加齢によるものから、若い人に突然生えてくるものまで、謎に包まれた白髪の原因やメカニズムを、<グッド・ハウスキーピング>と<コスモポリタン アメリカ版>からご紹介。

研究者が見つけた面白い真実に驚く人は多いはず!


【INDEX】


白髪が生えるメカニズム

Philip Kingsley Trichological Clinic」のコミュニケーション・ディレクターで、毛髪学者のアナベル・キングスリー先生によると、毛母細胞のそばにある色素細胞で「メラニン」と呼ばれる色素の生成が止まると、髪の毛に色がつかなくなり、白髪が生えるというメカニズムになっているそう。

白髪が生える原因と対策

では、白髪は何がきっかけで生えてくるのでしょうか。白髪の原因と対策について専門家に聞きました。

一番の原因は正常な「加齢」

この情報は驚くには値しないけれど、皮膚科の専門家はこれを「50-50-50の法則」と呼んでいるそう。

「50%の人には、50歳でだいたい50%の白髪があります」と話すのは、スタンフォード大学の皮膚科学教授アンソニー・オロ博士。

さらに、マイアミ大学医学部でエスニック・スキンケア部長を務めるヘザー・ウーラリー=ロイド博士によると、皮膚と同じように、髪も年齢とともに質感が変わっていくとのこと。

ストレスは大いに関係する

「ストレスが白髪の直接原因というわけではありませんが、皮膚や髪の多くの問題に関係しています」と話すのは、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の皮膚科学准教授、ローパル・クンドゥー博士。

ストレスのかかることがあったとき――たとえば病気で化学療法を受けて髪が抜けた場合、その後に生えてくる髪の色が変わるということもあるのだと言います。

生活習慣でも違いが

タバコはその一例で、肌と髪にストレスを与えるそう。

ニューヨークにあるモンテフィオーレ・メディカルセンターの皮膚科センター内コスメティック・クリニック院長を務めるカルティク・クリシュナマーシー博士は、「ビタミンB12が少なくなると、髪の色素が減ってしまうことは有名」と指摘。

また、「レバーやにんじんを食べるようにしてみてください」と勧めるのは、クリーブランド・クリニックの皮膚科上級医ウィルマ・バーグフェルド博士。

ビタミンB群やミネラル(特に銅や亜鉛)などの栄養素、抗酸化物質の豊富な食物は細胞を毒素から守り、心臓病やがんなどの病気を(そしてたぶん白髪も)防いでくれるとか。

髪自体にも脱色作用がある

オキシドール(過酸化水素水)で髪を脱色した、なんていう経験がある人もいるかもしれませんが、過酸化水素が白髪のできる原因でもあるそう。

2009年に米国実験生物学会連合が発表した研究によると、過酸化水素は自然に髪の毛包(毛根を包む組織)に生じ、年齢を重ねるにつれて蓄積されていくとのこと。溜まった過酸化水素はメラニン(毛髪の色素)の生成を邪魔するのだそうです。

白髪にまつわる5つの真実

ここからは、白髪にまつわる意外な事実をご紹介。

人種によって違いがある

理由はまだ解明されていないものの、白人は白髪が早く出始める傾向があり、なかでも赤毛の人が一番早いそう。次に早いのがアジア系、そしてアフリカ系の順。

髪自体と、色素は別物

実は毛包幹細胞が毛髪を作り、色素幹細胞が色素を作るそう。通常はいっしょに働くこれらの細胞ですが、どちらかが先に、しかも普通よりかなり早く、弱ってしまうこともあるんだとか。

研究者たちは医薬品や頭皮につけるもので白髪を遅らせることができないか、研究中とのこと(ちなみにカラーリングは、髪を色でコーティングするものであり、その構造自体を変えるものではないそう)。

毛髪は白髪に変わるのではなく、白髪として生える

髪の毛は1年間から3年間伸びて、やがて抜け落ち、そして新たな毛が生えるそう。歳を取ると、この新しい毛が白いことが多くなるのだとか。

「髪が再生するたびに、色素を作る細胞も新たにしなければならないのですが、それが消耗してしまうんです」とオロ博士。

白髪が黒髪より硬いということはない

白髪は実際には色のある髪より細くなるものの、乾燥して硬そうに見えるのは、歳をとると頭皮の油分が少なくなるためだそう。

ヘアケア製品で有名なフィリップキングスレー社の毛髪学者であるグレン・リオンズさんいわく、髪が硬く見える理由は他にもあるよう。たとえば、しょっちゅう白髪を引き抜いていると毛包が変形してしまって、その結果、毛髪がうねりがちになり、硬く感じるんだとか。

白髪はカラーリングしにくい場合も

もともと髪を染めていた人のなかには、髪が白くなり出してから染まりにくくなったと感じる人もいるかもしれません。

ヘアカラーメーカー、マディソン・リード社の専門家によると、「白髪のなかには染まりにくいものもあります」とのこと。

「もしそうならば、使うカラー剤の濃さを一段落としてみたり、髪の根元にちょっと濃い色を使ったりして、うまくカバーするといいですよ」

最近は素材も形態も多種多様な商品が販売されているカラーリング剤。自分に合ったものを見つけて、白髪ケアに役立てたい!

※この翻訳は抄訳です。

Translation:Noriko Sasaki (Office Miyazaki Inc.)、YUUMI IKEUCHI
GOOD HOUSEKEEPING COSMOPOLITAN