爪の白い斑点ができる症状については、ビタミンやミネラル不足が原因と聞くことが多いはず。一方で、専門家によればそうしたケースは稀で、最もよくある原因は「爪床の損傷」なのだとか。 ではこのような症状に対して、実際にどんな治療や予防法があるのでしょうか。
本記事では、足の爪の症状などに詳しい内科医ケニー・ウィン・リャン・シウ医師と、セレブ御用達の足と爪治療専門家のマリオン・ヤウさんによる解説を<ネット・ドクター>よりお届けします。
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爪の白い斑点の正体
「爪甲白斑(そうこうはくはん)」の名でも知られる白い斑点は、手や足の爪に現れる白い線や点で、帯状にできる場合もあるそう。
ヤウさんによると、爪甲白斑のタイプは以下の3つ。
- 縦線状爪甲白斑:爪床に対して縦に白い線ができる症状。
- 点状爪甲白斑:爪床の上に白い斑点ができる症状。
- 線状爪甲白斑:爪床に対して横に白い線ができる症状。
爪の白い斑点の原因
爪甲白斑はよくある症状で、原因は様々。「一番多い原因は、外傷と真菌感染症です」とヤウさん。「外傷は爪母(爪が作られる場所)への直接の損傷や爪甲の表面への損傷によって起こります。一番よくあるのは、マニキュアやペディキュア、ネイルポリッシュに含まれる化学物質によるものですね」。
ヤウさんによると、これらは最も一般的な原因であるとはいえ、その他にも白い斑点を引き起こす健康問題があるのだとか。以下が、その例。
- 遺伝
- 肝硬変や慢性腎疾患、低アルブミン血症などの全身性疾患
- 全身性の化学療法などの薬品
- ネイルポリッシュや爪強化剤、除光液などの化学物質に対するアレルギー反応
- 乾癬や皮膚炎などの皮膚の不調
- ミネラルやビタミンの不足
爪の白い斑点はビタミン不足のサイン?
爪にできた白い斑点が、「ビタミンやミネラル不足のサイン」であることは滅多にないそう。
「亜鉛、カルシウム、鉄分の不足は爪甲白斑の原因になりえますが、そうしたケースは極めてまれです。健康的な食生活を守っている場合はなおさらです」
「ビタミンやミネラルの不足を疑っているなら、かかりつけの内科医に血液検査をしてもらうといいでしょう」と語るのは、ケニー医師。
「不足しているかどうか、どんな治療やサプリメントがあり、何に気をつければいいかがわかるでしょう。ただし、健康的な食生活をしているなら、栄養不足で爪甲白斑になることはまずありえません」
爪の白い部分を削っても大丈夫?
気になる白い斑点を削ってみたいという場合には、くれぐれも気をつけて。
「白い部分が爪甲の奥深くや爪床にまで広がっていなければ、安全に取り除くことができます。白い斑点がネイルポリッシュや表面的な真菌感染症による場合は、爪やすりで数回削れば取り除けますよ」(ヤウさん)
ただし、爪にさらなるダメージを与えないため、削り過ぎには注意すること。
「爪が薄くなって、脆くなったり、変形したり、爪甲が浮いたりしないよう、決して爪甲を削り過ぎてはいけません。その後は削られた爪甲を保護するために、爪の洗浄剤やオイル、抗真菌薬を塗ることをおすすめします」
原因別の対処法および治療にかかる時間
原因によって治療法は異なるものの、ヤウさんによれば、治療できないケースもあるそう。
「白い斑点が外傷によるもので、損傷が一時的なものである場合、爪が伸びれば白い斑点もなくなります。どれくらい時間がかかるかは斑点の場所によります。手の指のつけ根にできたものなら12〜16週間、足の指のつけ根なら、1年はかかるかもしれません」
また、真菌感染症による場合は、「レーザーや外用薬、内服薬がこれらの斑点の除去に役立つでしょう」とのこと。
ケニー医師も、まずは医療機関に相談に行くことを推奨。
「治療ができない場合もあります。たとえば、長期にわたる全身性疾患の場合、爪甲白斑は解消できず、白い斑点は残るでしょう。その場合、医師と相談してみてください」
白い斑点の予防法
ヤウさんによると、以下の簡単な方法によって、爪の白い斑点は予防できるそう。
- 爪を削ったり、甘皮を処理し過ぎたりすると、爪床に直接傷ができることがあるため、できるだけ避ける。
- 通常のネイルポリッシュに含まれる化学物質へのアレルギー反応を避けるため、ウォーターベースのネイルポリッシュを使って、リスクを減らす。
- 真菌感染症にかかりやすいなら、薬用のネイルケア製品を使って、感染の進行を抑える。
- 可能であれば、指や爪を保護する手袋をして、あらゆる外傷を避ける。
爪に良い食べ物
ヤウさんによると、爪の修復に効果のある食べ物もあるそう。
「爪は主にケラチンでできていますから、肉、魚、ナッツ、豆類などの高タンパク質の食品を食べれば、爪床や爪甲に栄養分を与えてくれるでしょう。亜鉛、ビオチン、ビタミンBやシリカのサプリメントを飲むことも、爪を強く健康にし、ダメージから守ってくれますよ」
※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation:mayuko akimoto
NETDOCTOR