイルを放置する危険性

意外かもしれませんが、ジェルネイルをそのまま放置しつづけることにはリスクが伴うんだそう。個人差はあるものの、「4~6週間が経った後も放置していると真菌感染症にかかるリスクが高まる」とコベッツ医師は言います。

また、感染症にかかった爪の上にジェルを塗り続けると、症状がさらに悪化する可能性も。そのため、ジェルネイルはサロンのアドバイスに従い、2~4週間程度でしっかりとオフすることが大切。

爪の変色がひどい場合や感染症の兆候がある場合には、皮膚科医など医療機関を受診するようにしましょう。


いかなるネイルも化学物質でできているため、長期間つけっぱなしにしておくことは、爪にダメージを与えてしまう危険性があります。正しい方法でオフすることや自分の爪の常態をよく観察することを心がけて、可愛いネイルを楽しんで。

※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: Risa Tsubakihara
Cosmopolitan US