エイジングケアのルーティンを見直し、さらに力を入れたいと考えているなら、注目したいのが「アルジルリン」。

海外では「ボトルに入ったボトックス」「塗るボトックス」とも呼ばれて関心を集めているこの成分は、研究によりシワ予防効果が確認されたものとしても知られています。しかもボトックスに比べてはるかに安価で、針も使う必要もないのだとか。

美容外科医で、アメリカ・ニュージャージー州でスキンケア&アンチエイジング専門のクリニックを開業するアレクシス・パーセルズ医師によると、この「アルジルリン」は、スペインのLipotec社が名付けた、合成ペプチド「アセチルヘキサペプチド-3(またはアセチルヘキサペプチド-8)」のブランド名。

具体的には、次のようなものだという。

「ペプチドは、コラーゲンやエラスチンといったタンパク質の構成要素です。スキンケア製品に多く使用されていますが、筋肉の動きを抑制し、シワができるのを防ぐように設計されたペプチドは、アルジルリンが初めてです」
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Caroline Tompkins / Refinery29 for Getty Images//Getty Images

パーセルズ医師によるとアルジルリンは、(ボトックス注射に使用される)ボツリヌストキシンの基質でもある、タンパク質のSNAP-25の断片なのだそう。

アルジルリンもボトックスもともに、神経と筋肉の接合部で表情筋を緊張させる神経伝達物質の放出を抑制し、表情筋の収縮を低減させる働きをするため、両者を比べることは決して大げさな話ではないという。

さらに、「アルジルリンはコラーゲンの機能を促進し、最適化することもわかっています。そのため、肌をより引き締め潤いのある状態にすることができます」とのこと。

またアルジルリンは、大半の成分と混ぜて使うことが可能。皮膚科医のジェシー・チュン医師は、「アルジルリンは、その有効性をさらに高めるため、マトリキシルやフォーミュリストといったその他のコラーゲン生成ペプチドなどと組み合わせて使われることがよくあります」とコメント。そのほか、レチノールやヒアルロン酸と組み合わせることもできるという。

close up of woman receiving botox injection under eye
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ただしアルジルリンについて、パーセルズ医師が注意点としてアドバイスするのは、エタノールを含む化粧品と併用しないようにすること。保湿やコラーゲン生成を刺激する効果を打ち消してしまうことになるため、特に乾燥肌の人は要注意だそう。

アルジルリンを含む製品のほとんど(セラムやアイクリーム、保湿クリームなど)は、数字の「11」のような形の眉間のシワや、「カラスの足跡」と呼ばれる目じりのシワなど、ボトックスが使われるのと同じような部分に使用することができます。

また、朝晩の使用による副作用の報告もないことから、1日2回、この時間帯にクリーンな肌に使用するのであれば、特に心配すべきこともないという。ただ、敏感肌の人は最初の何日間か、小さな部分に少しだけ塗布し、テストをしたうえで使用することを勧めています。

young beautiful girl shows a middle aged woman an exercise to tighten her face muscles and reduce age wrinkles
Fiordaliso//Getty Images

なお、アルジレリンは臨床試験で有効性が示された成分ではあるものの、皮膚の一部に局所的に塗布するものであり、シワを改善することにおいて、ボトックスほどの効果が期待できるものではないということを理解しておく必要が。

ただパーセルズ医師によると、ある研究の結果、トリペプチド-10-シルトルリンと組み合わせた場合、浸透性が高まることが示されているという。

アルジルリンの効果が継続する期間については、今のところ大規模な研究は行われていません。それでも、注射には抵抗があるという人、前回と次の施術の間に注射の効果を維持するためのものとして関心があるという人にとっては、試してみる価値があるといえるかも。

※この記事は抄訳です。

Translation:Hearst Contents Hub

From: Women's Health JP