自分の年齢層に向けて作られた製品を使うことは、理にかなっています。とはいえ、30代に最適なスキンケアのルーティンが何であるかを正しく知らなければ、かえってよくないことになってしまいます。
30代は皮膚細胞のターンオーバーが遅くなり、また遺伝子の老化や環境による影響で、小じわやくすみ、乾燥などが顔に現れることも。
またこの年代になると、職場での地位や結婚・出産に対する葛藤などからストレスを抱えることもあり、顔の色ツヤの変化が顕著になりやすいそう。
しかし、いつものスキンケアにいくつかの変化を加えるだけで、大きな違いを生むことができる。30歳以上の肌に必要なビューティルーティンについて、プロが詳しく解説!
【INDEX】
- 30代で使うべきスキンケア
- 30代でエイジングケア製品を使うべき?
- 30代でスキンケアを始めるのは遅すぎる?
- 専門家の5つのアドバイス
1. 肌をこするタイプの製品にお別れ
2. 肌に優しく
3. 皮膚科医に頼ることをためらわないで
4. ミセラーウォーターは“適切な”洗顔料ではない
5. 投資するならルーティンの中盤に - 30代のスキンケアに必要なもの
- 30代に最適なスキンケアルーティン
- 朝のルーティン
軽い洗顔
化粧水
美容液
ヒアルロン酸
モイスチャライザー
日焼け止め - 夜のルーティン
洗顔&角質ケア
美容液
ナイトクリーム
アイクリーム
30代で使うべきスキンケア
まずは、今の肌と20代の肌との違いを知るところからスタート。30代になるとホルモンレベルが低下し始め、コラーゲンとエラスチン(コラーゲン同士を結ぶ、弾力性のある繊維状タンパク質)の生成速度が遅くなるそう。
エデン・スキンクリニックの専門家ロレイン・スクリブナーさんいわく、「細胞のターンオーバーは30代の間に遅くなり、皮膚の弾力は徐々に失われていきます」とのこと。
スキンケア方法は、エイジングプロセスに影響を及ぼす。過去の自分が肌に関して不注意だったのであれば、それは自己責任になってしまいます。
「ほとんどの人は、30歳を過ぎる頃には、夜更かしや紫外線によるダメージの痕跡が残っているはずです」と言うのは、皮膚科を専門とするナリス・クリニックを開業したアニータ・スターナム医師。
小じわだけでなく、乾燥肌やオイリー肌になることも。しかし、ここですべてが失われるわけではありません。乾燥と闘いバランスを取り戻すことができるハイパワー製品が、市場にはたくさん出回っているのでご安心を。
肌の回復や修復に役立つトリートメントや製品は数多くあり、どんな年齢でも素晴らしい肌を保つことができるが、歳を重ねることに合わせて、スキンケアにも配慮を重ねる必要が。
30代でエイジングケア製品を使うべき?
効果的な有効成分を含む製品を使うことは、よい考えです。強力なビタミンA誘導体レチノールのような一部の成分には注意が必要ですが(肌質によっては炎症や乾燥を引き起こす可能性も)、エイジングケアにおいてはいい仕事をしてくれるとされています。
30代でスキンケアを始めるのは遅すぎる?
スキンケアへの投資に遅すぎることは決してありません。もちろん、予防は治療に勝るため、肌に栄養を与えてケアする時間は、早ければ早いほど◎。
何から始めるべきかわからない時は、まずは毎晩きちんとメイクを落とすこと、毎日日焼け止めを塗ること、朝と夜のお手入れに保湿美容液を加えることから始めてみて。
専門家の5つのアドバイス
30代の肌に最適なスキンケアルーティンについては、製品や成分を知る前に、エキスパートによる教えを心に刻むことから始めよう。
1. 肌をこするタイプの製品にお別れ
20代のうちは、便利なシートタイプのメイク落としでも問題なかったかもしれませんが、30代の肌では弾力性の面で問題が。
「拭き取りタイプは、30代の肌には研磨性が強すぎます」「また、メイクを素早く落とすためにアルコールを含んでいる可能性があり、それによって肌の自然なバリア機能が乱され、敏感肌や乾燥肌につながりかねません」とスクリブナーさんは説明。
2. 肌に優しく
スキンケアブランド「ラ ロッシュ ポゼ」の調査によると、62%の女性は敏感肌や皮膚にアレルギーがあると回答しているそう。そのため、健康な肌を維持するには適切な製品を選択することが何よりも重要。
エイジングケアは必要なことが、自分の肌質に目を向けることを忘れずに、そして、やりすぎには注意して。
3. 皮膚科医に頼ることをためらわないで
多くの女性は、30歳以降に肌の変化を経験する。一般的には、体の変化に合わせるように、大人ニキビや色素沈着、酒皶(しゅさ)などのトラブルが。
仕事や生活におけるストレスは、ホルモンや食事などの他の要因と同様、肌に影響を与えうるものであり、肌に関する新たなステージに突入していると感じるのはあなただけではありません。
多くの女性は肌の状態が改善され、(肌トラブルが)自然とよくなる、または消えることを望んでいるかもしれないが、そのトラブルを引き起こしている原因をそのままにしておいては意味がない。 酒皶のような状態は専門家に診てもらわなければなかなか治らないだけでなく、治療がより困難になる可能性も。
少しでも早く肌トラブルから解放されるためにも、ためらわずに皮膚科医に相談することを検討しましょう。
4. ミセラーウォーターは“適切な”洗顔料ではない
スキンケアの第一人者として知られるキャロライン・ヒロンズさんは、飛行機内や野外フェス、ジムなど水がない場所にいる時には、ミセラーウォーターは素晴らしい役割を果たしてくれると考えているそう。ただし、それは洗顔料の代わりになるものではないとのこと。
普段の生活においては、一般的なクレンジングや洗顔料を使うのがマスト。 それが何よりもあなたの肌のためになるから。
5. 投資するならルーティンの中盤に
ヒロンズさんからのもう1つの助言は、「できる限り、ルーティンの“中盤”に投資する」こと。つまり、基本的には洗顔料や化粧水よりも、美容液や有効成分にお金をかけるのがおすすめだそう。
これは、美容液のほうが処方が難しく高価な成分を必要とするために、価格も高くなる傾向があるため。
30代のスキンケアに必要なもの
肌は人それぞれ違います。そのため、他の人の肌には合っているものでも、自分の肌には合わないということも起こりうるが、一般的な習慣としては、以下のようなルーティンを身につけたいところ。
30代に最適なスキンケアルーティン
朝のルーティン
軽い洗顔
寝ている間に、肌は毒素や老廃物を排除して生まれ変わる。朝起きた際にはメイクアップや日焼け止めは使っていないため(前の晩にきちんとメイクを落とし、保湿をしておくのが大前提)、ライトなテクスチャーのクレンジングだけで十分。
化粧水
化粧水のなかには、毛穴を引き締め、皮脂の分泌や肌のバランスを整える機能があるものも。また、その前に使う洗顔料や洗顔方法にも肌の状態は左右されるため、肌のpHバランスを整えてくれる化粧水を見つけよう。
「抗酸化物質を配合した化粧水は、肌のpHを5.5に調和させてくれます。これは、肌の健康を最適化するために必要な数値なのです」「また化粧水は、美容液という重要なステップに向けて皮膚に“準備”させるように働き、より浸透させ効果的に機能します」とスターナム医師。
美容液
モイスチャライザー(保湿液)は肌の水分補給とバリア保護に役立つが、有効成分を肌に届けてきちんと作用させたいのであれば、美容液が必須。
少し高価かもしれないが、機能性化粧品のブランドから購入すれば、その価格には臨床試験をカバーしている分が含まれ、また、肌に適したバランスで作られていることを実感できることも。美容液にお金をかける分、フェイスクリームを節約してコストのバランスをとるなどしても◎。
なお、美容液にはさまざまな有効成分を配合したものがあるので、ニーズに応じてあなたの肌にプラスしたいと思う成分を以下でチェックしてみて。
・L-アスコルビン酸(ビタミンC):肌を明るくし、フリーラジカルによるダメージを中和するのに役立つ抗酸化物質。
・レチノール(ビタミンA):エイジングケアのほか、開いた毛穴や色素沈着を軽減するのに役立つ(朝ではなく夜に使用するのが望ましい)。
・PHA(ポリ・ヒドロキシ酸)/BHA(ベータ・ヒドロキシ酸)/AHA(アルファ・ヒドロキシ酸):肌のキメとバランスを整える、角質除去作用の酸。
・サリチル酸:抗菌性があり、ニキビができる原因となる角質を溶かす。
・フェルラ酸(ビタミンCとEを含む):コラーゲンの生成や肌のトーンを整えるのに役立つ抗酸化物質。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸入りの美容液は肌をふっくらさせ、皮膚の最上層の水分を補ってくれるもの。他の美容液ほど製品に注意を払う必要はなく、比較的安く購入することができる。
「ヒアルロン酸を加えると、表皮のバリアが強化され、コラーゲンの生成をサポートしてくれます」とスターナム医師は説明している。
モイスチャライザー
まずは化粧水で肌を整えてから、美容液、モイスチャライザー、日焼け止めの順番で重ねていくのがベスト。そうすれば、最初に化粧水から浸透し、その上に肌に栄養を与えて保護する層が重なる。
日焼け止め
どの年代にも大切なのが日焼け止め。老化プロセスを遅らせたいのであれば、やはり必須! 毎日使用することが望ましく、必要量は肌タイプやどのくらい紫外線にさらされるかによって異なる。
なお、日焼け止めが保湿効果をうたっている物なら、前述のモイスチャライザーはスキップしてもOKだそう。
夜のルーティン
洗顔&角質ケア
洗顔とあわせてケミカルなエクスフォリエーターで角質ケアをすでに始めている人は、そのまま続行を。もしできていないなら、今がちょうど始めるタイミング。
ブランドにもよるが、エクスフォリエーターは週に1〜3回程度使用するもので、毎日使うものではないことを覚えておいて。
それ以外の日は、肌のニーズに合った洗顔料だけを使用すること。肌に負担をかけないことが大切で、レチノールやビタミンCなどの有効成分を含む製品を使っている場合は、数日間はなるべく肌に優しい洗顔料を使用するのもおすすめ。
肌の声に耳を傾け、必要なものを与えてあげよう。
美容液
エイジングケアに効果があるレチノールは、紫外線に対する肌の感度を高めてしまうため、夜に使用するのがベスト。製品によって効果の強さは異なるので、自身の肌の敏感度に合わせて最適なものを選ぶのが望ましい。
なお最初は、レチノールの濃度が0.3%前後のものからスタートするのがいいそう。ゆっくりと肌に馴染ませ、刺激のリスクを減らすことができる。なお、市場に出ているもので最も強いのは1%ほど。
妊娠中はレチノールを避けるべきとも言われているが、植物由来の代替品であるバクチオールならより安心して使用できる。超敏感肌で、レチノールを使うと肌トラブルが起きてしまう恐れのある人も、このオプションならトライ可能。
ナイトクリーム
再生プロセスを通じて肌をサポートし、より効率的にすることが、ナイトクリームの役割。
アイクリーム
目の周りの皮膚は顔のなかでも最も敏感な部分であり、老化のサインが現れる最初のゾーンのひとつ。しかし多くの場合、アイクリームの成分と顔に使用するローションの成分はほぼ同じ。つまり、無理に購入する必要はない(一般的に両者の主な違いは、目の周囲には適さない物質が含まれているかどうか)。
大切なのは、ぞんざいに触らないこと。クリームが浸透するまで優しく丁寧にマッサージすることに少し時間をかけてみて。このプロセスはあなたの顔の筋肉を強化し、コラーゲンの生成を促進する。
体と同じように、顔も鍛えるほど引き締まる!
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Ai Ono